Friday, October 30, 2009

行って来ました、モン・サンミッシェル!

こちらフランスは万聖節のヴァカンス中。一週間ほど、フランスの西海岸、ブレターニュ地方に行ってきた。
一言で言うならば、フランスは驚くほどの遺産が一杯で、その素晴らしさがかろうじて人の悪さを補っている、という感じ。旅先で出会った人に関して、もっと意地悪く言えば、代々の資産家が、新地開拓を怠り磨り減っていく財産にかじりついて目をギラギラさせている、と言った印象を抱いた。怖かった~!

さて、最初の停車先はモン・サンミッシェル。岩の孤島に、モンブランのマロンクリームのような感じでお城が乗っかっている、あれである。お城と言ったが、本当はお城なんかではなく、あれは修道院なのだ。四歳の息子がモン・サンミッシェルを遠くから指し、「あれは何?」と聞いたときは、夫と二人、あらためて「何だっけ?」と考えてしまったが、訪れてみると、僧院以外は考えられない。人間がここで出来ることは神に祈り、神のことを想う、それだけだ、と思わせるような荘厳さであった。

最初に、日本語で何と言うのか、(フランス語でもわからないが)僧侶が思索するするための広場に行くのだが、そこはテラスというか、美しい崖っぷちというか。そういうところで、冷たい風が四方から吹き、周囲を囲む遠浅の海は沙漠のようで、一瞬、ヒマラヤとか、チベットとか、そういう荒涼としたところで僧侶がつならって手を合わせているような、そんな中にいるような錯覚に落ちてしまう。

その次に、列柱廊と言うらしい、瞑想するための散歩道に進むと、そこにも僧侶が静々と歩いているように感じる。子猿たちはくるくると瞑想の廊下で鬼ごっこ。ものすごい人出で、各団体さん、それどころではなく、誰も文句を言わないし、私もそっと他人のフリ。

モン・サンミッシェルはウンベルト・エコーの「薔薇の名前」から想像する修道院より、もっと人間味を削った、ゴリゴリした感じなのである。それと同時に、以前読んだ井上靖のヒマラヤ登頂記で、山麓のチベット仏教の僧院が月明かりに照らされているのをみて、あそこでは真剣に生きることについて考えている人達が住んでいる、とあったのを思い出したり・・・。
下山して夫と二人、「すごかったねぇ」「素晴らしかったねぇ」と、しばらく他の言葉がなかったモン・サンミッシェルなのであった。

年寄り

今日のヨガの先生はイギリス人の兄ちゃんで、ファンキー・ミュージックとあわせて80年代のエアロビックス調運動で程なく進み、最後の方で疲れた老体をいたわりストレッチングする段取り。インドでは古来年長者に敬意を表す意味でお辞儀をすると話していたので思い出した。確かに日本でも年上の人に敬意を表す。その点アメリカの年寄りは気の毒だ。年をとるメリットはなく、みんな必死に若さにしがみつく。昨日散歩ですれ違ったおばあさんは整形手術で顔の真ん中だけが妙に若い。医療制度も危なっかしい。永年看護婦をして、今はお年寄りの介護のサービスをする会社を運営する友人も、医療制度の歪曲で病院も年寄りを長生きさせる誘因がなくなり、手当てもおざなりになってきていると嘆いていた。年をとるなら日本がお得かもしれない。

Sunday, October 25, 2009

末子

うちの末っ子は大変。いつも兄姉にいびられる。4泊5日で行った、キャンプはいろんな環境に育った人々の違いを乗り越えてお互いに尊敬しあい、協調することを目指すコンフリクト・マネジメントの会。いろんないびりや偏見のパターンを学んで帰ってきたのはいいが、たちまち兄や姉の標的になる。本人は学んだことを日常生活にいかしているらしいけど、母が見るにみんなにああしろこうしろと命令されているように見える。他の子たちに言わせると、親の前でのみ良い子ぶっているが、本性は悪魔だという。母は、やはりかわいいと思ってしまう。親ばかの典型だ。

