Saturday, December 31, 2011

行く年来る年

アジアとヨーロッパは2012年に突入し、アメリカ西海岸もあと8時間で2011年とサヨナラの今、早すぎた2011年の経過を振り返ったりする。日本では北陸の地震以後核汚染の心配が続き、連日こちらのメディアでも報道されている。2012年は、回復に向けて順調に物事が進むことを祈っている。
2012年は、どんな年になるのだろうか?期待と若干の不安と、意気込みというほど大げさではないけど、そろそろ何かしなきゃなあ、というあせりみたいなものを感じる。せっかく脱サラをして自分を見つめる時間をもらったのだから、何か形に残さなきゃいけない気がする。最近、本を書き上げたという人が回りに4人ほどいて、これは刺激になる。実際に本という形になった考えを手に持つ実感はインパクトがある。2012年は、どれ、本でも書いてみるか、と。。。いい加減なことをまた考えたりする。

皆さん、2011年もお世話になりました。2012年も健康と幸せに満ち満ちた年となりますように。改めてよろしくお願いします。

Wednesday, December 28, 2011

私の結婚観

唐突ですが、昔から私は「半分ガイジン」とか、「変ジャパ」とか呼ばれることがあります。どこか一般的な日本人的発想がかけているらしいのです。そりゃ元帰国子女だけど、人生の大切な部分は日本で育っているから、自分としてはりっぱに日本的視点を持っていると思っているですが、最近ふとしたことから、やっぱり違うのかな?と思うことが……

ここ何年か、「婚活」と騒がれていますよね?結婚したいのなら、積極的に活動せよ、という。
私はそこで語られる結婚がよくわからない。
婚活事体は、悪くないと思う。結婚したい人はするといいと思う。
ただ雑誌の婚活特集など、「相手に望む収入、年齢などの水準を現実的にして、こうアタックして」などとあり、そういうものの考え方している人が多いから、そういう指南をせざるおえないのでしょうが、この期に及んでまだそういう結婚なのか、そういう結婚したら幸せになれるの?って思ったのです。

婚活、しましたよ私も。でもそこでの出会いに求めていたものは、恋愛でした。(全部玉砕しました)
でも、どうやら婚活とは組織的に出会いの機会を作って、そしてその中で上手く「合う」縁があったら結婚する、要は、見合いに代わる手段を自分で生み出せ!っていうことのような気がします。

そんな「見合い」結婚、幸せなんだろうか、一緒にいるうちに愛情が高まればいいけれど、今の時代そう簡単に行くの?
結婚って、恋に落ちて、この人と一緒にいたい、という所から始まるものじゃないの?それが上手く成就して結婚して、縁があれば子供も出来て、もしくはそうじゃない選択もあって……
これが私の考え方でした。きっとみんなもそうでしょう?って。

それが或る日閃きがありました。
きっと、私の結婚観、家族観が日本のそれとズレているんだ!と。

日本の家族、カップルでなくて家族というものは、大切なのは調和とか、バランスとか、安定とか、そういう要素で、それが揃えば、一緒にいることから生まれる愛情が育まれるからホンワカした家庭になる。そして子孫を残したいから子供!ただ何かと大変だから少人数にして手に塩かけて愛情たっぷりで育てる。
こういう家庭の中でハッピーに育った人は自分もそういう結婚を目指すのは自然。
日本の家庭の「幸せ」という言葉は「安定」と置き換えられるのかな、などなど思ったわけです。

ここからは変ジャパ(変な日本人ということだと思います)の独断的意見として聞いてください。

私は、こういう安定志向の結婚って、今の時代はワークしない可能性高いと思います。
何か弱いと思う。今年のキーワードは「絆」らしいけれど、こういう結婚の絆は弱いと思うのです。
だってやはり絆≒愛でしょう?

昔、キリスト教の教えに興味があって、教会が無信者に対して講義する会に参加したとき、ある神父様がこんなことを言っていました。
「人は私に、何故神を信仰するのか、と聞きます。何かためになるからですか?(Does it do you good?)と聞きます。私の応えは、『多分、私にとって信仰とは、皆さんの結婚のようなものです。何か徳があるからこの人と結婚したのではないでしょう?愛せざる終えないから結婚したのでしょう?』と。私もそんなものです(I cannot help loving Him.)』
それを聞いて、正直私は目からうろこでした。その時代は「三高」という言葉が騒がれていたし、無謀な恋の終わりの渦中にいた私に「次はもっと将来とか、自分のメリットとか考えた方がいい」と諭され、そうなのかも?と揺らいでいた頃です。

私はこの神父様のおっしゃるとおりだと思う。結婚って、損得計算ではない、特別な恋愛だと思う。

まぁ恋愛結婚が上手く行かないとか、言うけれど、人間だもん、そういうこともあるさ、しょうがないじゃない、って思うのです。見合いの方が離婚率低いって言うけれど、それは一昔前の環境だったからそうであって、今見合い制度が残っていてもそうなのかしら。また、離婚しない結婚=幸せな結婚か?安定と幸せは「≒」かもしれないけれど「=」ではない。
愛があって、安定もある結婚なら最高だし、子供がいるならそうあるよう努力すべきだと思う。でも愛があって、安定がなかったらそれもしょうがないじゃない、って。一緒に死に物狂いでサバイバルすればいいじゃない、って。そういう生き方を見せることも子供にとって良い教育だと思うんだけど。

そもそも、今の時代は女性も社会的に、経済的に独立している/or出来るのだから、結婚しなくたっていいし、婚活しなくてもいい、子供がいなくてもいい、そういう選択があってもいいと思う。独身だっていい、煩くしないで。彼女達は結婚、家庭とは違う形で愛情を捧げる対象がいると思うし、そうでなければ、それを探しているのだろうし。

今、国挙げて婚活・少子化防止って言っても空回りするだけだと思う。この時代はそういうフェーズということで、政府はそれに合わせた社会のインフラを整えてくれるべきだと思う。

……思わず、力が入ってしまいました。

是非皆さんの結婚観、幸福観などお聞かせいただきたいです。

Monday, December 26, 2011

拍子抜け

昨日は8時半起きすると子供たちはみんな寝ている。クリスマスなのにな~と考えていると末っ子がのそのそ降りてきて、普通の顔をしている。今日はクリスマスなんだけどと、言うと「違うよ、あしただよ。」という。クリスマスイブを一晩間違えてはしゃいだ母にならって一日先に伸ばしたらしい。
ようやくみんなのそのそ起きてきて、「そうだ、クリスマスだ」と盛り上げる。でも、サンタのいない今、結構さめている。末っ子のプレゼントは今配送中なことを忘れて、あと二人がプレゼントをあけているのに手持ちぶさた。年末に戻ってくる次女のプレゼントをとっさにあげることにした。「でも、Camilleと書いてある。」という末っ子を前に「サンタは間違えたようだ。」と宣言し、夫が大きくプレゼントにMaximeと書いて渡す。
なんとも拍子抜けである。それでも一昼夜塩漬けした七面鳥をオーブンで焼き、添え物のサツマイモとアーモンドの温サラダとワインをあけて、みんなでクリスマス・ランチと決め込む。来年は、次男も大学へ進み、こういう行事でもないと戻ってこないことを実感する。子供が成長することは楽しいことだが、子育ての章が終わりつつある気がする。。。。とは、言っても後3人もいるので、通常の家庭では、なんのこっちゃ???と言われそう。

Saturday, December 24, 2011

クリスマス準備、寝ダメ編

昨日のクリスマス準備は、睡眠貯金でした。 

夫も今日から休みなので、9時前まで寝ました。夫は寛大な人なのに、自分が仕事行くときに私が寝ているのは嫌みたいで、これ見よがしに電気つけたりします。私が仕事していたときは平気で寝ていた癖に……。 

まぁ、いいや。 

兄猿は、クリスマス間近の興奮から宵っ張りの早起き君になっていて、今朝も一人着替え、暗がりの中でレゴをやっていました。 

チビ猿は9時半頃、もうろうとしながら台所にやってきて、「の、のどがか、かわいた~。ぎ、ぎ、牛にゅうく、ください」と砂漠を放浪している人のよう。幼児はすごい汗かきますからね、いつもより睡眠時間が長かった分、脱水症状だったのでしょう。 

夫もゆっくり起き、お昼は豪華に近くのシーフード!とレストランまで車で行ったのですが、今日は臨時休業。 

代わりにケンタッキーでテイクアウトしてうちで食べました。 
「雲泥の差だね」と夫と笑いながらの何十年ぶりのケンタッキー、美味しくなかったですっ。味覚が大人になってしまったのですね。 
そして、その後、すごいのどが乾いて、どこかでMSG(味の素)はのどが渇くと聞きましたが、本当に、あの塩の強さと旨み調味料では、身体に毒だな、と思いました。 

そのあと昼寝して、夕方家族全員でスーパーに買出し。すごい人込みでした。フランスではイブは海老・牡蠣・カニ・スモークサーモンなどを食べるようで、魚売り場はミニ築地となっていていい感じ。こうでなくちゃね、年末。 

あぁ、有難き平和な一日。

今日も似たようなイブです。昼はシャンパン、夕方はミサです。被災地の復興と日ごろの感謝を祈ってきます。

Thursday, December 22, 2011

冬休み

今週から冬休みの子供たちを尻目にバタバタしている。あっという間に木曜日になってしまった。キリキリしながら用事を済ます母なる私と、のんびりくつろぐ子供たちの共存する家は、不思議なリズムがある。そこへ、自分のリズムで直撃する夫も加わり、大混乱である。それでも、今年はクリスマス・ツリーを飾り、Wreathもベランダに色とりどりの光も飾ってみた。そして、我が家恒例のジグソーパズルも10個セットも買って、早くも三つ目に取り掛かっている。毎年パズルをこの頃にする。暖炉を横に、みんなで暇つぶしに一つ一つピースをはめていく空間が、何も話さなくても共有している充実感がある。
来年は次男も大学に進み、家を離れる。今年は次女がフランスでクリスマスを過ごし、長男も日本。どんどん成長して離れていく子供たちが頼もしい一方で、こうしてパズルを囲みながら一緒に過ごす時間も短くなっていくことを実感する。

Saturday, December 17, 2011

お寿司の力

世の中には美味しい物が溢れているけれど、やっぱり王様といえばお寿司だと思う。子供の頃は親に連れて行ってもらう場所で、学生の時はお金がないから友達といく場所でもなく、社会人になってからはお金はできても、まだ敷居が高くて、とてもとてもお寿司屋のカウンターでお寿司を食べるなんて出来なかった。お寿司屋ほど若い人がカッコ悪く見える場所がないことを自分でもわかっているから、料金は払えても、大人の資格がない感じがして、居心地が悪かったのだ。今でも自分1人では行けないけれど、ようやく友人や会社の同僚とお寿司に行こうか、と言って変な緊張感なく自然に、リラックスしながらお寿司を楽しめるようになった。数日前も仕事を一緒にやっているチームのメンバーと日本橋のお寿司やで小さなチーム忘年会をやった。色々な食事の選択肢が有る中で、多くの人が、出張から帰ってきたから、とか、忙しくて最近は美味しい物が食べられなかったから、とか、大切なお客さんだから、とか、デートだから、とか何かと理由をつけては、背伸びをしてもお寿司屋に行く。お寿司は日本人にとっては、美味しい食べ物であるということ以上に、寿司屋に行く行為は誰が何と言ってもカッコいいし、色っぽいのだ。こんな意味合いを持った食べ物は他にない。お寿司の力は凄いのだ。

