Saturday, March 27, 2010

あさきゆめみし 〔パリ便り〕

このところ、不安定な空模様のパリ。フランスでは、「5月までは糸一本、脱いではだめ(春が来たと思っても5月までは薄着は禁物。いつ寒くなるかわからないゾ)」と言う様なことわざがある。三寒四温って奴でしょうか。5月までというのが、とことん気まぐれなフランス気質を表しているような気がする。

とはいえ、気まぐれで光源氏にかなうものはいないだろう。
源氏物語の漫画版、「あさきゆめみし」を読んだ。受験勉強以来である。あの頃は漫画でも読むのがつらいほど詰まらなく思えたが、あらためて読んでみて、これは高校生には無理な内容だろう、と。白馬の王子と結ばれたらそれがハッピーエンド、というイリュージョンを抱いている高校生に、光源氏の移り気さと、当時の乱暴な結婚観は理解のキャパ越えではないだろうか。それとも高校生の柔軟さを信じて、文部省はこの物語を教材として推奨しているのだろうか。今、婚活を、子作りを国挙げて推しているのに、若い人にこういう愛、家族の原型を教えるのってどう?ぶつぶつ・・・。

Anyway, 大人になって読むと、まぁなんと面白い!光源氏、美しすぎる!女性陣、はかな過ぎる!雅と無常、あぁ、日本!ねじれた性愛観も然り。不倫や変態嗜好(ロリコン、夜這い〈≒強姦?〉)など、この時代から始まったのでは。
戦争もなく、恵まれた階級に育った人々の人生観の行き着くところは無常だったというのは、なんとなくわかる。この時代で一番人生を楽しんだのは、この物語を創った紫式部だと確信した「あさきゆめみし」アゲインでした。

3 comments:

  1. 嗚呼、源氏物語!私はガキの時分からひねくれていたせいか、当時もとても面白いと感じました。多分、先生がよかったのか。ほんと、すごい話ですよねー。でも、好きです。つい最近、六条の御息所について、友人と話に花が咲きました。漫画は、大和わきさん(でしたよね?)の光源氏、目がハートになりますよね~!!

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  3. そうです、水曜日に図書室に返却しますので、借りられますよ。「あの方がいると光が放たれたようでした」って、まるでイエス様みたいな方に書かれていますが、原文もこうなのでしょうか。だとしたら面白い。
    そうか、皆を私と一緒にしてはいけませんね。古文、漢文、超苦手でした(汗)それにしても、国語って、もっと違うアプローチしてくれてたら面白かっただろうに、と他人を責めて、自分を責めない怠け象です。

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