Friday, October 23, 2009

MBA

昨日は、我が母校、INSEADの同窓会に出席した。年に一回、フランス支部の活動内容等を報告して、其の後のカクテル・タイムには、老若男女ネットワーキングしましょう、という趣旨のもの、と少なくとも私と夫は理解していた。

なのに、報告部分が長いこと!「もう、カクテルあきらめて、御飯食べて帰ろうか」とロビーに出ると、シャンパン、カナッペがずらり並んでいる。私達同様に、報告会うんざりでロビーに出た人達と顔を見合わせる。互いに思っていることは同じ。「腹減った!シャンパン旨そう!」
では、と皆、そろりそろりと勧められていないシャンパンに手を伸ばし、勝手にパーティの蓋を開ける。「長すぎるよね」「喉も渇くさ」と自分達の正当性を主張し、カクテルタイム、スタート!私が話した相手は、近年の卒業生で、「不況の折、思うような職に就けなかった、折角、向上心持ってMBAを取ったのに、日々の雑用に追われて動けない」と、よく聞く話。私もそうだし、そもそも、ドリーム・ジョブを手に入れた人にあったことがない。

シャンパンを二杯飲んで、メトロに乗る。夫とMBAって何だったんだろう、と話す。夫は、「クラブ・メッド?(彼の計算では、似たようなコストだったらしい)」・・・私の場合は、もっと勉強したくって、其の先にはもっと良い生活が待っていると信じて頑張った一年だった。最高に楽しかった。夫もうなづく。
そんなことを気持ちを思い出して、あらためて、ドリーム・ジョブ、あきらめずに頑張ろう、と思った夕べであった。

子猿

今日は宅の子猿について。
彼は4歳で、パリの地元の幼稚園の年中組に、この九月から通っている。ぐずるかと思っていたら、期待以上にすんなりと、新地パリでの幼稚園に通い始めていた。カタールでの保育園体験が生きているかもしれない。最近はクラスの子の名前が会話にのぼってきたり、「今日は楽しかった」と帰って来る事もあり、良かった良かった、と思っていた。(ところで、「何が楽しかったの?」と聞いても、いつも「知らない、忘れた」と、笑顔で答えるのですが、会話を繋げてくれないのは、男の子の特技なのでしょうか)

今日は家での昼食のあと、幼稚園に送り届けてから、園庭のフェンス越しに覗いてみた。我が子猿君、一人でフラフラ、何で遊ぼうか、まずは物色。すると、別の子猿がやって来た。「あれが友達なのかしら」と思っていたら、その子猿め、いきなり宅の子猿を殴り倒した。我が子猿は、よたよたっと立ち上がって、不快な顔をする。そして、「ちっ!」と、むかつく子猿を睨みつけるだけで、彼から離れたところにある遊具で遊び始めた。一瞬のことで先生は気づかなかったようである。しっかり観てなさいよ!と思う母猿。
引き続き観ていると、今度は其の遊具に関心を持った別の子猿が我が子猿の平和なひと時を邪魔し始めた。我が子猿はハイジャッカーの様子をしばし観察してから何やら交渉していたが、商談まとまらず、ハイジャッカーに乗っ取られていた。

そこら辺で、切り上げて帰途についたのだが、あんな毎日なのに、何が楽しいのだろう、と思う。あんなに嫌な目にあい、嫌な奴等にブイブイ言われながらも、遊んだり、絵を書いたり、歌を歌うのが楽しみだなんて。ちょっと大人の世界に共通しているような・・・。常に、明日はもっと楽しい日になるって、信じちゃって。人間って、貪欲なまでに好奇心や、向学心、そして楽しみたい、という気持ちがあるんだな、とあらためて思った。がんばれ、子猿君!

