Friday, August 27, 2010




Lazyさんは、海体験をエンジョイされている様子。太平洋でも日本と対岸のカリフォルニアの海を撮ってみた。

寒かった夏もそろそろ終わり、サンフランシスコでは一年で最も熱いIndian Summerといわれる秋到来である。お隣さんの庭には鹿が頻発している。
















子供らも新学年が始まり、みんな張り切っている。そんな中、一人だけ相変わらず怠惰な生活を送るチャーリーは本当に独立独歩である。


Tuesday, August 24, 2010

三つ目の海


7月の日本帰省から始まった長い夏休みもクライマックスに入ってきました。湘南で太平洋、コート・ダ・ジュールで地中海、そして締めはフランス西海岸はブルターニュの海、大西洋です。写真、結構上手く撮れてるかな?

パリはすっかり秋している中、西に向けて発ったのですが、こちらは一日に三シーズンがあるって感じで、寒いかと思えば、太陽がじりじりだったり、雨が降ったりで忙しい。紫外線は強いようで、曇りの日でも焼けます。

ここの浜辺は何故か懐かしく、ほら、どこかで見たような風景でしょ。




昨日はご近所の塩田(マレ・サラン、marais salants)に散歩しました。そう、ブルターニュは、ゲランドの塩で有名な地方にいるのです。


ここの塩田は昔ながらの手作業で、塩田を天日干した塩を収穫します。海水を引き入れ、囲い、太陽で塩が結晶となるのを待つ。
上の写真で小さく見える白いの、あれが鍬で集められ、山積みされた塩です。




上の写真はうちの台所にある塩入れです。
上がフルール・ド・セルと呼ばれるもっとも上質な塩、下は料理用でもっと粒が粗く、色もグレー掛かっています。
どちらもマイルドで、ミネラルたっぷりな味です。日本でも、味にこだわるレストランでは使われているようですし、こちらでも、レストランで、ステーキなどのメニューに、「ゲランド産の塩付き」と明記されるほど、大切に特別扱いされている塩です。粗目の塩がソースやバターの中に溶けてしまう前に、こりっとかじって舌の上で味わいながら食べる肉片は美味しい。



唯、ここでも三人寄れば文殊の知恵ならぬ、諍いがあるようで、単独でやっている塩職人は組合に圧力をかけられているとか。
人間って、なんで団体になるとすぐ弱い部分が出てきてしまうのでしょうか。



上の写真は、塩のストック、精製をするSalorgeでの写真です。背景の白いのが塩の山。
二コ-ルさんは長年塩職人をやってらっしゃる方で独立して塩作りをされています。
「シンプルな生活が好きで、塩は究極にシンプルなものだし、組合とか、ポリティックスとか、縁なくやってけるかと思っていたけど、どうやらそうは行かないようでしてね。電力を使って、機械を使って消費者好みのさらさらの塩を作るというやり方は、何かが違う。天日干しだからこそ天の恵みの味がすると思うのです。」
と、話し振りも知的な素敵な方でした。もちろん、彼の塩はBIO(有機)認定されています。



また、組合の持っているクライアントに食い込むと言うやり方ではなく、新規市場を開拓するという方針も爽やかだと思いました。
現在は奥様がドイツの方ということもあり、ドイツ、ベルギーなどへの輸出をされているとのこと。卸から、小売用もパッケージングしていて、これは、「Sel fou、クレージーソルト」です。フランスでは3.5ユーロ。
見えますか、「福」という字があしらってあるラベル。「『福』が縁起の良い字だと聞いたのと、その成り立ちが、左に神、右は食べ物 → 口で、その下には田んぼというのが、私の塩にあっていると思ったのです」とのこと。

「日本?輸出したいですね。というか、是非訪れたい、いつか行ってみたいとかねがね思っている国です。日本は組合が既に参入しているようですから、そうでないお客様が見つけられるのなら、私の塩を食べて頂きたいです。」
とのこと。

何か良いアイデアありませんか?ワイン・ショップ、チーズ・ショップとのコラボレーションとか、ステーキ・ハウスとか、勿論、スーパーにも、ゲランドの塩いけるような気がするのですが・・・。

