Monday, September 21, 2015

プロフェッショナリズム

ひょんなことからプロフェッショナリズムについて考えさせられた。恥ずかしく、恐ろしいことに昨日車をバックさせるつもりで前進して、車庫の扉を大破した。しかも、スローモーションで倒れた大きな扉は500キロ近くあるのに、不思議な角度で張り詰めたケーブルからぶら下がっている。週末でたまたま家には次女がいるのみ。「緊急事態ではないけど」と前置きして消防署に連絡すると、今から向かうと快く引き受けてくれ、扉を3人の消防士さんがとりあえず宙づりでない状態まで立ててくれた。今朝、早速ガレージ専門店に連絡をすると、オーナーが、「昼過ぎに行く、出る前に電話する。」と、請負い、約束通り連絡を入れてから到着した。ピンポーンと玄関先のベルを鳴らす前にすでに、様子をみ、ガレージの寸法を取っていた。いきさつを話すと、おばちゃんはこれだからなんて様子を微塵も見せず、これはかなり危険な状況なので、2週間先まで予定が詰まっているが、何とか明日ドアを撤去できるか工面してみると、事務所に連絡を入れてくれた。従業員に要領よく事情を説明し、「ずらすことのできるアポがあるか調べてみて、分かったら連絡くださいね。」と、電話を切る。そして、最善を尽くすけど、明日来れないようだったら一刻も早く他のガレージ専門店に連絡をするようにと勧めてくれた。「どこがお勧め?」と聞くと、ライバル店を教えてくれた。そして、約束どおり、30分後に電話をくれ、今日の夕方同僚と行くことができる、そして、撤去代はさっき見積もった金額よりも200ドル安い金額でできると教えてくれた。夕方来た彼と同僚は効率よく撤去を済ませ、新しいドアのサンプルも見せてくれる。前のと同じ木の扉だと、価格はこんな感じで納品もこのくらいかかるとてきぱきと教えてくれた。そして、最近はスチールのも良くなっていて、価格も半分で納品までの待ち時間も半分という。自分は店の30%オーナーで、昨日まで風邪で寝込んでいた、サンデイエゴからサンフランシスコに移ってとても気に入っている、週に一回は、車庫に突入したという電話が入るなどと、世間話をしてくれた。こんな愚かなことをするのは私だけかと思ったというと、最近はすることが多すぎて気をとられることが多いので、良くあること、けが人がなくて良かったという。

このやり取りを後で考えてみた。もしかしたら巧妙な営業かもしれない。本当は閑古鳥がないている店にたまたま鴨がねぎをしょってきたのかもしれない。でも、実に自然に実直で誠実な感じがした。時間を守り、一番高いものを売りつけようとせず、小ばかにする態度を見せないという簡単なルールで、高価な買い物を余儀なくされた私にこれ以上嫌な思いをさせずにしてくれたことに感謝した。消防士さんやガレージ専門店の青年に見習う点が私の商売にもたくさんあるように思った次第である。