Wednesday, October 21, 2009

図書館

最近私は図書館に凝っている。「手にとってみて」と話しかける本を探してきては読んでみる。ハズレはある。はまったのは、Laura Dayという人のPractical Intuitionという本で、誰でも訓練すれば運相を見たり、予言ができるという趣旨のもので、練習問題が載っていたりする。面白いので練習してみた。図書館で前に借りたEnergy ESPという本は脳外科が書いていて、右脳を押さえ込む左脳が怠けるとESPを発揮するというのと、アングルは違うものの意図することは同じのようだ。人間ボーっとして瞑想の境地に入ると、こういう直感とかひらめきがくるらしい。要は左脳が選ぶって理性を聞かせなければありのままの事実がしっかりみえてくるさ、ということなのだ。ボーっとするというのは、簡単そうで以外に難しい。下手に油断したりすると寝てしまう。いろいろ実験するけど、どうしても寝てしまう。寝ていても瞑想していなきゃいけないという罪悪感が働き、朝起きてもつかれていたりする。夢の内容も忘れてはいけないので、夢の中で夢を復習したりで、とても大変なのだ。そんな折に、「手にとってよ。」と静かに呼びかけている本を昨日また図書館でみつけた。その名も”Finding the Quiet"という。瞑想の専門家が、宗教や脳の動きをたっぷり研究し、エッセンスのみをまとめていて、とても感心した。これも練習問題があって面白い。

Tuesday, October 20, 2009

コンタクト、Part 2

以前、コンタクトという、映画を観て、星の世界に行ってしまった、というのをここで書いたが、今日は其の続きのようなもの。

先日、友人といつもの気の置けない会話をしていた。話題は宇宙について、人間の存在について。宇宙といえば、と、コンタクトについて説明しようとしたが、話しながらも、自分でも府に落ちないあらすじになってしまった。
其の週末、夫に、友人との会話について話したら、「だったら『コンタクト』を貸してあげればいいのに。あれって、こうでこういう話じゃない?」とドンピシャリなまとめ方をする。私ってば、肝心なことを落とし、どうでもいいことを「あらすじ」に含めるので、ズレズレになってしまったのだろう。

ふと、思い出すと、子供の頃、母が家に帰ってから今日あった面白い出来事を話してくれるのだが、何が言いたいのか、どこが面白いのか、全然わからなかった。まとめるのが下手な、そのDNAが私にきているってことか。

あらためて、インターネットでコンタクトのあらすじを探すと、私と違う見解のが幾つもあって、人の感じ方は千差万別なことを再確認。昔、Le Grand Bleuを観て、ハッピーエンドと受け取った友人もいた。映画では主人公が死のダイブに行くところで終わるのだが、その友人は「そのあと生還するんだよ!」という、自作プロットを信じていたのだ。私もオメデタイ奴だが、この人にはかなわない、と思ったものだ。

コンタクトを観てない、観る予定がない方に、ネットで、一番私の理解に近かったのをコピーさせてもらいます。

それは、宇宙の声からはじまった。
天文学者エリーは、幼い頃からある答えを求めて続けてきた。「なぜ、我々はここにいるのか。我々はいったい何者なのか」。やがて、そんな彼女の願いが本当に天に届いたかのように、そのメッセージは宇宙から送られてきた。科学者として、女性として、人間として、エリーはたった一人でそのメッセージに答える決心をする。大宇宙を舞台に、人間の存在について考える、人間のための物語。原作はカール・セーガンのベストセラー小説。