二コール・アーノーさん、優しい潮風のような出会いでした。

Monday, August 23, 2010

ヘアスタイル

横着して髪の毛を切らずにいたら、なんだか獅子舞のようなスタイルになってきてしまった。夏休みもおわり、そろそろまじめに仕事でもさがすっか?という今日この頃、こんな髪型では来るオファーも来なくなっちゃうと、美容院に予約を入れる。ずっとショートできていたが、ショートは年寄りくさいという子供たちのアドバイスで髪の毛を伸ばし始めて一年たつ。その間二回しか美容院に行かなかったので今の獅子舞状態に至っている。明日はジャパンタウンに行き、カットをしてもらってから虹やマーケットでお刺身買おうかなあなんて計画しているのに、どんなヘアスタイルにするのか皆目見当つかずにいる。フランスにいる間にスーパーで買った白髪染めが結構いい色になっている。これで若さをアピールするスタイルができたら、お刺身もさぞかしおいしいことだろう。

Sunday, August 22, 2010

民族大移動

ニースからサンフランシスコへの民族大移動を果たし、小さめの家に荷物の25%位を詰め込み、高校生の子供たちは学校も始まった。一週間でここまでこぎつけたのも引っ越し慣れした一家だからこそ。でも、背中と腰が痛い。飛行機の乗り継ぎで行方不明になったスーツケースも届き、今日はプールに行って錆付いた体を元の状態に戻す努力までしてみた。かなり苦しい。

フランスに2ヶ月ほどいた後で戻るカリフォルニアのカルチャーショックは面白かった。息子は、なぜこんなに車がいっぱい走っているんだ?なぜこんなに人がいるのかと車窓から外を眺め、しまいには「とんだ田舎者発言だな。」と反省する。私も、鼻をくんくんさせない嫌味のない洗いざらしの真っ白なTシャツのようなカリフォルニア人の大らかさに改めて感動したりする。そして今日は日曜日。トゥール・ド・フランスのような格好で自転車をこぐ人々、スポーツ・ブラにショーツで走る女性を横目にゴールデン・ゲート・ブリッジを渡る。セールボートやヨットが港に点々とみえる。車もフランスに比べて格段に大きい。同じ西洋でもこれほど違う雰囲気の国を行き来すると、面白い。

Tuesday, August 17, 2010

フランス式婚活?



相変わらず肌寒いパリです。明日から西海岸はブルターニュにて海水浴に行く予定ですが、これじゃ寒中水泳大会になりそうです。

さて先日、夫の妹が11歳になる娘の「ラリー」についてブチブチ言っていました。「全く仕切りが上手くができてない、何でこんなスケジュールにするんだ」などなど。

ご存知ですか、この「ラリーRallye」というシステム。
ウィキしてみると、フランス語のしか見当たらないので、私の知っている限りでご説明を・・・。

***

ラリーは、戦後フランスの旧貴族階級や上流階級のブルジョワで、「子供達を同じ価値観を持つグループに入れたい」また、「そういったお付き合いを経て、いずれは縁組に繋げたい」と願う人々によって創られました。
ラリーはフランスのほか、ベルギーやドイツにもあります。大多数のラリー・グループは貴族階級や富裕層に属する若者達によって形成されています。

フランスにおいては、ラリーのグループは若い人達(女子は男子の一、二歳下で設定される)で組まれ、月一回程度の頻度でゴルフ、ビリヤード、ポロなどのイベント、またロックやワルツといった音楽のダンス・レッスンやソワレに参加します。

ラリーは数名の母親達がグループを組み、その子供達をこのグループ内で交際させる目的で作られます。このリスト入りには色々と条件があり、その条件は各ラリー・グループによって異なります。

年を経るごとにラリーの規模は大きくなり、パリだと時には500~800人規模になることあります。郊外のベルサイユだとそこまでは行かず、より地方に行くほどに小規模となります。

[10歳~14歳]
活動開始当初のラリーは、複数の小さなグループで集まり、(単独グループのときもありますが)大体20人程度です。グループで美術館に行ったり、ボーリングやスケートに行ったりします。