Thursday, December 15, 2011

クリスマス前の静かな夜に……

今夜は珍しく遅くまでPCに向かっています。 

先ほどまで、幼児の男の子4人とティーンの女の子が3人、ママ友と私で大騒ぎしていたのが嘘のような静けさです。夫はかわいそうに、ビジネス・ディナーで外出中です。 

明日からは忙しい週末の準備で、来週からはクリスマス休暇で子猿達とずっと一緒で、再来週からは夫もクリスマス休暇なので、新年までは一人時間はお預けです。果たして持つでしょうか、私の平常心。 

昨日から大江健三郎のヒロシマ・ノートを読み始めました。1963年頃に書かれたものです。
告白すると、私はまだ広島の地を踏んだことがなく、すなわち平和記念館を知りません。まだ読み始めですが、被爆者が「そっとして欲しい、普通に生きて、普通に死にたい」と切にねがっているレポートに、私のヒステリックな被災者への想いが、もし東北に届いていたら迷惑だったろうな、と思ってしまいました。Twitterの被災関連ツィートも、現在の当事者にとってはどう受け止められているのでしょう。 
静かに祈る、義援金を託す(上手に使ってくれるでしょうか)、他にできることはなんだろう。 

どうか、世界中の人々が静かに、心静かにクリスマス、そして年の瀬を迎えることができますように。 
そして新年は、静かな希望がふつふつと湧くような、そんな気持で朝を迎えられますように、祈るばかりです。 

Tuesday, December 13, 2011

年末

Soraさんやlazy さんの日仏師走比較は面白いですね。ここんとこ大人になった上の子供に合わせて、あまりクリスマスや新年の盛り上がりをしていなかったら、末っ子はやはり物足りなかったようで、昔の家のクリスマスは暖炉に火を炊きパズルに一緒にして家族水入らずで楽しかったとはなしていた。夫にもクリスマスツリー欲しいね、と言ったらしい。反省して飾り物をだし、今週末は木も買おうと思う。サンタさんへの手紙は、高校生の子供達も3年ほど前まで半信半疑で書いていたので今年も予算を提示した上で申請させようかと思う。アメリカ西海岸は、年末気分になるには天候が穏やかすぎてむづかしい。

Sunday, December 11, 2011

年末モード

12月も中旬だ。12月は寒いけれど何て良い季節だろうと思う。丈の長いコートを着たりブーツを履いて、寒いからお鍋だとか、大切な人達にクリスマスプレゼントを準備したり、お世話になった人に、お歳暮として和菓子や商品券を買うために、足しげくデパートに通う。今年はおまけに築地からサーモンも送ってみたりして、年末気分満点だ。その間に年賀状を準備したり、クリスマス会やら忘年会をこなしながら、そろそろ年越しそばはどこで食べるかとか、お正月からバーゲンに行こうとか、もう余計なことで頭がいっぱい。みんなが日に日に年末モードになっていく様は、本当に気ぜわしいけれど1年の中で最も楽しい大好きな時である。これからクリスマスまで浮かれモードで連日騒ぎ、25日から嘘のように東京は静かになる。クリスマスツリーやサンタと共に人の姿も車の数も減り、急に街中はひっそりとして門松が飾られ、凛とした空気に変わり、来年はどんなことをしようか・・・などと一人考えたりする、こんな風に興奮と静寂を一度に楽しめるのはやはり年末しかない。

Sunday, December 4, 2011

オープンなこと

アメリカの良いところはオープンなことだと、昨日は実感した。ビジネス・スクールにはメンター制度というものがあり、今年は私もメンターとして立候補してみた。ブランチで学生400人、メンターのボランティアが400人集まった。なぜか私にあてがわれたメンティーは、教育関係の非営利を目指す青年。私のような営利追求型になぜ?と思いながら話をする。先日の入学候補生もパキスタンの教育を改善する組織に所属する若者で、ビジネス・スクールというところは自分以上に、私のことを見透かしているのかな、などと考える。アメリカの良いところはオープンなことというテーマにもどると、実はベイエリア特有のことかもしれない。素直な質問を素直に聞ける雰囲気があるように思う。お互いにコアになる部分まで踏み込んだ話しができる。私のメンティーは恵まれない子供のために教育を普及したいという。彼自身はLearning Disabilityを持ちながらも両親が裕福だったためにこれを克服する援助をしてもらったけど、世の中にはこういう恩恵に預かれない人がたくさんいる不公平を良くないと思う。私も同感だ。娘も同感だ。だけれど、あんたまだ若いからそういうけど、ビジネス・スクール出て10年もすれば、クラスメートには億万長者になっている人もいるはず。その時に、非営利に携わる君に起こるかもしれないねたみの感情とか、愛する者に与えられない葛藤とか考えなきゃね、と話し合う。これはオープンだと思う。

Friday, December 2, 2011

風邪と風

ここ数日風が強い。Winnie the Poohの”Happy Windsday"を思い出す。いろんなものがあちらこちらに飛び散っている。ちょっと風変わりなおばちゃんの隣人との垣根の柵も倒れたりしている。風は強いのに暖かいので過ごしやすい。犬の散歩も5分もすれば汗ばんだりする。と、思っていたらのどがイガイガし、今朝起きたら風邪を引いていた。ま、一回は軽くひいておいたほうが重病にならないような気がするので、だらだらフライデーの今日でよかったなあ、などと考えている。

昨日は母校に入学を希望する候補の面接をしたあと、20年来の旧友たちと格安あしもみマッサージとランチに行ってきた。夕方は皇后陛下のお誕生日祝いとやらで、領事邸に行ってきた、隣人で友人のメキシコ総領事夫人と。そして、そのあとは、サンフランシスコ湾を眺めながら二人で楽しくディナーまでしてすっかり大人気分。通常は子供らの用事で車ですれ違いざまに手を振りながら、ゆっくりとお話しすることもなく、珍しく一緒に会食しても、家族ぐるみだとじっくりとお話しをすることもないので、とても貴重な二人の時間を共有させてもらった。夫に付き添い各国を転々としながら、二人の子供を育て、しかも総領事夫人としてのお役目を果たす彼女は、一見優雅な感じだが、現実は家族優先で自分時間のなかなかない生活。しかも友人といえど、各国を代表する立場上、距離感を持たざるを得ない。気の置けない関係というわけには行かない。そんなわけで、息抜きディナーという運びになったのだ。そして今日。やはり髪を振り乱し、車で用事に奔走する彼女と、同じく髪を振り乱し車で用事を済ませる私は手を振り合って村のメイン外リートですれ違うのであった。お母さんたちは、お互い大変なのだ。

中古着物、要りませんか

日本より中古着物を海外に輸出している方のお手伝いをしています。

着物のねぇ、Jubiさんのバッグ・ビジネスはどうされていますか?材料が必要でしたら言ってくださいね。

漫画好きのワタクシ、先日読んだ雨柳堂夢咄にでてきた、着物屏風は海外で受けると思うのですがいかが思われますか。

こんな感じとか↓
http://www.daisho-art.co.jp/kimonobyoubu2.jpg

どうでしょう。その他、中古着物の海外での流通アイデアございましたらお教授ください。

また、勝手ながらエトランゼブログのリンクを右側につけました。あんまりにもGlobeな話題でない書き込みは、エトランゼブログに載せています。こちらの方もどうぞご贔屓に。

…… あっという間に師走ですね。どうぞ良い週末を!

Sunday, November 27, 2011

異文化

言語には比較的順応性が高い私は異文化への順応性も高いのだと、今までは思ってきた。最近、これは大きな錯覚であることに気がついた。

小学校の4年生で日本に帰った私は、ある日、親友だと思っていた二人にズバズバものを言うのをやめて欲しいと言われた。それ以来気をつけているつもりではいるが、日本に行くと、やはり物事をありがままに言う人間と思われているらしいことがわかる。そして、アメリカにいると、そうでもなく、人に気を遣って対立を極力避ける人間ということになっている。

先日、古語に近い言葉を発したのを面白がって、Soraさんに、日本語の発音が日本人と変わらないのでなおさら面白いと言われたのが、印象的だった。日本語が母国語だからといって日本文化が母国文化であるとは限らないのである。これは、わかっていたけれども面白い。

私のような異文化の寵児は今の世界には掃いて捨てるほどいるのだが、実は一国の中でも異文化の寵児は掃いて捨てるほどいるのかもしれない。これが世でいう個性なのではないかと思ったりする。

Saturday, November 26, 2011

散歩と犬

今週は、Thanksgivingが木曜日ということがあり、子供たちは水曜日から5連休。ちょっとペースが崩れがちだが、久しぶりにご近所の友人たちと散歩をした、3回も。犬のチャーリーも2回同伴した。水曜日には、はじめて犬をセダンに乗せた。近所の犬は助手席にちょこんと座り、顔を窓から出して、いかにもドライブを楽しんでいるという雰囲気を見せているので期待をしたが、我が家の犬は、お尻を椅子に乗せ、しばらくああでもないこうでもないと体勢を変えて、最期にたどり着いたのは、前足を床に置き、お尻は椅子にのせ、顔をダッシュボードからぬぼ~とみせるという格好の悪い姿で、笑わせてくれた。そして、びっくりなのは昨日。1時間半あるいてたどり着いたカフェでゆっくりくつろぎ、そろそろ解散しようと友人らと挨拶を交わし、家路に着くや否や、ぴとっと座り込み動こうとしない。大型犬だけあり、動かそうにも動かない。仕方がないので息子に車で迎えに来てもらった。すると、「おお、来たか?」という感じで急に立ち上がり、後部座席に乗り込むではないか!なんという態度。。。あきれて言葉もでない。

Monday, November 21, 2011

ティーンの死生観

昨夜の夕ご飯での会話。

13歳でフランスに留学中の姪っ子に、本について意見交換、というか、夫と私が好きな本を斡旋してるこの頃。その中で、どうしてそういうトピックになったのか(多分ハリポタ)、「子供は死ぬのが怖くない」、本当か。姪っ子は、初めて死を恐れたのが8歳のときだったから、「本当じゃない」といいます。

私「どんなときにそんなこと思ったの?」
姪「忘れたけど、死んだら悲しい!って思ったの」
私「そうだよね、私も死んだらもう逢えない、と思うと悲しい」
姪「それは思わない。絶対また逢えるから」
私「(あれ?無宗教だと思っていたけれど、キリスト教のように天国でまた逢えるってこと?それともリインカネーネーション?)死んでから逢うの?」
姪「え?ううん、カリフォルニアの友達とか、みんな小さな村だからまた会える。え?死んだらだって?あぁ、先の話ね、っていうか、まだ現実感ないからさ」