Monday, October 19, 2009

Plateau

Lazy Elephantさんは、二歳児に根負けして怠けられない日々のようで、お気の毒様。私は、昨夜珍しく深夜のコンファレンス・コールでちゃんと起きたものの、その後なかなか寝付けず、今朝は歯磨き粉を探しに来た末っ子に7時になったら叩き起こしてねと頼んでまた寝た。午前中は朦朧と過ごした。こういうときは出勤しなくて済んで本当に良かったと思う。その反面、出社のストレスがなくなり、体重が増えるのはいただけないので、雨の中、水泳をしてきた。さすがに大雨のなか、泳ぐ変わり者は私一人で、とても優雅にプールを独り占めできてご機嫌である。魚の形をしたボディーは水泳に適しているのか、難なく課題の25分を泳いで満足である。最近は友人が、不和で悩んだり、伴侶探しに夢中になったり、突然婚をしたり、周囲は大変情熱的なのに、わたしはすっかり現状の夫婦愛に満足していて、その点落ち着いていられてうれしい。子供も手が離れて、しかもそばにいてくれるし、健康も家族一同良好で、なんだか人生の丘の中間地点での一服という感じすらある。これで、経済が安定してくれるとますますありがたい。

Sunday, October 18, 2009

朝っぱらからチョコレート

私は朝から何でも食べられる。朝カレーも、朝パスタも大丈夫。
今朝は、朝5時半から、ダロワイヨのチョコレートとカフェオレ。昨夜は二時間置きに二歳児に起こされたので、このくらいの報酬があってもいいでしょう。

招かざる客

この週末は不思議な縁からフランス有数のシャトーに滞在した。それも招かれてもないのに。

発端は・・・金曜日に別荘に出かけた。金曜夕方の出パリ・ラッシュはすごくって、通常の倍の時間を掛けて到着。日は既に落ちている。車を降りて背筋を伸ばす間もなく、家の鍵が見つからないことに気づく。探偵小説好きな夫は、強盗のごとく、鍵を開けることにチャレンジすること一時間。子供達は冷たい闇の中、砂で御飯を作っては、私に食べさせようとする。ようやく、夫もあきらめ、合い鍵を持っている庭師に連絡するが、応答無し・・・。ガ-ン!

さて、庭師の電話番号を教えてもらうべく、同じ庭師が働く、この町の旧城主様に問い合わせた際に、「もし、鍵を入手できなかったら拙宅に泊まるように。」と優しいお言葉。夫家族と城主様は親しいのだ。ホテルは満室だし、お言葉に甘えることになった。4歳と2歳の野性猿を連れてお邪魔するのは本当に気がひけるのだが、そうでなくても敷居が高いこと、棒高飛び級なのだが、車はお城に向かう。

お城、すごい!大きな門が開くと、シンデレラ城が見える。ベンツ、ジャガーなど、高級車が沢山停まっている。パーティーをしているようだ。どうしよう!それでも重いドアをノックすると、執事が迎えてくれる。すぐに城主さんと黒いドーベルマンが歓迎してくれて、迷路のような城内、客室に案内してくれた。城主妻、イザベルは、「パーティー、もうすぐ終わるから、それまでくつろいでいて」と優しい。坊主達は魔法に掛けられかのだろうか、と思っていることだろう。「イザベルはプリンセスなの?」と聞く長男。「ノン、伯爵夫人だよ。」と真面目に応える夫が何だか可笑しい平民の私。

翌朝は、広大な敷地内をイザベルと散策する。植物が大好きで、それ関係のイベントを主催している、という。気さくで、スポーティーな方である。
丹波産にも負けない巨大で美しい栗を拾ったり、川を渡ったり、何時までも終わりがない敷地をドーベルマンと歩く。我が野性猿は「ここはフォンテーヌブローなの?」とその広大な森を、自分が知っている広大なものと一所懸命リンクさせていて、何だか泣かせる。確かに庭はフォンテーブロー城のより素晴らしいかもしれない。ふと、こんな所で暮らしていると、ここまで俗世間と繋がりのないところで生活していると、時間軸が狂うというか、気がおかしくなるのではないか。城主様家族が、この、ちょっと孤独な影を持つイザベルが、小生のような血統書付きの中流階級とは別の世界観を持っていることを願う。

広いダイニングルームで、これまた大きな、大きなテーブルを囲んでの昼食を終え、義両親の別荘に戻る。庭師が鍵を開けてくれていた。暖炉に火をくべて、皆でお茶を飲む。開口一番、夫と共に、「あぁ、疲れた!!!」