そして一、二年経つと、ダンス・レッスンが始まります。月一回、夜6時~11時、約一年程度、レッスンを受けます。

[15~20歳]
15歳を過ぎると、いよいよ「ソワレ(ダンス・パーティー)」が始まります。殆ど毎月のようにソワレは開催され、時折、著名なお城や豪華なレセプション・パーティーの場など格式高い場所で行われることもあります。
(以上、ウィキペディアから抜粋して適当に訳したもの)


とまぁ、こんな感じで、ラリーは親主導の、組織掛かっててて階級意識強い、長丁場の婚活です。
上流階級では、このラリーのダンスパーティーで知り合った中から将来の結婚相手を見つける、というのが良くある出会いとなっています。

さて、上記にあるように、ラリー階級のお母さんたるもの、子供が女の子とわかったときから、「あぁ、ラリー!」と思うようです。
と言うのも、

①女の子のお母さんらがグループを作る立役者。
色々なタイプがあって、「名家で金持ちのみ」「名家で金持ちでなくてもよい」「弁護士・医者などのヌ-ボー・リッシュ」「単なる成金」など等。オーガナイザーはネットワーキング力強い人がなるようです。

②年のころは娘が7歳くらいから水面下での動きが始まって、「誰々がラリーのリストを作り出したって」など噂が広まり、興味あるママ達はさりげなくコンタクト・根回しをし始めるようです。

③男の子はリストがない、ただただ受身に招待されるのを待っていればよい、待つしかない、と夫は言いますが、そうは言っても、やはりママさんが「うちの息子もいい年頃でね、」と売り込まないと、招待されないと思うのです。

④ソワレの年頃になると女の子のお母さんは大変で、Dior、ラクロワなどの超ブランド物のドレスなどを用意しなくてはならない。

⑤ソワレを開催するのにはそれなりの格調と広さを持つ会場を提供しなくてはならない。ここでのハードルは、父親が「クラブ」メンバーになっているか、いないか。
そりゃアパルトマンが広くって、ダンスできるようなサロンがあればいいけれど、そうでない場合は、紳士クラブなどの会館を借りるようです。プルーストの「失われた時を求めて」にも登場するJockeyクラブは名家しか入会できない老舗クラブで格調あるようですし、上級軍人さん出身が使えるクラブ・ミリテールなど、その他も色々あります。このスタンダードについていけない家の子はラリー参加は失格ということなのでしょう。その他良くある会場として、パリ近郊にある著名なお城など使われるようです。

⑥こうして何年か、ラリーで時折顔を合わせているうちに好き嫌いができてきて、親公認で20歳頃から付き合い、男性側に甲斐性が着いてくる20代のどこかで結婚する。
二人はハッピー、親もハッピーということらしいです。

****

面白くないですか?こういう世界。
中流も中流、ど中流出身の私には絵空事のようですし、今の時代に親の薦めるサークルで素直に相手を見つけようなんて、ちょっと抵抗ある。でもお嬢様、お坊ちゃまたるものは、親の言うことに従うように、疑問を持たないように躾けられているのでしょう。義理の妹達、二人ともラリーで結婚相手に出会いました。

義理の妹達は華やかなりし頃は、ソワレのために、ラクロワのオートクチュールとか作ってもらってようです。夫は同じ背丈だからっておじいちゃんのタキシードを着せられて、丸っきりさえなかったようで、妹達の運転手、兼、相手がいないときのダンス・パートナーだったって。お兄ちゃんってかわいそう。

いつか、遠い将来、我が子猿達がラリーに招かれるようなことがありましたら、潜入して追ルポしますね。

Sunday, August 15, 2010

フランスの夏と言えば・・・

Assomptionの今日、パリは雨降りで、午前10時現在、なんと15℃。街路樹のマロニエは既に紅葉を始めているし、日も短くなってきて、悲しき哉、八月にして既に秋めいてきました。

さて、よくイタリア人の真似として、指先、手先で激しくジャスチャーしながら早口に話捲くる、というのがありますが、フランス人のカリカチュア、私なら鼻をクンクンとさせます。
マルシェでも、スーパーでも、果物を鼻に持っていって匂いを嗅ぐ、ハーブ類、チーズ、サラミ・ソーセージ、そして勿論ワインと匂いでかぎ分けるのが通の証明かのように、クンクンしています。
フランス人の食べ物へのこだわりは確かにすごい。美味しいものしか食べないぞ、という決意を感じます。