若さってすごいパワーです。前進し続けるパワーというか。ピチピチ、スイスイ、すがすがしい、みずみずしい。
毎日、エネルギーを頂いています。

******

一方で、昨日パーティーであった知人。電話で外してかえってきたら、少し動揺しています。
「今、知らされたんだけど、従兄弟の18歳の息子が自殺したって。理由がね、『幸せすぎる、この先生きていく価値がない』って。不幸だから死ぬのならまだ分るけれど、幸せすぎるからって命断つってどういうこと??」
最近、フランスかベルギーでも似たケースの若い自殺があったそう。

ちなみにパーティーは生後二ヶ月の新生児の洗礼式のため。
お母さんの腕に抱かれて眠っていたべべの神聖な清潔さ、美しさ。
夫も一瞬涙目になるほどむき身状態の「生命」。

命を大切にしてほしい。守ってあげたいけれど、ある時点からは自分でやってもらうしかないですから。

Tuesday, November 15, 2011

サポートグループ

シンガポールに来てかれこれ8年目になる。年数を数えてみて時間の経過の早さに愕然!信じられない速さで人生が駆け抜けていく。実は私の長男は自閉症スペクトラムで、もう13歳になるが、つい最近までは目を離せない問題児だったのに、彼なりにも成長しているのが信じられない。あたりまえの事だが自分より背が高くなり、声が変わり、自分と対等に意見するなど、予想していたよりも大人になっている彼をみると、色々悩んでいた頃が(悩みはいまだに尽きないけれど)ほんとに懐かしくなる。こちらにも子供の成長・障害に悩みをもつ親が少なくなく、最近日本人の母を対象としたサポートグループの代表をさせてもらい、私にも手にとる様に解る悩身・苦しみをいかに軽減して、”楽しい”毎日を送れるか皆で模索している。私自身は自分が一番サポートが必要なときに、外に援助を求められなかった経歴があるので、グループにくる彼女たちは私よりもかなりヘッドスタートをきっており、会を重ねるたびに少しずつ明るくなるような感じも見受けられる。若いときのような人生や人にたいする様々な憶測・期待が減り、独りよがりでイゴイスティックな部分が削られよりシンプルなライフスタイルや考え方を歳とともに得ると、やはり人にとって人がいかに救われているのかというのを身にしみて感じる。

Sunday, November 13, 2011

女友達

明日は仕事仲間でもあり友人でもある女友達のギタリストの彼のコンサートが原宿のクロコダイル(懐かしいでしょ?)であり、それを見に行く予定だ。彼女は金融機関で勤めているから朝早くから夕方までみっちり働いて、彼はギタリストでバーのオーナーだから夜から朝までが演奏したり、バーを切り盛りしたりするのが仕事である。彼女のデートは、早朝に、仕事明けでこれからちょっと飲みに行きたい彼と、これから仕事が始まる彼女が、ファミリーレストランとかで朝ごはんを一緒に食べ、彼女は夕方仕事が終わってから、彼のやってるバーに飲みに行くというのが、彼女のデートのスタイルだ。彼女は彼を見習って一生懸命ギターの練習に励んでいるし、コンサートのチケットを売ったり、バーのウェブサイトを作ったり、とてもひたむきである。いろんなデートの形、愛情の形があるのだということが、彼女を見ているとよくわかる。因みに彼女はジェフベックが大好きで、ロックが大好きなのだ。ロックと、このひたむきな愛の形が相いれないようにも思うのだが、実はそうではない。自分の思ったことに突き進む感じは、ロックなのかもしれない。大人になると何となく、一生懸命追っかけたり、ひたむきであったりすることが無くなってしまうけれど、相変わらず、大好きな人を、”生活”という制約に目もくれず追っかけている彼女は、どこか潔く清潔感があり魅力的である。

Wednesday, November 9, 2011

Home Sweet Home

10日間の日本ステイを終え、昨夜家にたどり着いた。一番喜びを全身で喜びを表してくれたのはチャーリー。しばらくは白い毛皮の台風の目状態を経験し、man's best friendを実感。そして、時差ぼけもなく、起きた今朝。陽が東岸のバークレー方面から真っ赤に昇り、こういう日の出を都会の東京では一度も見なかったことに、改めて気づいた。子供や夫の出かけた後の今、たまったほこりをみながら、掃除機もしばらくかけていなかったことに気がついた。単身行く東京は、優雅な大人の顔をしていられる都会であったのだ。自宅に戻り、ふかふかのスリッパを履き、足元に横たわる(東京では見かけなかった)巨大な犬と同じ空気を吸いながら、コンピューターに向かう私が、本当の私のような気がする。今晩のおかずを何にしようかな、などと起きぬけからチラッと考えたり、どこの時間帯にヨガを目指そうかなと企んだり、いくつかある仕事の用事をどのように組み合わせ、いかに効率的に買い物を済ませられるかと脳みそが回転している、勝手に。日本にいるときは、日本語で考えていたのに、アメリカに戻ってきたらこれまた勝手に脳みそが英語に切り替わった。わが愛車じゃが丸が修理に出ているので、朝方夫をミニバンで会社に送りとどけ、おいしいアーモンド・クロワッサンを買い(こういうものを買うので太ると自覚しながら)、ラジオをつけるとLady GagaがThe Edgeを絶唱している。あ~、There's no place like homeである。

Saturday, October 29, 2011

タイムスリップ

久しぶりに日本にいる。2年前のちょうど今頃来たが、とても寒かったのを思い出し厚めのコートを持ってきたが、拍子抜けに暖かい。サンフランシスコから羽田への直行便が出ているのも感動した。さぞかしJALは人気高いのかと思ったら、到着時間が深夜で都心に住む人しか利用できないのでかえって不人気だそう。おかげで、飛行機の中は一人で3席に横たわり、ぐっすり眠ることができた。

昨日は久しぶりに高校の前を通ったので、たまたま同じ高校の出身のSoraさんと中に入ってみた。Soraさんと一緒に窓を覗き込み、うわ~、汚い!!と工作室や、体育の先生の部屋を見て感想を述べてみた。教室にも入り込み、懐かしさいっぱい。高校生だったころと校舎はほとんど変わらず、もう30年前になってしまっている月日の流れにびっくりした。クラブ活動に励む中学生・高校生たちと同じつもりでいたのに、あっという間に大学生、高校生、中学生の母になってしまったタイムスリップが面白い。

Thursday, October 27, 2011

バカンス(子猿達のみ)なう!

Toussaints(トゥーサン)という、日本のお盆に似たキリスト教の祝日をはさみ、フランスの学校は10日間の秋休み中。

拙宅にホームスティ中の13歳の姪と6歳+4歳の子猿がともに楽しめて、且つ、母猿にもストレスが溜まらない外出先なんてあるの?

それがあるのです。パリは素晴らしい。

初日は、サクレクール寺院まで。


広い教会、薄暗い中、ステンドグラスを通して入ってくる光の美しいこと、力強いこと!
くるっと歩いて出てきただけでも心が落ち着きました。

パイプオルガンも素晴らしかったし、いつかクリスマス礼拝に来てみたいな。



モンマルトルの丘の頂まで、あえて危険な道を好んで登る子猿達。
その意気だ!と言いつつも母猿はドキドキ。
かなり急な坂なのです。


芝生もひっくり返ったら下まで転がり落ちるよ~、気をつけて!

姪っ子「ここ、パリじゃないでしょ?もう出ちゃったんでしょ?」って何回も言うほど、モンマルトルは地方都市のような雰囲気です。彼女も気に入ったよう。
これは丘から下山するリフトの中。



火曜日はブローニュの市営プールに行きました。
緑に囲まれたガラス張りの温水プールで、思いっきり泳ぎ・・・と書きたいところですが、寒くって寒くって。きっとアスリート向けに温度設定されているのでしょう。カタールの熱風が懐かしい。
帰り道の兄猿の一言
「楽しいときもあったけど、思ったより楽しくなかったね。」
がーん・・・・・・

昨日は、ロダン美術館へ。


ナポレオンのお墓も眠るアンヴァリッド寺院の近くにあります。


 何を考えているのでしょう、考える人。



 三人の影、三人ともアダムだそうです。
人間、誘惑に負けてはいけない、なぜなら・・・



・・・待っているのは地獄の門だから。
ここに考える人も、三人の影も、イカロスの翼も全て入っています。迷える愚かなる人間の魂満載。

この門はくぐりたくないですねぇ。
ロダンは石膏だけ造り、このブロンズ版を見ずに亡くなられたそうです。

大人だけでなく、子供にも楽しめるように、音声機械を聞きながら、地図に添って動く、「答え探しゲーム」があって、子猿達も走る走る。

「イチ、ニ、サン・・・」
「噴水の彫像には何人の子供が隠れているか。」というクイズの答え探しに真剣な眼差し!

子連れの場合は無料で庭に入れてもらえるようです。
(音声機械は二機で3ユーロ)
子供のための文化的な機会に対しては援助が多いパリ市。
エライ!アートの街、そうこなくっちゃねぇ。

「ロダン?考える人?知らな~い」という姪っ子を無理やり記念撮影。


この足で、美術館から遠くないところにある、Champ de Marsまで移動します。
この公園はエッフェル塔の足元にあります。


すっかり秋化粧のエッフェル塔。
少しずつ冬が忍び寄ってきているパリ、寒くなってきたので、ここでおやつを食べてお開き。


今日は、ちょっと疲れたので、勝手ながら母猿業、間引き操業させてもらいます。
 のんびりと、ベランダのバラを愛でつつ・・・・


皆様よい一日をお過ごし下さい!

Saturday, October 22, 2011

love hate relationship

チーズは、我が家にあると、『食べなきゃ悪くなる』と”いやいやながら”食べる。全く買わないと、『チーズがない』という国家の危機にいたる。そんなチーズの存在なのだが、今日は洗濯の乾燥機から黄色い、こぶし大の石が出てきた。何だろう?と首をひねっていると長女がくんくんと嗅いでみた挙句、Jarlsberg!と断言する。そういわれてみれば、臭いはまさにオランダ産のヤルスバーグなのだ。一体、何故これが洗濯されるのか不思議。

Friday, October 21, 2011

ライブ

先日のSoraさんの、生演奏についてのエントリーに続き、私もライブに感じること・・・。

9月10日・11日に我が麗しの桑田佳祐さんが宮城でライブをされたのですが、これがWowowで放映されて、早速動画サイトにアップされているのを見ました。ライブで観られたら、テレビで観られたら良いのですが、まぁ海外組、これくらいは我慢しなくちゃなのでしょう。Youtube様さまです。本当にありがたい。

毎回、DVDなり、Youtubeなどで桑田さんのライブを見て思うのは、「人生、自由に生きよう」ってこと。そして、こども達にも、忘れずにそう言おうって。

それは、桑田さんが才能全開で素晴らしいからだけでなく、バンドのメンバーの一人一人までが楽しそうに、本当に楽しそうに演奏しているから。
ベースの人も、キーボードの人も、ドラムも、リードも、コーラスのお姉さん達も、皆みんな、動脈流れる血一滴一滴、ほとばしる汗一滴までもが、「音楽愛してる!オレ、今生きてるよ!」って叫んでいるような、そんな声が聞こえそうな表情なのです。多分、このステージ作っている裏方さんの末端の一人までもがそう思っているんじゃないか、そう思わせるライブです。

もう一つ、いつも思うこと。
感受性より大切なものって、この世にあるのだろうか。

あぁ、桑田さん、あなたがいなくなったら本当に困る。いつまでも元気にライブやってください。いつか行きたいっ!!