Friday, October 16, 2009

会社を辞めて2ヶ月弱。以前よりも運動をする機会も増え、食事もバランスに気をつけていたのに、なぜかここに来て体が魚のような形になっている。腹がたつ。なぜだろう?最近は、顔も張りがなくなり、ばあちゃんっぽくなってきたような気がする。白髪も増えてきた。時間と重力に逆らう努力をそれでもする。来週から、坂の上り下りを週二回して、水泳ももっとしようと思う。最近は家族が優しくなっている。白髪も体重も気にするなと、言ってくれる。それでも水ぶくれと言い訳をしようものなら、それは水じゃないと指摘する。体重を減らすよりも筋肉をつけた方が良いと助言してくれる。結構笑える。幼いころ、公園から平地を歩いて帰るのにつかれて、タクシーを呼ぼうと提案していた子供たちが、今では坂を上れない母を哀れみ笑うほど大きくなっている。背丈も下の2人を除けばとうに抜かれてしまった。面白い。

Wednesday, October 14, 2009

職安

日本の職安に行ったことはないが、今日カリフォルニアの職安に行ってきた。NYのよりも明るい気がする。お給料から毎月一定額が失業保険に天引きされるので、ここぞとばかりに失業保険の申請をしたものの、一度小切手が来たあと、抽選で職安に呼び出された。さすが週の13%が職を失っただけあって、裏からこそこそ入るという雰囲気はまったくない。それでも、ジャガーで乗り込むのは少し勇気を要した。でも、まるで大学のキャリア・アドバイス・センターのような感じでみんなとても感じがいい。毎日でもここに来て、コンピューターやら、コピーを利用していいらしい。ふふん、と感心しながら、なぜ毎週の小切手が途切れているのか問い合わせる隣で、60代の女性が声を震わせて、小切手がなければ11月5日には家を追い出されてホームレスになると懇願しているのを聞いて世の不公平を実感した。年齢、性別、教育のうちで自分で変えられるのは教育のみ。せめて子供たちには教育をしっかりしてあげたい。今日の抽選で大当たりして召喚されたグループはみんな高学歴のようで、ちょっとしたビジネス・スクールのスタディー・グループのような共鳴を感じ合ったりした。

がんばれ女性達!

今日は長くなります。悪しからず。

昨日、フランス人女性数人と昼食を一緒にする機会があった。歳の頃は50代前後と思われる。私以外の皆は、美術関係(出版、キュレーター、Etc)の仕事をしている、していた、という縁で友達になったらしい。

其のうちの一人の最高齢(60近い?)とお見受けした人は、随分なブランクの後、再就職した、とのことでその苦労話を明るく、ユーモア混じりに話してくれた。金融関係の仕事で、当初は二十代、三十代の若造に、コケにされ、傷ついたけど、確かに彼らの方が仕事が速かったり、彼女にはないアプローチ法で業績を挙げるので、何も言えず、トイレで一人、すーっと涙を拭くのよ、でも、私、ガンバルの、と言う。うんうん、ガンバレ~、と皆で声援。

其の後は、それぞれの知人の「ブランク後の再就職苦労話」を持ち合う。ルーブルなどの美術館は結構陰湿な世界のようだ。
隣にいた女性と仕事について話す。彼女は十年以上仕事をしていない。旦那の海外赴任をきっかけにワーキングマザーを辞めたとのこと。いざ、専業主婦になってみると、家族がスムースに回り始めたように感じられたので、そのままでいると言う。
「共働きのときは、マシーンかのように、働きまくっていたの。それでも仕事が残ってしまって、それが嫌でフラストレーションが溜まっていてね。夫は家庭のことを気にせず、仕事が終わるまで思う存分仕事して、すっきりと家に帰ってくるけど、母親としてはそうもできないからね。」ふむふむ、それはそうだろう。
「でも、問題は今よ。子供達がティーンエイジャーになってね、『ママ、なんで仕事してないの』とくる。先日は宿題を手伝ってあげることがあって、そしたら『へぇー、解けたの。意外!』だって。馬鹿にされているのよ、とほほ」とのこと。ありがちな話だ。フランスでもそうなのか。そんな子供は張り倒して、くじけずに頑張って欲しい。