さて、私のフランスの夏の楽しみはメロンとプラム類。

メロンはマルシェではなく日本にも進出している大型スーパー、カールフールで買うの方が美味しい。これは5年前から変わらない。何回かマルシェを試しましたが、何故かカールフールのが断然甘くって安い。メロンの山を人だかりができていて、皆鼻をクンクンさせてお眼鏡にかなったメロンを選んでいきます。その目(と鼻)の真剣なこと!私はスーパーに行くと体内エネルギーがダラダラと流出してしまうので、クンクンなどしている余裕もなく、手近なメロンをカートに投げ込んでおしまい。それでもめちゃくちゃ甘くって美味しいのです。新生児の頭くらいの大きさのが2ユーロ弱です。安いでしょ?

そしてプラム類。フランスにくるまでこんなに色々あるの、知りませんでした。
まず、ミラベル。これは先週滞在させていただいたJubilancerさんのコート・ダ・ジュールの御宅の庭の木より収穫したもの。
もっと熟々したのをじゅるじゅるさせて食べるのが美味しいのですが、また青かったので、タルトにしました。わかりますか?杏の半分くらいの大きさで、酸味はあまりなく、甘い。








次はレンヌ・クロード、Reine Claude。青梅に似ている?同じ大きさです。これも熟々でとろとろのを食す。ミラベルよりは酸味があるけれど、濃厚な甘さと程よい酸味のバランスが素晴らしくって、キャンディーのように、ぽんぽん口に放り込んでしまいます。こちらは鼻ならぬ指先チェックで熟れ具合を確認しながら選びます。マルシェでも必ず、「熟れている、それとも少し固目がいいですか?」と聞いてくれます。

出だしの頃は1キロ当たり4ユーロ位したのが、昨日は2ユーロ切りました。これは買うしかない、と大量買い。家に帰ると、義理の両親のメゾン・ド・カンパーニュにて「今年はレンヌ・クロードが大豊作でね、後で届けるから」と電話あり。
私 「メルシー・ボクー・・・・・。」




その他も、白桃、黄桃、白ネクタリン、黄ネクタリン、クェッシュと呼ばれるプルーン風のやつ、と桃系、梅系の果物の豊富なこと。そして、自然の、濃厚で野趣に富んだ味するんです。食べきれないのでジャムもコンポートの瓶詰めも大量に作り、一年掛けて食べきる。トマトなどの野菜も同様に瓶詰めしてカーブ(貯蔵庫)に保存する。これが義母の夏の楽しみで、これは私も喜んで手伝いさせてもらっています。

Saturday, August 14, 2010

夏の最後

今日は珍しく雷雨で目覚めた。南仏の8月中旬とは思えない。23歳の姪はパリに帰るので、Antibesの駅に送りに行く。みんな夏の終わりが悲しいけど、そんな感傷に浸る暇もなく、指定席を探しに駅のプラットフォームを走ること一往復。再会を約束し、帰途につく。雨と別れと重なるように、そろそろ現実を直視せねばという覚悟が迫る。

パリは空っぽ

八月のパリはいつもうこう。バカンス中は車も人もいなくって、散歩していても気持ちいいこと!
午前10時半現在、ベランダの気温計は19℃。昨日よりは暖かくなりそうです。そう、パリは8月に入ってからは寒い日が多く、昨日なんて、遂にGジャンにパシュミナを首にぐるぐる巻いて散歩したほど。

先週の日曜日にJubilancerさんの、コート・ダ・ジュールの御宅より戻ってきました。6年ぶりに共に過ごしたJubiさん夫婦と甥っ子姪っ子たち。皆本当に健やかにのびのびと育っていて、叔母さんはじ~んとしてしまいました。Julien君が私のリクエストに応えて弾いてくれたヴァイオリンは忘れません。