ということで、もうすぐ消されるかもしれませんが、一応リンクを
東北民謡By桑田さん

宮城ライブのDVD も発売されるようです(Jubiさん、11月16日頃日本におられるなら買っておいてくださいね。そしてパリに来るときに持ってきてくださ~い!)

甘くて美味しすぎる話

・・・があります。
毎年パリではチョコレートの展示会「サロン・デュ・ショコラ」が開かれ、大盛況と聴いています。
なにやら、10ユーロちょっとの入場料を払うらしいんだけど、それで十分元が取れるほど有名どころの
チョコレートを試食できるらしいのです。最初は調子よくいけるけど、そのうち、甘い匂いとリッチな味に食べられなくなるから、小さなビニール袋を隠しもって、試食をもらったら、袋に溜めてお持ち帰りする、というのが通のやり方とか。

辛党に移行中の私としては、あまり興味ないなぁ、なんて思っていたのですが、Labo Love Japanの、東北震災のための支援運動を知って、行って見ようか、という気になっています。何やら、パリ・フランスで活躍するパティシエさん方(何と大勢の方々が一流店で活躍されているのでしょう!)とフランス人、sの他の方々が、腕を振るわれた御菓子を提供し、その収益を義援金として被災地に贈るそうです。

パリ近郊の方、出かけてみませんか?
SALON DU CHOCOLAT
du 20/10/2011 au 24/10/2011.
PARIS EXPO - VIPARIS
PORTE DE VERSAILLES
PARIS 15

Wednesday, October 19, 2011

フランス風お好み焼き


うわっ、何じゃこりゃ。
外国に住んでいると、色々と創作和食が生まれるものですが、これもそんな一つです。
紫キャベツをミニ・ロボ(小さいフードプロセッサー)で みじん切りにして、ついで転がっていた人参も入れて、健康のためにと、生姜も摩り下ろし、山芋代わりのジャガイモも摩り下ろし、卵と小麦粉と、塩で混ぜたものです。
紫キャベツ、直ぐに色が流れてしまって、こんな怪しい青いペーストになってしまった。


でも、焼けばちょっとマシ。食べ物っぽくなってきました。


ミニ・お焼き4つ、兄猿完食しました。小学校一年生になって、最近は野菜も良く食べるようになりました。身体が欲しているのでしょうね。ちび猿は食わず嫌い。相変わらず偏食で困っています。

これに、ソースかけても、酢醤油でも、唐芥子かけてもよし。キャベツの甘みが美味しいですよ。みじん切りにすれば、フランスの固いキャベツも短時間でふんわり柔らかく焼けます。

健康食に詳しい友人ができて、すっかり啓蒙されている私。

生姜・ねぎ・韮・にんにくは万人に良いらしい。
また、キャベツ、ブロッコリーは抗体を上げるらしい。


ということで、キャベツのお焼き。お試しあれ!

Monday, October 17, 2011

生演奏

先週の土曜の夜、大学時代の同級生で、現在たまたま同じ会社で働いている女友達に誘われて、ギターを聞きに出かけた。ここ数カ月結構忙しかったから、夜遊びに行くのは久しぶりだったせいもあったのかもしれないのだが、改めて生演奏っていうのは身体にいいことを痛感した。京王線の各駅しか止まらない駅の商店街にある小さな喫茶店だが、夜はジャズやら前衛物のバンドに、お店のオーナーの善意で演奏の場を提供している。もちろん無名のバンドだけれど、武道館で豆粒ほどクリプトンを1万以上出してみるのに比べ、2500円で目の前で2時間聞けるのはお得だ。聞いている内に、いつも心の中にある、あれもやんなきゃ、これもやんなきゃ、という追われる気持ちから解放されて、何も考えずにただ、ただ、気持ちよく集中して身を任せられる解放感に自分の体が喜んでいるように思った。こういうことで自分がリセットされる感じがする。皆それぞれに自分を解放する方法を持っているのだろうと思うが私にとっては生演奏を聴くというのは、一つの大切なリセットの方法なのである。お店を出たのは夜の11時過ぎ、外気はいい感じに冷えて、お喋りも弾む。都会だけれど虫の鳴き声も聞こえる。音楽の後の静寂の中の虫の声は一段と風情がある。

秋晴れの週末


久しぶりにサルト地方に行ってきました。パリから西に250キロ走ったところにあります。
高速の道々、一面紅葉、すっかり秋色です。


見事な秋晴れで、気持よかったこと!


大きな栗の木ならぬ、胡桃の樹。この一本から、二十キロ分の胡桃を拾ってきました


セップ茸を求めて森に行ったけど、お天気続きのこの頃、こう乾いていたらキノコも生えません。でも手ぶらでは帰らない。栗と松ぼっくりを拾います。

道中、ふしぎな倒れ方をしていた木。どういうこと?


それにしても森は良いとこ、いつかはおいで♪、てなもんで。
私はここでいつも再会する友人がいます。昨年他界された方ですが、この森にくると、彼女のささやくような声が聞こえる気がするのです。不思議だと思いませんか?森の癒し効果なのでしょうか。
とにかく、懐かしい気持になれるのです。

あぁ、でも週末外にでると、母猿は疲れるわ~。楽しいんだけど、荷造り、荷解き、食べ物の段取り、車で子猿が乗り物酔いしたとき用のあれ、とか、そうそう この本はこういうときに読まないと、とか、「お~い、母さんや、今週のエコノミスト、入れたぁ?」とか、「ママァ、ゴマちゃんどこ?(ゴマアザラシのぬい ぐるみです)」、etc、エトセトラ。

もう一週間が始まるなんて、心の準備ができていませんが、待ってくれませんね、月曜日。

皆さんも、どうぞ良い一週間をお過ごし下さい。

Thursday, October 13, 2011

満月

秋なのに、SF郊外は真夏の暑さが2日続いている。これをインディアン・サマーという。久しぶりに時間に余裕のある日で、Lazyさんに居候している娘がいなくなって以来散歩ストライキに出ている犬を連れて一時間ほど散歩をした後、家の掃除と洗濯をしながら、仕事を済ませ、プールで30分。午後はまた仕事をし、夕方ヨガに行ってきた。暑いので、今日は陰ヨガと先生が宣言し、最初の30分は仰向けで瞑想のような居眠りのような境地。ヨガ=色々と考える脳のバタバタを一時休止させることらしいが、とても心地よかった。お寺や教会にいるような落ち着いた気持ちになる。

そして夕方。
ここのところ満月がチーズでいうミモレット色で昇ってくる。

Lazyさん、お誕生日おめでとう。

Tuesday, October 11, 2011

郡山二中

昨日の続き・・・
Nat King Coleのあと、 Youtubeはすごいなぁ、と思いながら、そういえば、と、結婚式のときにコーラスに歌っていただいた、モーツアルトのMissa Brevis KV194を探してみたところ、沢山ヒットがありました。

7年前は、CDで探すのが難しい楽曲だったのに。
その中でも、コレ 聴いてみてください。
素晴らしすぎる!郡山二中ですって。中学生で、ラテン語でこんなに歌えるなんて、子供の可能性って限界がないんですね。
感動です。感謝です!
http://www.youtube.com/watch?v=7wdciTXbPG0&feature=related

この子供達が被爆を逃れているといいなぁ、と心より願うばかりです。

Monday, October 10, 2011

先日カーラジオで聞いたNat King ColeのLOVE.

今日は何故かこれが頭から抜けず、検診、買い物、忘れ物、そして子猿の発熱など、そんなには楽しくなかった一日も、ラブラブの♪♪で一日が終わり、楽しい気分で寝付けそうです。いいですね、音楽効果。

Nat King ColeのLOVE
http://www.youtube.com/watch?v=0eMwehm9dQU&feature=related

娘さんのも上々。

気分転換にお勧めです!

Friday, October 7, 2011

キャロル

友人のキャロルが左足の親指と人差し指(というのかな)を複雑骨折した。雨がくる前にパラソルをしまおうと傘の部分を持ち上げたら、鉄の台が足に落ちてきたそうで、気絶するかと思うほど痛かったらしい。普段なら、怪我をしても人に言わずにじっとこらえる彼女は、珍しく親しい友人たちに怪我をしたことをメールで報告した。すると、毎日のように友人や家族が入れ替わり立ち代り、来訪し、ご飯を置いていったり、おしゃべりをしたり、包帯を替えたりしてくれるので、とても嬉しいようだ。私も3回ほどお邪魔しては、ペチャクチャ話しをしてきた。例のお隣のおばちゃんのパットと対比するほどに人徳ということを考えさせられる。
キャロルもパットも不幸な結末の結婚を経験し、お酒に逃げ場を求めたというが、その後の人生の取り組み方に雲泥の差があり、キャロルは一念発起して自立し、3人の子供を育て上げ、子供にも孫にも、そして友人にも愛される今がある。パットは、お酒におぼれ、4人の子供たちにも見放され、全ては他人のせいという態度で接するので友人にも隣人にも見放され、電気も水もない家で一人寂しく住んでいる。英語のフレーズにYou have to give to getというのがある。日本語でいうと、情けは人のためならず、ということになるのかもしれない。キャロルをみていると、とても多くのものを周りに与えている気がする。私の母と同じ年代の彼女は、若い友達ができて嬉しいと言ってくれる。私は、年齢を感じさせない感受性をとても嬉しく思う。

Thursday, October 6, 2011

神無月

昨日、子猿達が日本語補習校でカレンダーを作ってきました。毎月第一回目の授業でその月のカレンダーを作るんです。

もう、10月なんですね。
お 盆と関連して神無月と命名された10月だったかと思いますが、私としては、God is loveなのに、心が寂しい、時の流れの早さに、その残酷さに胸を刺される、Where are you, my Lord? って感傷的になるのが得てして10月辺りだから神無月なんだなって解釈しています。

だって、あと2回暦をめくったら年末なんて、心臓がドキッとするほどショッキングな発見ではないですか。この前新年だったはずなのに。 

時が過ぎることが、とても悲しいと感じるのは、先週はまっていたSix Feet UnderというHBOのTVシリーズのせいかもしれません。ロスの葬儀屋を舞台にしたコメディーなんだから悲しくならなくたって良いのですが、ま、10月なのがいけないんだと思います。
毎エピソード、冒頭に死があって、その方の葬式をめぐってのコメディ・ドラマが繰り広げられる。面白くて止まらない→でも、そのうちに、「あぁ、人は必ず死ぬんだなぁ」と言う、普段なるべく意識しないようにしている事実が脳裏に刻み込まれる。
ドラマのメッセージとしては、死ぬからこそ、今を精一杯生きろ、ということなのでしょうが、気づくと、やるせない、無常な気持がじわじわと心に広がリ……。
なので、このドラマ、しばし観ないことにします。(単純な解決法)

作者不明なのですが、しばしお貸し下さい。あまりにも悲しい気持が伝わってくる作品なので。
そんな今日、世界で多くの人が悲しい気持でいることでしょう。
「Stay hungry, stay foolish、人生に対して、貪欲でいろ、夢をみることを忘れるな」
スティーブ・ジョブスのスタンフォードでのスピーチを覚えている方も多いのでは。
彼はどのような気持で永眠に就いたのだろう。
Requiescat in Pace・・・