帰りのメトロの中で、束の間の一人の時間を無駄にするものか、とIpodで桑田さんを聞く。あまりの素晴らしさに、あぁ、頑張ろう、と思う。

家に帰ると、日本の友人から、とても前向きなメールが来ていた。リストラにあった後、逆境をチャンスと受け取り、毎日習い事を楽しみながら、就職活動、そして婚活にと、真摯に取り組んでいたようで、その成果が少しずつ現れているようだ。ガンバレ、ガンバレ。

Jubilancerさんも、起業に向けて静かに、そして大胆に動きが始まっているようで、今後の展開が楽しみである。頑張ってね!応援しています。

小生も、何ができるかわからないけれど、とにかく、外へ出て、動いていようと思う。そういう気持ちにしてくれるのは何といっても人との出会いなり。アリガトウ!

Saturday, October 10, 2009

柔軟性

一ヶ月好きなだけヨガ教室に通えるというパスを買ったので頻繁にヨガに行くようになった。なんとなく柔軟性が改善されたような気がする。今朝もヨガをしながら考えたのは、体だけでなく心の柔軟性も千差万別だということ。今朝末っ子が、母=Strangeとい言うのでなぜかときくと、普通の人は夢があってもこれを実行に移さないで死んでいくけど、母は夢は何でも試してみるので珍しいというではないか?これはほめてもらったという風に勝手に解釈することにした。どうせ短い人生であれば、好きなことを試して見るほうが良いような気がする。それで、失敗したら、またやり直せば良いと思う。

Friday, October 9, 2009

カタールな一日

昨日、出荷してから3ヵ月半、カタールからの引越し荷物が届いた。

カタールが、運任せの、いい加減なところがあるのは知っていた。
イスラム教のエンシャーラー(アラーの思し召しのままに、要は「運任せ」)がベースで、そこに出稼ぎ労働者のインド人やフィリピン人の、人によっては生真面目に事を進めてくれるが、そうでないときは超いい加減な結果に導かれるという、そういう運とのダブル運任せなお国柄なのだ。

今回もやられた。我が荷物、カタールを出てから、まずシンガポールに行ったらしい。何故そんな遠回りを・・・ そして、「シンガポールからフランスに向かうことになっている、お宅に運ばれるのは一週間後くらいでしょう」と、そのとき、在カタールの業者は言っていた。
しかし、1ヵ月程経っても音沙汰がないので、パリ事務所に、我が荷物が届いているか、と聞いたところ、更に二、三週間ほどして(フランスは何でもとーっても長くかかるのだ)返答が来た。
「お宅の荷物、どこにあるかわからないんですよねぇ。フランスに着いている可能性も否定できないけど、エジプトにいるという説もある。僕はシンガポールだと思うんだけどなぁ」
と呑気で冷たいパリジャン君は言う。
グッバイ、思い出深き子供の服や、気に入っていたスリッパ達よ、と覚悟を決めたあの時であった。

それがめでたく、昨日到着した。事情を聞いても、ドーハとパリ事務所は相手を責め合うばかりなので、そっと無視する。箱から坊主の自転車が出てきた時は、坊主がそれを乗り回していた近所の光景を思い出し、胸がいっぱい。

土足の引越し業者が、日通さんだったら目が点になるような荒々しさ、いい加減さで、箱を投げ入れていく中、カタールの友人から電話が入る。「週末は電話料金安くなるし、貴方の声が聞きたくって。」そうか、イスラム暦では金曜が週末ね、忘れていた。懐かしい隣人らの近況を聞いたり、砂嵐、暑さ、子供について、無駄話すること10分間。
後ほど、別のカタール時代の友人からメールが来ていたりで、懐かしさ一杯の、カタールな一日であった。