そしてパリに戻ると、会う人皆に「疲れてるね」と言われました。本人はそんなでもないと思っていたのですが、そう言われるとそういう気になったりして。

そんな昨日、いつもお世話になっている方が拙宅を尋ねてくださいました。先日スーパーでお会いしたときに、私の疲れた様子を気にされて、昨日はわざわざヨガの基本を伝授してくださるために、そして「指圧もすこしかじったことがありまして」とマッサージまでしてくださるために訪れてくださいました。
ワタクシ、身体が木でできているのではないか、と思うほどの硬さでして、そんな私にもできるストレッチ法やヨガの基本を教えていただいたのですが、その効果のすごいこと!昨日の夜、今朝も身体が軽くなったような爽快さです。
きっと身体だけでなく、心も温めていただいたので、こんなにラクになったのだと思います。
優しさや思いやりって「あぁ、明日も頑張ろう」って思わせてくれますね。

久々に写真でも・・・。昨日行った、近所の公園、Jadin de Poete、詩人の庭。そこらかしこに詩人の像や銅版に詩が刻まれたのが花壇の脇に置かれています。パリっぽい?



これは誰でしょう。Victor Hugoかと思いましたがそれにしては風采の上がらない・・・名前の彫ってある銅版が外されていたのでわかりません。どなたかご存知ですか?


こちらはプーシキン。ロシア人でも置いてあるのですね。そう思って見ると、英語の詩の銅版もあります。アートに国境はない。フランスのこういうところ好き。
















さて隣接するは、Serres d'Auteuilという植物園。



結構立派でしょ?




やはり腕が・・・この様々な白い花の花壇が素晴らしく綺麗だったのですが、その美しさを撮りきれてませんね。

子猿たちはタンポポの綿帽子を探しては吹いていました。もうそんな季節なのでしょうか。

皆様、良い週末を!

Monday, August 9, 2010

グロい話にグッバイ

もうやめよう、と思いつつ、読み続けている桐野夏生さん。「I’m Sorry Mama」、「残虐記」、その他探偵ミロシリーズ・・・猟奇的、絶望的、変質狂な話がでした。

そして先ほど読み終えたのは「東京島」という摩訶不思議、というか不気味な本です。アナタハン事件をベースにした話らしい。
子猿たちが寝付くまで、部屋の外で本を読んで待つ、という役に立っているような、別にママがここにいてもいなくっても同じでしょ、って感じの悪い習慣が、一週間のコート・ダ・ジュールの旅から帰ってきた途端に再開していて、今夜もそんな暗がりの廊下で、あまりのグロさに斜め読みしちゃいました。やがて聞こえてくる「寝てるときは天使(!?)」の子供達の健やかな寝息を確認しながら読むのに、これ程ふさわしくない本はなかったと思います。

それにしても、桐野さん、なぜここまでグロテスクな話が好きなの?と聞きたい。(と、思って調べるとインタビューがありました。ありがとう、インターネット。)
多くの小説に登場するのが、品位とことん低く、言葉使いがとことん乱暴・凶暴な女性。そして偏執的な肉体関係。「東京島」は登場人物全員良心ゼロの人間でした。
無人島に行くとそうなってしまうのか。これが人間の本性なのか。
私は、そういう人も多いでしょうが、そうでない人もいると信じています。

桐野氏の本、大体の作品においても、悪い人間、弱い人間、病んでいる人間が沢山登場します。

だからと言って、暗いか、と言われればそんなでもない。暗闇の中で錆びきったナイフがぎらりと光るような生命力を、前に行こうという欲を感じさせる終わりが多いです。
でもグロい。ハードボイルドの独特の爽やかさもない。

前述のインタビューで
「(前略)人間は生きるために物語を必要としているのではないか。だから、小説家の自分も、誰かが欲する物語を書きたい、と強く思うのです。」
とありますが、私としては、次回作はもっとお手柔らかに、彼女の書くハッピーエンドや、セックスや暴力がない話を読んでみたい。セックス・暴力・偏執、といった手段を使わずに物語を書いたら、いつも以上に強い感動やメッセージを伝える小説になりそうな、そんな予感がします。

ということで、桐野夏生の本は、借りたの、日本で買ったの、全部読んだのでしばらくお別れしようと思います。ちょっと中毒性あるから、さて絶てるかどうか。

次はお勧め頂いた漫画、モンスターというのと二十世紀少年に行きます。漫画はすぐ読み終わっちゃうのが難点ですね。
本、漫画、面白いのありましたら教えてください~。