あぁ、人は最期の瞬間に何を思うのだろう。

旅立ちは、送る方、送られる方、ともに辛いですね。

Stay hungry、Stay foolish、

忘れないようにしたいものです。

Tuesday, October 4, 2011

フランスの教育、変です

13歳になる姪っ子を預かって1ヶ月経ちました。フランスでいう、コレージュ4年生、日本では中二くらいでしょうか。

公立の中学(コレージュ)はRectoratという機関が統括しているけれど、こことのやり取り、大変でした。とにかく、コミュニケーション取れ ないのです。「電話しても録音だけだった」と文句を言うと、「そうそう、あの電話はいつも鳴っているから誰も取らないのよ、ほっほっほ」とかいう始末。

そして、公立では教科書は全部支給されるべきなのに、1ヶ月経った今も半分くらい未受理。「数が足りなくって追加オーダーしているのよ」。だか らってコピーをとってあげるわけでなし、姪は友達のを見せてもらって、授業受けながら、必要なことを書き写しているらしい。それも勉強になるかもしれない けどさ。

で、時間割。日によってマチマチで、ある日は半日だったり、別の日は8時から17時まで。こんなに長い一日、勉強の効率悪そう。もっと、頭の構造を考えた時間割りにしてあげたらいいのに。

続いては給食。1時間近く並んで、そのために午後イチの授業は遅刻するけど、それは了承してくれるんですって。それなら遅刻しないように、給食を高等部と中等部、時間分けするなり、考えれば良いのにね。

で、不味いものを出すそうです。よくわからないんだけど、メニューも、ポテトとラザニアと、とか、ご飯とクレープとかで、何だか偏っているんですけど。一回3,4ユーロくらいで、レストランに比べれば安いけれど、栄養価考えて欲しい。

何故、文句を書こうと思ったかと言うと、姪っ子がまたフラーっと帰ってきたのです。体育の先生が来なかった、15分待った挙句に、帰っていいことになった。どうやら、演劇のクラスの付き添いで外出しているらしい、だって。
あれ、先週もそうじゃなかった?
やたらに、休講が多いのです。帰っていいこともあるし、自習してなくてはいけないときもあるらしい。

でも、先生がこんなにいい加減に働いたり、働かないことになったり、ストがあったり、ストでも出てきたり、ってやっているのを観て育つ子達は、勤労ということをどう思うのでしょうか。

働くっていうのは、適当でいいんだよ。今日はストだしぃ、っていう態度になりませんかねぇ。実際そんな感じの社会ですよ、フランスって。

変なの変なの!どう思われますか?

Monday, October 3, 2011

インディアンサマー

この一、二週間のパリの暑いこと!
しまい忘れたTシャツなどで繋いでましたが、もう暑すぎる!ついにタンクトップです。先週・今週はパリコレ(あらためファッション・ウィーク)で、本当ならモード関係者のシックな秋の装いが観られるはずなのに、パリはバカンス・ルックで溢れていました。

そんな中、昨日は、あまりの暑さにプールに行ってきました。
子 連れファミリー、皆同じ思考回路で動いているから混むかもしれない、と思い、早めに行動を起こしましたが、隣の市の市営プールに着くと、既に10メートル くらいの列です。「なんだ10メートルか」、と思われるかもしれませんが、ここはフランスなので、「列」というか、群衆・団子状態で、多分50~70人く らいはいる。

それを観て、アメリカからホームステイ中の中学生の姪っ子は「マジでコレに並ぶの?」と、日本語だったら、こういう風に言ったであろうニュアンスで聞きます。(ハーフだけど、日本語話しません)
「うん、まぁ、様子見てさ。」
「・・・OK」
明らかにOKでない顔で、一緒に並びます。「帰ってもいいんだよ」と言っても、メトロに乗るのが不安らしい。たった2駅なのに、こういうところは子供なんだなぁ。
でも、日本だったら中一です。せっかちで1分置きに携帯をみて、5分置きに大きなため息ついて、10分置きに「ねぇ、まだ並ぶの?意味ないよ」。
若いときは不確定なものを待つことが永遠に感じられるのでしょうね。

結局30分弱で中に入ることができました。入ってみると、外で人を待たせてまで人数調整するだけあり、中は混雑していなくて、気持ちよいです。姪っ子も満面の笑顔。「いいねぇ、このプール」だって。


久々の水に大はしゃぎの子供達。来た甲斐あったわ。
兄猿は学校でもプール授業が始まったばかりなのですが、昨日の水遊びで、少し水の勘が戻ってきたようです。そうよ、そうよ、カタール時代のプール生活を思い出して頑張ってよ!1歳から4歳まで一日に半分をプールで過ごしたでしょうが。


彼、 クロールや背泳ぎなど、おぼれているようにしかみえないんだけど、頭の中の、昔の記憶を辿って、身体を動かしています。「確か、こうするんだった」「こう やって足を蹴るんだっけ」とやってみては、沈んでいく。で、立ち上がって、にやっと笑って手で顔を拭き、「あぁ、水ってこうだった」って思い出している。
子猿の来た道を全部知っている母猿には、まるで字幕ついてるかのように、兄猿の考えていることがわかるんだな、今のところ。


さて、プールをでると、4時近く。パリはこれからが暑い。案の定、外は日曜の午後をプールサイドで過ごそうという人々で長蛇の列です。皆入れるといいね。


今週半ばまで、こんな天気らしいです。
インディアン・サマー、何だか得したような気がします。

Saturday, October 1, 2011

日本人らしくない生き方

以前に書いたが、お隣さんのおばちゃんはアル中が治らず、離婚を機に人生の丘をころころと転がり落ち、ついには家が競売にかけられ、撤去も時間の問題なのだが、気の毒なので時折困った時にお手伝いしてきた。このおばちゃんが逆噴射した。電気も切られ、ついに水道も絶えたらしい。先日図書館ですれ違った直後にメールがきた。洗濯物が溜まったので、あの時一度っきりといったけど、他の人に頼むのが恥ずかしいのでまたお願いしたい、と。ところが、私の留守中に手ごわい長女のいないのを見計らい末っ子に頼んで洗濯に来ているのである。善意で尽くしているのに、うそをつくのはよろしくない。また、ご本人はその昔損害賠償専門の起訴を生業とする弁護士だったとかで、隣人の家に行っては怪我をしたと言って起訴する経歴があるようだ。刑事裁判の被告で何度も出廷していることも、近所のおばちゃんから教わったので、洗濯を断った。私の留守中来たのを知っているのとこれを習慣にしたくないのでお断りするかわり、近くのコインランドリーに運転させてもらうと返信をした。すると、あんたは非情だ、今まで良くしてくれたので犬がうるさいのも我慢してきたが、これからは、一日中家に閉じ込めている犬がかわいそうなので、吠えたら警察に通報するとメールが連続して送られてきた。今朝も郵便受けに手紙が来た。これは夫が読んでシュレッダーにかけたらしいが、あんたが不運な私の洗濯をしてくれないので重い荷物を持って洗濯に行ってくる。途中で見かけたら車に乗せろ、という趣旨らしい。

それでも罪を憎んで人を憎まないようにしなければいけないと自分には言い聞かせる。また、"Forgive, but don't forget",
ブッシュ元大統領で有名になったことわざ "Fool me once, shame on you; Fool me twice, shame on me"を肝に銘じることにしよう。

善意が仇となることに憤りを感じるわたしは、きっと日本人的な生き方をしていないんだろうな〜と、思ふ。

Friday, September 30, 2011

日本人らしい生き方

今日、私の父の長期にわたる仕事仲間でもあり友人でもあるお爺さんの義理の息子さんのMさんのお葬式があった。このお爺さんはUさんと言って今年90才になるのだが、今でも皆の世話役として色んな人の相談に乗っている。私も大好きなお爺さんである。数日前に我が家を訪ね、義理の息子さんが、もう長くはないと父に話にきたらしいのだが、それから2日後に本当に亡くなってしまった。まだ62才だったそうだ。今日お葬式が教会で行われ両親が参加し、両親からとても興味深い話しを聞いた。息子さんは亡くなる5日前、意識を失う直前に洗礼を受けたのだそうだ。どこが興味深いかというと、彼ら一家全員は、わが家も檀家となっている近所の禅寺の隣に住んでいて、何十年にもわたりお寺のありとあらゆる仕事、お寺のお庭の掃除から、お寺で行われる様々な年中行事の受付やらお茶出し、お坊さんの旅行のお伴、といった絶対に必要だけれど目立たない仕事を黙々と引き受けてきた人達なのだ。今日のお葬式の当日まで、家族の方以外殆どの人達が、Uさんの娘さん、つまり亡くなった義理の息子さんのお嫁さんが熱心なキリスト者であることを知らなかったのである。先にも書いたが、彼女も小さい時から、ありとあらゆるお寺の行事を影で支えてきた人なのだ。この話を聞いた私の反応は、不思議なことに、なんだか少し嬉しく感じた。自分の中で宗教の違いをとっくに乗り越え、隣のお寺の仕事を影で長年支え、皆と仲良く協力的だというのが、なんだかんだ言っても隣近所や世間を大切だと感じる典型的な良き日本人という感じがしたのかも知れない。宗教の話題を持ち出すことは一般論で言えば好ましくないかもしれない。でも、今日の話しは宗教の話しではない。多分書きたかったことは、心の中で自分が何を信じるか、どの神様を信仰するかということと同時に、自分が生きる社会の中で、現実的に良き隣人であることを選択して、その二つを同時にうまくこなしていた彼女達の有り方が、何だか実はとてもバランスがとれて、丸く収まればそれが一番、と考える日本人の生き方そのもののように思えるのだ。そしてこのような話を聞いて何となく嬉しく感じる自分は、根っから日本人だなぁ、と思うのである。

Tuesday, September 27, 2011

世界各国の給食

こんなサイトを見つけました。

世界二十カ国の給食の写真です。

日本、私の時代に比べると随分美味しそうになりましたね。

イギリスの、ちょっとかわいそう過ぎ。

アフリカの子供達の笑顔が可愛すぎる、まぶしすぎる!