Thursday, October 8, 2009

パリ、バトー・ムッシュ、雷

昨日は初めてバトームッシュに乗った。
船で、市役所のある、Hotel de villeからエッフェル塔まで、セーヌ川を漂う。特にどうってことないのだが、坊主達は大喜び。小生も、エッフェル塔が近づいてくる時は、何故か胸がときめいた。
値段は高かった。通勤客用の船でもあれば、結構使い勝手いいのに。

ちなみに往きはバスで、川沿いの道路を通っていった。こっちの方が、秋深まるパリの風景が、絵葉書の連続のように繰り広げられて、大人には楽しかった。

それにしてもパリは美しい。街路樹、古い建物、秋空とが、完成された配色である。あまりの完璧さに感銘を受けるというよりは、「いやーっ、何だかすごいねぇ」って感じであった。そう、現実味がなくって、どことなく、白々しく感じられてしまうのである。パリジェンヌになりきれない、田舎者の感想であろうか。

夜は突然の雷、そして暴風雨。折りしも日本でも台風到来と聞いた。子供達にとってはスペクタクルな一日だったことであろう。

Saturday, October 3, 2009

今朝は二日酔い

また漫画ネタだが、「神の雫」という日本の漫画を借りて読んでいる。こちらは「毎日かあさん」と違って、いたってシリアスなワインの漫画。そんじょそこらのワイン解説書などより、よっぽど内容が濃い。二十巻以上あるらしい。筋は、ワイン利きの主人公が、とある凄いワインを飲んでは、其のワインから生まれるイマジネーションの世界に読者を案内してくれるのだ。

小生は十何年も前にソムリエの資格を取るべく、青山にできて間もないワイン学校に通ったことがある。多くの生徒はスチュワーデスで、教室はワインの香りよりも、化粧品というか、女の匂いでぷんぷんしていた。
其の中で、一人、酒屋さんが混じっていたことがあった。三河屋の前掛けが似合いそうな、純朴な若おじさん。ピンクに華やぐ教室で肩身狭そうにしていた。其の日の先生は、これまたピンクのシャネルスーツがお似合いのお嬢先生。鈴の転がるような声で、「○×さん、このワインを表現してください」と三河屋さんを名指しした。三河屋さんは緊張しながら「えぇ、そうですね。あの、なんというか、白い花から集めた蜜のような香りで、で、えっと、色は若草色かかった黄金色で、あ、あ、朝露のようなフレッシュな味わいかと・・・」と照れを隠しながら頑張った。するとお嬢先生はやっぱりお嬢様、遠慮とか、気持ちを推し量ることができない。「まぁ、やだ、○×さん、全然違う、きゃっきゃっきゃ」と笑う。それ以降、学校で三河屋さんの姿を見かけたことはなかった。

小生は、というと、「石油のような味がします(飲んだことはない)」、「グレープ味のバブルガムの香りがします」等、ズレズレの発言ばかりし、教室では白い目で見られていた。フランス語の長ったらしい名前も覚えきれず、「蝶々みたいなアペラシオンはどこだっけ?(正解はSt Estephe村。
「てふてふ」に聞こえたから)」とソムリエ試験会場で聞いたときは、友人の目が「こいつには勝った」と言っているのを感じた。

それがまぐれ合格し、その恩に報いることもなく安酒ばかり飲んでたのを、「神の雫」以来、真面目に堪能しようとすること一週間。今更ワインの楽しさに開眼。田舎では摘み立ての木苺の香りをかいで、初めてワインとの共通点に気づく。森の中を歩いて、ワインを口に含んだときに鼻腔を通る湿った匂いを思い出す。美味しいワインは開けてから二日目位すると香りが開いて、味もバランス良くなって美味しいことが多い、など、今更実感することだらけ。

