Sunday, March 6, 2011

フェースブック

今年になってから長年連絡が途絶えていた知り合いや友人からフェースブック上で突然連絡が来ることが増えた。以前もフェースブックに登録はしていたが、使い方もよくわからなかったし、存在も気にならなかった。時折、フェースブック上で、長年不通だった友人から、元気かとメールが来る程度で、それ自体は悪い気分はしなかった。ところが、最近になってネコも杓子もとは言い過ぎでも、加速度的に利用者が増え続けている。ご存知と思うがフェースブックでは登録すれば、その登録者の友達関係が人目でわかる仕組みになっている。ここに私は抵抗感がある。こういうソーシャルメディアができるまで、他人がどういう友人関係を持っているのかとか、誰と話をしているのかとかいうことは全くのプライバシーの範囲であり、親しい友人の間でさえ自分から聞いたりしてはいけない領域だったと思う。それが、フェースブックではワンクリックで、その人がコンタクトをしている友人リストが目の前にいとも簡単に映し出されるのだ。先日も夜中に何気なく友人からフェースブックを使って送られてきたメールを読み、思いもかけない共通の友人がいることがわかり、気がつくと私は次々とクリックしていた。その時ハッとした。夜中に自分の友人の友人関係を次々と見ている自分に対し下劣な感じがしたのだ。誇れる行為ではなく、質の悪い好奇心だけではないかと。それぞれの人が築いてきた人間関係は、複雑であり、奇跡的でもあり、喜びも悲しみも沢山詰まったその人の歴史そのものだから、秘密も当然あるだろう。だからこそ、気を許している友人ですら、ここに勝手に踏み込んでしまったらその人を大きく傷つけてしまうかもしれないとして、最大限の敬意を払いあえて遠ざかってきた柔らかく繊細な分野なのだ。フェースブックをはじめとするソーシャルメディアは言論の自由が与えられていなかった国の人や、社会に影響を与える実質的な手立てを持たなかった人に、表現の場を与え続けていることは素晴らしことだと思うが、人間が大切に守ろうとしてきた価値を平気で踏みにじるような道具になり下がらないで欲しいと思う。というか使う側の問題だろうから、使い手の方がバランス感を持って賢明に使う必要があるだろうと思う。

4 comments:

  1. 友人の友人関係を覗き見と言う感覚は私にもあり、一度Facebookから脱会(?)したことがあります。でも、そこに情報を載せている以上は人に見られても構わないのだろうと割りきることにした。自分でコメントする時も友人の友人に見られても構わない内容しか書かないように気をつけています。

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  3. Soraさん、お気持ちよくわかります。

    Facebookは特に、本名が殆どだし、色々とリンクされていて、私も姪っ子たちに腹がたるんだ水着姿の写真を、彼女達のページで載せているんだけど、半自動的に、私のページにもリンクされていて、思いっきり公開されていたことがあり、フェースブック、恐いっ、気持ち悪い!と思ったことがあります。

    私も脱会してから、自分でエトランゼというSNSを始めたときに勉強のために、また登録して、でもやっぱりちょっと気持ち悪いというか、友達の輪もコントロールできないと恐いというか、本当に悪いように使えるだろうから害も多いと思います。実際、若いティーンの間では、Facebookを使ったいじめ、サイバー・ブリーというのがあるようですし。

    エトランゼ事体も、SNSである必要、あるのか、再検討中でしたのでSoraさんのエントリー参考になりました。
    エトランゼの性格上、このBloggerサービスだと、複数の人が投稿できるし、コレの方がいいのかな、なんて思っている今日この頃です。

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  4. 私もFBは基本的には好きではありません。自分のプライベートの部分に足を踏み入れられているような、妙な苛立ちや恐れを感じます。自分でポストすることはほとんどしませんが、一方で人のポストを目にしながら、はたして私がこんなことを読んでいて良いのかしらと思いつつ止められないことがあり、自分の醜い本性を垣間見るようで怖い。サイバー上からの印象があまりにも本人と実際会っている時の印象と違うことも結構あったりして。。

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