フランス、アーティチョークが給食に出ちゃうの、食べるのに、ちょっと時間かかりすぎではないでしょうか。Mais bon、うちの子猿達、給食美味しいっていってます。私も食べてみたいな。
 そうそう、先日、うちのちび猿、小児科より、体重増えていなさ過ぎの警告を受けてしまいまして、給食もっと食べるように指導して、と学校に頼めって。言ったらやってくれるのかしら。

ま、興味ある方、是非観てみてください、このサイト。ちょっとした文化比較になりますよ。

大江健三郎と若かりし日の私

先日の友人との会話のトピックは大江健三郎でした。

丁度、日本で原発反対デモを主導し、6万人も参加した、というニュースの後だったこともありますが、私、今この作家に興味津々なのです。(そうそう、この原発デモ、NHKの7時のニュースでは報道されなかったそうです。怖いですね、日本の報道規制。気持が悪いです)

発端は、氏が書いた沖縄集団自決について軍の(=国)の指導があった、というのにた対して旧軍の人が控訴していたらしいのですが、今年3月に、最高裁で勝訴した、というニュースでした。ちょうど沖縄について書かれた山崎豊子の「運命の人」を読んだところで沖縄問題をもっと知りたいと思っていた頃でもありました。

山崎豊子は80代後半、大江氏は70代後半です。この二方が、共に沖縄にこだわるということは、戦後の日米関係のわだかまりの焦点なのでしょうね。

Anyway、大江健三郎氏。
友人は、「もうおじいちゃんでしょう。生きている間に、講演とか、行きたいわ。」私も「本当ですね~。」

・・・この会話に、何か引っかかるものがありました。

そして、氏の著書を何冊か読んでいて、引っかかりのわけがわかりました!
なんと大江氏、私が在学中に母校にて講義をされていたのです。それも「信仰を持たないものの祈り」という、とても興味あるトピックについて。

あ~あ、悔しい!
何がって、アッパラパーの大学生のだったことがですよ。何にも考えていなくて、横柄に、傲慢に若さに胡坐掻いて座っていた自分。こんな出会いのチャンスを見逃していたなんて!
悔しいから、この講義が元と成っている本を読むことにします。

「信仰を持たないものの祈り」って、実は一番純度が高いような、そんな気がしませんか?地震の後、うっすらとそんなことを思っていました。

♪夢にも寄り添う 愛しい人の面影もう一度逢えたら 在るがままの姿で涙の川 溢る思い♪ 
桑田ケイスケ「明日へのマーチ」より

今涙の川にたたずんでいる方々が笑顔を取り戻す日が早く来ますように、願わずにはいられない、この頃の日本ですね。

Monday, September 26, 2011

秋晴れの週末

我がままなタルト。大人はフランボワーズ、子猿らはショコラ味

この週末も何だか忙しく過ごしました。
はて、何をしたんだっけ?

とにかく、お天気がよくって気持良かったこと。半そででもOKな暖かさで、サンフランシスコから来ている姪っ子は、「カリフォルニアみたい!」と喜んでいました。
先週は、「もう寒くなってきたから」、と諦めていたベランダでの食事も復活。床がどんなに汚れて、水で洗い流せばよいので、母猿楽チンです。


土曜日の午後は、お気に入りの庭園、ブローニュの森の中の、バガテルに出かけました。
姪っ子は孔雀と写真撮って!というので、撮りました。フランスの庭園は何かと孔雀を散らばせることが多いので、無感動でしたが、姪は珍しいらしく喜んでいました。(その割りには黒猫ピューマのニュースには「へぇ」と流していましたが)

観てください、この笑顔。少女とYoung Ladyの狭間の瞬間!嫌がる姪っ子をかぼちゃと撮ります。オバサンだと遠慮なくオバ馬鹿できて嬉しいワ。

日曜日もこのリピート的な、忙しくしているようでのんびりの一日を過ごしました。

今日も秋晴れ。パリにお出かけなら今ですよ。

皆さん、どうぞ良い一週間を!

Thursday, September 22, 2011

大きな猫


サンフランシスコの対岸の自然の豊かな町に住む私の自慢は、野生の動物。鹿や狐、狸に鷹、オウムやスカンクなどなどたくさんいるのが、都会育ちの私の自慢。ところが、なんと我が家から徒歩5分の丘に巨大な黒猫が出没したのである。先週末バーベキューをしている夫が最初に見つけた。そして、長女が犬の散歩をしていると、丘への入り口に横たわり、じっと彼女らを見ていたという。一応、警報メールをご近所にだすと、「そうそう、この辺にはPumaがいるのよ。」という。黒いピューマが近所にいるのは自慢を通り越して恐ろしい。しばらく丘を歩かないことにした。

Tuesday, September 20, 2011

おやつパーティ

昨日の午後は70歳になる義父のためのティーパーティならぬ、おやつ+シャンパン・パーティでした。

 親戚など、20人近く集まり、お菓子をつまみます。このマカロンの黄色いのはレモン味とかで、兄猿が5,6個食べ、チビ猿はショコラ・モカ味など濃い目のを多分10個くらい食べたと思う。
13歳の姪っ子は知らない人に囲まれ居心地悪いのか、「お腹すいていない」といいながらも、見かけると何かつまんでいて可愛かったです。そうそう、コーラを薦められて、多分普段は飲む機会が少ないのでしょう、「Mais, OUI!」と嬉しそうでした。

 プティ・フールも美しく、他に、ミニ・パン・オ・ショコラや、パン・オ・レザン、ミ二エクレアなども沢山。そして皿と皿の間には、ロリポップが散りばめられ、子供天国です。

 ということで、シュガーハイな子供達。走れ走れ!
 走る走る!
 花冷えな気温のパリ。近くの庭園の花はそれでも美しく。

冬はどのような草花が植えられるのでしょう。そうそう、ここは柿の樹もあるので、もう少ししたら観に行こう。
柿色は、秋色ですよね。

どうぞ、皆さん良い一週間を!

Sunday, September 18, 2011

ロールケーキ

子猿たちの新しい私立の学校、給食費が高いのが難点。
内 容を見ると、「BIO(有機)食品を優先的に遣い、パンも大量生産のではなく、パン職人が作っているパンを出し、前菜は3種類、主菜も3種類、デザート は、乳製品を中心に何種類から、生徒各自が選べる」ようなことが書いてあったのですが、チョイスの部分は、私の理解の仕方が違っていたようで、そんなに豪 華ではなさそう。

とにかく、美味しく食べているようなので、家計へのしわ寄せは我慢しようかと。

そんな金曜日、「きょう、給食で、ぐるぐる巻きのケーキを食べた!」「きょう、スッゴク美味しいケーキがあった」と兄・弟が共に開口一番に報告してきたロールケーキ。
どうも、市販の個装されているような、ミニロールケーキのようなのです。
「ちょっと、それは詐欺じゃないの?あの給食費で!」
とも感じるけれど、嬉しかったらしいから、よし、とします。

で、昨日、子猿2匹+13歳の姪のリクエストから、ロールケーキを作りました。

み んなそれぞれに好みが違うので、シフォンケーキを薄く焼き、下のように、それぞれの希望の塗り物を塗ります。左から、栗のクリーム(母猿)、 Confiture de Laitというキャラメル・ソース(姪)、ヌッテラ(チョコクリーム、ちび猿)、ブラックベリーのジャム(兄猿)、また栗クリーム(夫)

これを巻いて、それぞれ、好きな部分を食べました。


上の写真は私部分。餡子物が食べたくなると買う、この栗クリーム(Confiture de Châtaine)。
こうして私の味覚はガイジンになっていくのでしょう。
栗の味が濃くってメチャ美味です。

皆さん、良い日曜日、良い一週間を!

Friday, September 16, 2011

緑の通学路


この秋から子猿達は転校しました。

理由は色々。

一つには、新しい学校はカトリック系なので、カテシズム(宗教教育)があること。日曜ミサもさぼりがちな父親は、とても自分にはできない(もちろん私も)と他力本願なのです。

もう一つには今までの学校より近いこと。5分くらいの差だけど、朝の5分は貴重です。

そのほかにも、今までの学校の小学部の評判が、「いいわよ~」という人と「う~ん、ちょっと気になるところがある」という人がいたことなど等。今度の学校はビシバシ系というから、うちの子猿達にはいい薬になることでしょう。

でも、本当の理由は、この通学路が好きだから、だということに昨日気づきましました。

今度の学校は、植物園の脇を通っていくので、緑の回廊みたいな通学路なのです。
学校の先を真っ直ぐ行くと、ブローニュの森に続くらしく、朝・夕、ジョギングする人々とすれ違います。
秋晴れの最近などは、街路樹のマロニエが山吹色に輝き、植物園の方を見れば常緑樹のもみや杉の大木が、爽やかに乾いている青い空に映っていて絵になること!歩くと、枯葉がサクサク言って、おもわず、アラフォーおばさんの母猿まで走り出したくなるような通学路なのです。

通学路へのこだわりはトラウマから来ているだと思う。
確か中学の頃ですが、事情があって、我が家は環八沿いのマンションに引っ越しました。
今 やベットタウンとして整備されたことでしょうが、当時の千葉寄りの東京は、駅前こそパチンコや場末のスナックなどでがやがやしているけれど、それを抜ける と、あまり人の気配もなく、3,4階建の四角い建物が続く道。引っ越した当時、それも冬の夕暮れ時など暗くなってしまうと、「あれ、迷子になっちゃったか な」と心配になるほど、歩いていも歩いても同じような人工的な風景が続くのでした。
ようやく、巨大なコンクリートの直方体見え、「あれがうちだ」とホッとするや否や、そこは環八。大型トラックがビュンビュン通っていて、時折、暴走するバイクが爆音立てて走りすぎたりもする。信号待ちの時は、その音が怖くて、耳を塞いで立ってたっけな。
こんな暗いイメージがあるのも、当時は高校受験のため、私なりに神経がとがっていた頃だったからなのでしょう。

今までの子猿達の学校の通学路は、大通り沿いだったし、マンモス高校が並んでいたり、使われていない老人ホームがあるだけの殺風景さで、学校事体にも何か明るくないもの感じていたのは、この中学高校を過ごした環八沿いとイメージを繋げてしまっていたからかもしれません。

でも、学校を変えた理由が通学路っていうんじゃ、はぁ?ってなるでしょうから、人から聞かれたら、今までどおり、「いや夫がね、近くってね…」ってもっともらしい答えをしておこう、と思うのです。

Thursday, September 15, 2011

プレゼント

水曜日、パリは学校が休み、うちは午後に子猿らを日本語補修校に連れて行く日です。
「To do list」が沢山あったので朝から張り切っていました。To do といっても主婦のそれです、「洗濯をする、子供を風呂に入れる、夜ご飯の仕込みをする」といった小さなやるべきことばかり。

この「やるべきこと」リストの中の一つに、「メゾン・ラブ二コル」という、マレ地区にあるチョコレート屋さんで義父への贈り物を買うことがありました。このチョコ屋さん、義父のお気に入りなのですが、彼はまだ、パリに店があることを知らないはず。サプライズになると思ってのチョイスなのです。
そして、もう一つ、買わなくてはいけないものに、兄猿が学校で使うとってもシンプルなノートで、どうしても近所の文房具屋で見つからないのがあ り、それもこのチョコ屋さんの近くのデパートにあると聞いてたので、「よしよし、子猿達が日本語補修校の授業に出ている1時間半の間に買いに行ってこよ う」と計画していたのでした。

ところが、日本語補修校、夏休み明け初日でしたので、ママさんたちとも久々なる再会。コーヒー飲みながら積もる話で盛り上がっているうちに、子猿達の授業も終わってしまったのです!!!