そんな休暇も今日で終わり。今朝は大きなカップいっぱいのコーヒーで頭痛薬を飲んで始まった。

兄弟げんか

Lazy Elephantさんは優雅に秋を満喫されていて大変喜ばしい限りです。喜びを伝える私は、ヤケザケがきっかけで、大人気ないメールを友人に送り、プライドの高い友人は大人気ないメールを私に送り返し、単なる兄弟げんかのような状況になり、自分でも笑えてしまう。兄弟げんかなので、これで絶縁になるということはありえなく、互いに痛いところをつかれて悔しがっているだけなので、ストレスの発散になってかなり面白い。と、お互いに思えばいいのだろうけど、私は自省をすること3年ほどになるのでこの領域では卓越しているが、相手はきっと自省を心して避けているので打撃が強い気がある。ちょっと心配をしたりする。それでも、私は吹っ切れているので、今日は犬の散髪をしたり、のんびり本を読んだりしてくつろいでいる。いままでは、腹が立つことでも、大人っぽく我慢をする習慣がついていたけど、結局はこれがひずみになったりするので、これからは我慢をせずに正直に表現することに決めたのは良いが、なれないので、さじ加減を間違えたかもしれない。もっと熟練せねばと反省をしている。こちらはいまだに夏びよりで、よそで秋めいているのが不思議である。

秋、フランス

水曜日からフランス西部、Sarthe地方に来ている。パリから250キロ程のところである。
見渡す限り、赤、黄色、茶色、緑の美しいグラデーション。そこらじゅうに胡桃、栗、林檎、梨が落ちている。森の中を歩けば、セップ茸もちらほら。豊かなる田園地帯なのである。
今朝の気温は6℃!なのに、日中、陽が当たるところにいるとTシャツで充分だったりする。

ここSartheはロワール川の支流が流れているところで、3キロ走ればシャトーが一件、という頻度で現れる、プチ・シャトー過密地区でもある。シャトーの中は寒くって、そうなると、人というものは不思議で、身体が脂を欲しがる。この4日でバター何グラム消費したか、考えるのも怖い。ワインは・・・もう、記憶にない。

こうしてフランスの秋は深まっていくのである

Friday, October 2, 2009

ストレス其の三(位?)

Jubilancerさんはストレスを溜めてらっしゃるのですね。
もう、以前に書いたかもしれませんが、とある友人が、ストレス解消講座で聞いた話を・・・。

其の先生曰く、対人ストレスは、思ったことを伝えられないから生じるものなので、伝えてしまえば解消される。問題は伝え方で、下手なことすると、もっとすごいストレスを抱えることになるから、丁寧に、タイミングを見計らって、試みるといいらしい。「あの時、貴方にこういわれて、悲しい気持ちになりました。何故かと言うと・・・。」という風に。

私もこれを試みたことがあったけど、結構勇気がいた。相手に上手く伝わったかどうか、確かイマイチの反応であったような気がする。ただ私自身は、声に出して言葉にすると、大したことでもないのに、くよくよしていたなぁ、と思えて確かにストレス解消になった。

これも経験談だが、不思議なものでヤケ酒は美味くない、酔えない、上機嫌にしてくれない。何故だろう、人間の味覚、身体は面白いものだ。

ヤケザケ

上下関係のないパートナーとの付き合いがいかに大変なのか、ここ10日ほど考えさせられることが多い。自分では大人だと思っているが、実は駄々っ子なのかもしれない。自分を受け入れてくれるパートナーにはとても感謝している。そうでないパートナーには、懸念をまっすぐに伝えたつもりでも真意を逆に解釈されたり、自分の未熟さを露出されたりで、うーんとうなることが多い。おかげで白髪も増えて、それすらもギクシャクしているパートナーに指摘され、染めた方が良いといわれてムッとしたりする。お金も入らないのに、こんな気苦労をなぜしているのか不思議な気がする。自棄酒の意味がわかってよかった。