どうしようかと思いましたが、週末の義父の誕生日までにこちらに出てくる時間もないしナ、よし、行くか!
東京でいう原宿のような繁華街を子猿二匹引き連れ、地下鉄二駅分の距離を歩いて、いざ、チョコ屋さんへ向かいます。途中、ノートを買いにデパートにも寄るという、午後5時の4歳児には過酷な旅路です。

途中、飴玉で釣ったりするシーンもありましたが、無事チョコ屋に到着。
そこは、大人にも夢のような世界で、様々な人形の形をしたチョコなどもあり、子猿達は目を輝かせます。
「ボンパパ(おじいちゃん)きっとコレが好きだよ。」と言って、ボンパパ興味ないこと100%のホワイトチョコの金魚などを選んだり、
「ボンパパ喜ぶねぇ。もっと買ってあげようよ」
とか、彼らなりに、ボンパパのプレゼントを選びます。

プレゼントを選び終わって、彼らにも5センチ正方のホワイトチョコを買ってあげたら、それはそれは嬉しそうに、美味しそうに食べていました。

ついつい、「面倒だし」「子供なしの方が早いし」「子供には良くない場所だし」と、自分だけで用事を済まし勝ちですが、たまにはこうして、社会科見学させるのも良いものですね。
そして、こういうミニ旅が母猿にとっては珠玉の思い出となるのでしょう。十年もしたら、この猿達も声変わりして、母猿と並んで買い物なんてしてくれないに違いないですし。

義父へのプレゼントでしたが、私にとっても楽しい子猿達とのプレゼント選びの旅になり、その後帰宅してから子猿らを風呂に入れ、晩御飯も作り、寝かせ、To do listを無事完了した一日だったのでした。

Tuesday, September 13, 2011

一期一会、セパージュにて

立体感ある盛り付けがキー
先日、「セパージュ」という、ワインとおもてなしを学び楽しむ会に参加させていただきました。



普段のリエットも一工夫でおもてなし前菜②になる

パリでは様々なお教室を催されている方々がいらっしゃいます。
フランス料理教室、フラワーアレンジメントの教室、漢方料理の教室、カルトナージュと呼ばれるきれいな布張りの箱を作る教室、ワインの教室、チーズの教室、もちろん、語学の教室もあります。

こういうお教室を主宰される方を総称して「サロネーぜ(サロンを開く人)」とも呼ばれています。

前菜勢ぞろい。「高さがあるものは奥に置くとバランスが宜しい」と。本当にそうですね。

サロンの意味、あらためてWikiでみてみると、「サロン:フランス語で宮廷や貴族の邸宅を舞台にした社交界をサロンと呼んだ。主人(女主人である場合も多い)が、文化人、学者、作家らを招いて、知的な会話を楽しむ場であった。」と。

さて、セパージュの会は、まさに、このWikiの定義通りのサロンでした。

この日のテーマは発砲酒。其々選ばれた理由があり、勉強になりました。

主人のミホさんの魅力に吸い寄せられた、知的好奇心旺盛な女性が集まって、ワインとおもてなしを学びながら、この日の出会いを楽しみ、会話を弾ませる、そういう会だったのです。

私の動機は、みほさんの才能溢れるブログに惹かれての参加でして、もっとこの方を知りたい!と思ったからでした。正直、ワインもおもてなしもそんなに興味はなかったのです(ミホさん、不純な動機でごめんなさい)。
でも参加すると、みほさん、そして生徒さん方のワイン熱、おもてなし熱が移って、そういや、私もソムリエだったっけ、と、にわかに真面目になり、ワインの味わいを捕らえようという気にもなり。

何が素晴らしいって、ワインは冷え冷えで、料理は熱々でサーブされること。



それにしても、主人のみほさん、
ワインに対する造詣の深いこと。何でも知ってらっしゃる。
ご自身、「私、いい加減だけど、実はまじめだったりもするの」とおっしゃいますが、いやいや、真面目さんでらっしゃること、間違いなしです。
こんなに知識がしっかりしている先生だと、学ぶ側も安心して先生の引導に身を任せることができます。 

味付けにもメリハリがあるし、ホント、ブラボー!

そしておもてなし料理。
先にも白状しましたが、私、おもてなしとは縁も興味もない生活を送っていまして、美味しいものをいただけるのなら、他の方が作ってくださったものをいただけるのなら、それで御の字、と思っている怠けモノでございます。
それでも、みほさんの説得力あるおもてなし論(「おもてなしなんだから、それくらいしてください。」「どうやって美しく見せるか、考えながら盛り付けして ください」)を伺っていると、ほんとほんと、お客様見えたときなど、私も少し頑張るべきだわ、と思い直されてくるのです。

セパージュのおもてなし料理、ご自身は「みほの簡単料理」と呼ばれていますが、アイデアが素晴らしいし、ちょっとしたコツが沢山あるからこそ、簡単で美味 しいおもてなし料理になっているわけで、そのアイデア、コツを余すことなく共有してくださる気前の良さも格好いいな、と思いました。

雑な感じが私流?人参のムースと、胡瓜とサーモンの冷製

ということで、すっかり忘れていた結婚記念日を一週間遅れで祝った週末。
ミホさんのアイデアを冷蔵庫にあるものでするとこんな感じに……。
夫は「素晴らしい!」と喜んでくれたし、普段の週末ランチも少し特別なものに。
ちょっとした工夫で生活にメリハリが付くものですね。

初めてのサロン体験でしたが、しっかり勉強するし、それが良い緊張感となって、皆さんと一体感も生まれるし、会話も弾むという何層もの相乗効果ありのセパージュでした。

セパージュは大人気でして、参加されたい方は、是非、セパージュ・ブログを通してピノミホさんにお問い合わせ下さい。

ミホさん、そして同席させていただいた生徒さん方、どうもありがとうございました!

Monday, September 12, 2011

ママはチアリーダー

パリでは先週から新学期が始まりました。

学校始まる前から、持ち物の長~く、不明瞭、不正確なリストを片手に、母猿は文房具店、本屋を駆け回っておりました。なぜ、学校は存在しない教科書をリストに載せるのでしょう?まぁいいや。

そしていよいよ先週月曜日は本番。登校でした。

弟猿は幼稚園、兄猿は小学校、そして今学期は、アメリカ育ちの13歳の姪っ子も預かっているので、中学にも行きます。

この一週間、弟猿はいつも泣きそうな顔を一所懸命こらえながら、無理に作った「Happy Faceスマイル」で手を振り、兄猿はムッとした顔のまま「ママ、キスとハグ(抱擁)は?」と要求し、従順に従う母猿に、濡れた唇を押し付けて、「じゃ、 行っていいよっ」とこれまたムッとしたまま旅立つ。彼なりに不安で一杯なのでしょうが、泣き顔にならないように、ムッとしてごまかしているんだと思いま す。

そういえば、夫は会社で今壁にぶつかっている時期で、ちょっと辛そう。そんな彼、今朝も、「行くか。行くしかない」と自分に言い聞かせながら出勤して行ったっけ。

姪っ子は、多分不安も一杯あるんだろうけど、持ち前の自立心と好奇心を奮い立たせて、「大丈夫、行ってくる!」と異国の学校に向かう。

皆偉いなぁ。
いやなんだけど、しょうがない、といって頑張って社会に飛び込んでいく。
先日読んだ、大江健三郎の、「仕方ない、やるか!」という話を思い出します。これは、障害者の親はきっと誰もが、ある時点において、「仕方ない、やるか!」と立ち上がり、子育てをしている、という話だったかと。

母猿の役目は家族を、この「仕方ない、やるか!」という気持にさせること、「仕方なく」頑張ったその先には、「充足した気持」という最高のご褒美が待っているよ、ということを匂わせること、かな。

皆、フレーフレー!頑張れ~!
今週も泣かずに頑張って欲しいです。どうなることやら。

Sunday, September 11, 2011

夏太り

夏ばてでやせることはあっても、夏太りは世界広しといえど、私一人に違いないと思っていた。ところが、反省を込めて泳ぎに行ったプールでばったりの友人も必ず夏は太ると言っていた。それはなぜかというと、アルコールとおつまみ、そして旅行や子供の面倒で不規則な生活になるからだと、彼女は言う。対処法のしては、やせるまで体重計に乗らない(彼女)と、体重計に乗ってショックを受ける(私)と、対極的だが、子供たちも学校に戻り、生活が通常に戻ったので、私らもパワー・ウォーク(という名の散歩おしゃべり会)を再開して体重を落とそうと約束した。

さて、馬肥ゆる秋に、どうやって臨めば良いのか、思案しているが、今日もご近所の友人に招かれておいしいディナーが待っている。当面はあまり成果が上がらないかもしれない。

Friday, September 9, 2011

9・11を目前にしておもうこと

早くも10年がたとうとしている。9・11が、西海岸移住のきっかけだと自分では思っている。2005年の移住なので、反応が遅いことは確実だが、毎日テロ予防策を考えながら通勤するのに疲れ果てたのと、キャリアをめぐるポリティックスに燃え尽きたのがちょうど時期的に重なったのだ。NYに住む人々の反応はさまざまで、記念日には家族で毎年NYを離れる友人もいれば、何事もなかったように過ごす人もいる。今週末は、友人が久しぶりにNYから遊びにくるので楽しみなのだが、一方でSoraさんなどはちょうどNYに出張で行っているようだ。 9・11関連の記事を読むと未だに胸がつまる。たまたま出張当日で自宅にいたため、TVでビルが崩壊するのをリアルタイムでみて、あわてて子供の学校に走っていって無事を確認したことや、夫が何を思ったか歯医者に行ってしばらく行方不明になっていたこと、空港まで送ってくれるためにきたリムジンの運転手さんの動揺ぶり、などなど、まるで昨日のことのように思い出す。10月にはいると、連日のように聖パトリック・カトデアルでバグパイプの演奏を背景に消防士さんの葬式を通り抜け、通勤したこと、その当時勤務していた銀行の予防訓練の誤発に驚き、ごみ箱を飛び越え、一目散に非常階段を駆け下りていった巨大なイタリア人のおじさんのことなど面白悲しく思い浮かぶ。

Wednesday, September 7, 2011

パリで頑張る日本人

昨日は沢山の日本の方々に逢う機会がありました。

まず、朝。
子猿達を学校に送った帰り道、ご近所の顔見知りさんがジョギングウエアに身を包まれ軽快に走っておられるのに遭遇。
「おはようございます!」と挨拶を交わしながら彼女はブローニュの森に吸い込まれていきました。すれ違ったあと、私も何故か小走りになったりして。
走ることに夢中になられているとのことですが、大人で「夢中なこと」があるのって少数派ではないのでしょうか。
いや~、爽やかでした。

そのあと、マレ地区に足を延ばし、友人のシェフ・ミサトさんの職場にお邪魔してみました。
 ほっそりとした身をシェフズ・ジャケットに包んで、美味しい食べ物を精力的に生み出す彼女。三人の幼児を育てつつ、起業され、グルメの街パリで料理人と してやってく決意をされたミサトさん、勇敢です、かっこいいです。 それでいて謙虚で自然体で。
もう素晴らしいったらないです。

お昼は日本語教育に関する懇親会があり、出席者皆様は日本人、初めてお目にかかる方が殆どでしたが、そんな皆様の個人的な体験を伺う機会を頂きました。人の数ほどドラマがあると言いますが、本当にそうなんだな、と実感して帰宅。

そしてお迎えの時間はあっという間に来るのです。
子猿達の新しい学校、始まって二日目にして既にお二人ほど日本人のお母様とお会いしました。このどっぷりと「おフランス」している学校にも日本人の方がいらっしゃる。
先のお昼の懇親会でも、日本人の海外在住者の数が倍速で増えている、と伺いましたが、本当にまぁ、と実感する今日この頃です。

果たして、この現象は日本が住みにくくなっているからなのでしょうか。

一方で、先日のエコノミストに、若い日本人は海外志向が低くなっており、海外留学生の数が80年、90年代に比べると軒並み酸くなっているとありました。英語力もかなりまずいという。

この二つの相反するデータは何を意味しているの?

そして、ふと気づくのは、私の周りで元気に海外生活を謳歌している方、海外で活躍している日本人の殆どが女性であることです。ただ単に、私(女)の行動範 囲な為 せる業かもしれませんが、日本は女性には生きにくい国であり、一方で大和撫子は勇敢なので、海外に飛び出し、幸せを求めていることが多い、という自分本位 な仮説を立ててみたり。

会社の留学制度があてがわれるのは得てして総合職=男性だから、エコノミスト誌が言うように、留学希望生が少なくなっている、というデータも生まれたのではないでしょうか。

男性にも公平にしなくてはですね。女性は男性よりも社会的足かせが少なく、自由が許されると言うところもあるのでしょう。(男性も自由になって欲しいな。我慢しすぎるは危険です。

夕方は、子猿達のピアノの先生とのお別れがありました。
フランスに音楽留学をされてましたが、ご家族の介護のために日本帰国されることになったのです。こういうときに頼られてしまうのもやはり女性であるわけで。

とにかく頑張れ、大和なでしこ!日本でも海外でもいいから幸あれ!と強く願うのであります。

Monday, September 5, 2011

テレビっ子のサーティワン

長いこと海外に住んでいると、日本の芸能情報についていけなくなります。嵐もAKBもわかりません。テレビドラマのストーリー紹介読んでも、こんな のが受けるの?って感じです。ただ単に私が年取ったのかもしれないけれど、やはり、私がテレビっ子だった70、80年代はテレビの成熟期だったのではない か、と勘ぐっています。

というのも、先日、テレビドラマについて思い出す機会がありました。
私のお気に入りは「ムー一族」。ご存知ですか。
樹樹キリンと郷ひろみの「林檎殺人事件」が売れたお笑いドラマです。大好きな伊藤四郎が足袋屋の親父で、郷ヒロミは三浪中の次男で、トイレに行くと近田春夫が出てくるという、かなりシュールでふざけたストーリー。

その他にも、「ちょっとマイウェイ」とか、向田邦子モノとか、「傷だらけの天使」とか、「俺達は天使だ」、とか、「俺達の旅」でしたっけ、思い起こせば切がないほど、秀作のドラマが沢山ありました。
バラエティーも、なんといってももドリフターズがいて、あとザ・ベストテンとか、ベストヒットUSAとか、夜のヒットスタジオとか、もうその日は楽しみにして夜を待っていたものでした。

テレビを観なくなったのは、90年代です。あのショッキングピンクの字幕テロップがでて、お笑いの人のセリフを強調するように出すようになったあの頃から、テレビを観ると疲れるようになったのです。仕事初めて精神的にも疲れていたのでしょう。

こんな風に昔を懐かしむアラフォーオバサンのつぶやきを続けさせていただくとすると、もう一つ、わが青春の思い出に欠かせないものとして、サーティワンのアイスがあります。

あ る年の誕生日ケーキ、母が用意してくれたのは、たしかサーティワンのアイスをはさんだアイスケーキで、本当においしかったですし、中学の頃駅裏のサーティ ワンに、さやかちゃんと一緒に寄って食べたわ食べた。夏はオレンジ・シャーベット、冬はロッキーロードにベリーベリーストロベリー。ダイキリの涼しげなペ パーミント・ブルーにうっとりし、ジャマイカなんとかでコーヒーの美味しさに目覚めた・・・。何よりも、当時はビリージョエルの「オーネスティ」が流行っ ていて、竹内まりやもまだ不倫の歌を歌っていなく、「私、アメリカ留学帰りよ」的な歌を歌っていたし、私の中ではアメリカ文化への憧れが積乱雲以上にモク モクしていたころでして、アメリカから来たサーティーワン・アイスは「This is America!」って感じだったのですよ。ミントチョコアイスを食べてはアメリカの西海岸あたりのハイスクールガールになった気分を味わっていたので す。

その後、ビリージョエルはアップタウンガールと離婚し、日米関係の暗い歴史を知って無邪気に大好きと言えなくなり、サーティワンよりハーゲンダッツが売れ、と時代は変わりました。テレビもケーブルやインターネットとか、メディアの多様化で複雑らしいし。

良い時代に青春を送ることができた、とまとめることもできるけれど、やっぱり、今をもっと良い時代にして欲しいな、と思います。どうなんでしょ、そこら 辺。日本に住んでいると、今のテレビもアイドルも、きらめいているのかしら。今、このグローバルな世の中、何かに対する強烈な憧れとかって存在しているの かしら。

ところで、同世代の友人との会話で、「やはりサーティワンはイケてるね」という結論です。ハーゲンダッツ、美味しいけれど甘すぎるし、高すぎる。Ben &Jerryも別にへぇーって感じだし、ジェラートは私の中では別枠ですし。
パリにあるのでしょうか、サーティワン。ご存知の方教えてください。

Friday, September 2, 2011

ワインめぐり


珍しく優雅なランチを頂いたのは、赤ワインのおいしいポイヤックPauillacというボルドー地方のChateau Cordeillan-Bagesというホテル・レストラン。これはガンバスとアスパラガス三昧の一皿。おいしいワインと頂くと幸せこの上ない。隣のテーブルではマナー教室を兼ねてランチを楽しむ中国人4人。そして、びっくりなのは、北海道出身のソムリエさんが日本代表として頑張っているのを発見したこと。日本人は本当にどこに行っても必ず会う。ガラパゴス化現象というけれど、好奇心旺盛な日本人は世界の隅々まで進出しているというのも事実である。頼もしい。




Thursday, September 1, 2011

自然の成り行き


 些細なことなのですが、なるほどねぇ、と思うことが。

一昨日の夜、子供にせがまれて、ドラえもん全集を読む羽目に。この夏休み用に、日本語補修校から借りた分厚い漫画本です。
この二ヶ月、彼らの日本語力、日本文化力に合う、そして静香ちゃんの入浴シーンを覗いて、「へへっ」という、痴漢養成的な展開のないエピソードを 拾い選んで読み聞かせしてきましたが、ふと気づくと、最後のエピソードでした。「返却日の前に読み終わってよかったわぁ」と思っただけの出来事。

昨夜は、別の本を持ってきて、「読んで!」という。海賊ポケットね、はいはい。これも夏くらいから読み出した本。文字数が多い本なので、まだまだ続くと思っていたら、あれ?これも最終章でした。

そして、気づくと長かった夏休みも明日でお仕舞い。私も子猿達も、この本達、別に暦を意識して読んでいなかったけど、夏の初めに読み始め、夏の終わりに読み終えました。

そうそう、昨日は、兄猿は幼稚園のマブ達とお遊びデーでした。時折預かりあっていたので、私の中では「じゃ、来週は私が・・」というノリでしたが、そうか、もう新学期始まるから、そうは行かない。じゃ、学童で逢うし、と思っていたら、スケジュール的に合わないよう。
来週からは小学校、兄猿とマブ達君は別の学校へ行きます。
「もう逢えないのね。」
「いや、私達は逢いましょう!」
でもそれが現実的に難しいことも知っている。毎朝のように「ボンジュール!」と声を掛け合い、先生の愚痴を言ったりしていた彼女とも、そんな気安い付き合いはお仕舞い。お母さん同士はハグ&ビズ(キス)の涙の別れです。当の子供達はまだ別れが何か知らない。

気づかないところで、色々なことが夏の終わりに向けて終結していた、そんな気がしました。

で、思ったのが、世の中って、こんな風に、始まりと終わりが来るんだなぁってこと。よく言う、「自然にそうなった」というヤツ。
でも、実は、この「自然」って、単なる自然ではないと思うのです。だって、そうだとしたら色々なことが偶然過ぎると思うのです。この手の自然は、実は色々な人々の「気」(含む祈り)が、集まったとき、同じベクトルを向いたときに、「自然とそうなる」的な事象が発生するんだと思うのです。ドラえもんも、きっと潜在化で、「夏によく読んだな、この漫画。そろそろ終わりにしようか」という子猿達の潜在的な思いがあったりしたのではないか。海賊ポケットもそう、昨日のお遊びデーをセッティングした背景もそう。誰もがうっすら夏の終わりを感じていたから、「じゃ、そろそろ、これも終わりにしましょうか」とい無意識の認識があったのではないか。

わかりにくいですよね。

とにかく、夏休みも終わりです。
無事に無事故で平和に、そして沢山の笑顔を見て終えたことに感謝するばかりです。

Monday, August 22, 2011

ストレス・コントロール


この週末は、夫をパリに置いて、子猿二匹を連れ義理両親のメゾン・ド・カンパーニュに行ってきました。これは、夫に意地悪をしたのではなく、仕事が山積みでストレス溜めている彼に独り時間をあげ、同時に、子猿達に自然の中で従兄弟達と戯れる時間をプレゼントしてあげよう、という、母猿の自己犠牲に基づく行為でした。義理の家族って、厄介ですもん。

結果は・・・
行って、良かったです。
昨日再会した夫はTo do listが捗り、少しは休めたようで、すっきりした顔してたし、子供達は従兄弟と喧嘩などもしてましたが、まっ、これも勉強。 私は勿論疲れたけれど、夫と一緒に義理家族と会うのより楽でした。
というのも、夫は自分の家族とどうも気が合わないようで、いつも家族の集まりでは、ストレス波をビンビンに発します。それを受け止めなくてよい分、楽だったのだと思う。
いやぁ、夫って、本当に家族の中で浮いているんです。どうしてこうもかみ合わないかなぁ、というくらい共通点がない。彼だけ、子供のときから寄宿舎付きの学校で生活したからかもしれません。親との思い出が少なくって可哀想だなって思うけれど、その見返りとしては、考え方にバイアスかけられなくって済んだのだと思う。
義妹達は、二人ともいい子なんだけど、なんだろう、想像力があまりないとでも言ったらいいのでしょうか。・・・まぁ、いいや。

結局、自己犠牲と歌いながら、実のところは「家族のために、やれることやったぞぉ」という、自己欺瞞だったようです。週末を乗り越えてみると、昨今の私のストレスもロワール川に流され、今朝は目覚めすっきりでした。
コーヒー片手にPCつけると、エトランゼやメールなどで、温かいメッセージが何通か。読みながらほろっときちゃいました。涙もろくて困ります。

そのあと、夫の古いシャツを縫い直して、子猿のTablier(割烹着?)とやらに改造しながら、桑田さんの「明日へのマーチ♪」 を聴いて、またジワリ。名曲だと思います。聴く度に涙が滲む。
東北の方達は、どのような夏を過ごされているのでしょう。
田舎では気が早い義妹達がクリスマスの計画を語っていたので、「プレゼントは辞退させて、どうしてもと思うのなら、被災者基金に募金してね」、とお願いしておきました。復興、まだまだ先が長いすものね。

さて、割烹着できあがり!

パリの夏休みも残り2週間を切りました。夏バテしないで頑張りましょうね~。