Tuesday, March 8, 2011

パリコレ!

先週から、パリ・ファッション・ウィークとやらが始まっています。
具体的に何のことかと言うと、各デザイナーさん、ブランドさんが今季用にデザイン・仕立てた服を見せるファッション・ショーが開かれたり、色々なサロン(見本市・展示会)が催され、世界からファッション・ウォッチャーや買い付け屋(バイヤー)が来て商談をする、こんなところかと。
そのため、会場となるパリの中心街は大混雑なのです。




これは、セレクトショップの老舗、コレット近くのガレージに、コレットとシャネルがコラボして特別開催しているお店。連日、クリエーターらがサイン会(シャネル・バッグに油性ペンでサインしちゃうらしいです。それがファンにとっては嬉しいらしいのですが、なんだかもったいない・・・)したり、何らかのイベントをされているようで。

そんな華やかな世界とは、普段無関係なパリの西外れ、16区に住む怠け象。(16区は、東京で言う世田谷的な場所)
今回は、ファッション・ディレクターのMille Feuille 佳代子さんに声をかけていただき、初のパリコレ潜入となりました。
待ち合わせは、ルーブル美術館のピラミッドの下。前回ここに来たのは結婚前だったような・・・。豚に真珠、怠け象にパリ。



Milleさんは先週頭羽田を発ち、ミラノを回ってパリに来られ、この日も朝からショー→サロン→ショー→サロン・・・と歩き回られて、私は後半だけ参加したのに、くたくた。華やかな仕事の影には重労働・心労は憑き物というのを再確認。
また、こういうお仕事はネットワーキングも不可欠でしょうから、お付き合いも沢山=もう本当に超ご多忙。
ファッションが好き、人と会うのが好き、このどちらもグラフ曲線が歳とともに下り坂な私には、Milleさんのエネルギーに脱帽です。そのパワーはどこから来るのでしょう。(Milleさんいわく、「生姜とロイヤルゼリー」だそうで。)



さて、サロンの出店は日本勢が沢山。三分の一がといっても大げさでないほどです。
殆どの皆さんは日本を基盤にされていて、このサロンのために大荷物を抱えてパリにいらっしゃるそう。オリンピック時同様、にわかナショナリストになって、「頑張れニッポン!」と心の中でエールを送る私。

サロン、どのクリエーターからも情熱が伝わってきます。オーラ師がいたなら、スポーツ観戦の時のような、「願いが一杯、希望が一杯」のオーラが出まくってるのが見えたことでしょう。

デフィレと呼ばれる、ファッションショーも色んなところで開催されています。折りしも、ディオールのデザイナー、ガリアーノが醜聞で首になり、ミニ・デフィレになってしまったとか。

みるさんのご友人バイヤーさんの話では、今は売り方というのが多様化していると。
例えば、ドルチェ・ガッバーナは、ショーのバックグランドのスクリーンに、Twitterで同ブランドについてつぶやかれているのを中継というのでしょうか、ネットから繋いで流し、そのストリームの多さを観客に体感してもらうことで、ドルチェの素晴らしさをアピールする、という方法をとったらしい。
なるほど、今の時代はそういうPR法、ありなのでしょう。



サロンからサロンへ、合間に、マドレーヌ寺院近くの都会の喧騒の中、突如浮き上がる、ベーカー・ストリートを発見。広くて静かなカフェにて一服。由美さん、素敵な脇道を教えて頂きまして、ありがとうございます。

最後の見物は一番ラグジュアリー・ラインのサロン、会場も、パーク・ハイヤットや、Mauriceなど初めて足を踏み入れる超一流ホテルでした。
でもその頃には疲れているし、何を見ても高いし、ちょっと食傷気味。このサロン、私にはロシア・中東・中国を狙ったものがセレクトされているように感じました。なんていうのでしょう、ギラギラ系、強い色系です。



さすが、Luxeなサロン、シャンパンもサーブされ、ほろ酔い加減で周りを見ると、みんなHarper's BAZAARのエディターかゲイか、Beautiful peopleと呼ぶべきか・・・、ちょっとサーカスの中にいるような気持ちになります。ちょっと銭臭いにおいも漂い・・・。

そんな酔っ払い象、Milleさんとの会話も私的なものに・・・。
「この先は、もっと人を育てるような仕事にも携わりたい」...ふんふん、向いてる向いてる。
「お金だけでない、もっと大切なものを伝えたい」...確かにこの虚構の世界にいるとそう感じるだろうなぁ。



するとな、なんとタイムリーというか、このサロンの主催者はある団体の募金運動に協力しているとかで、その説明スピーチがありました。ロシア出身のクリエーターが、The Sound World、医療インフラが未開発な国などに住む耳が不自由な子供たちに、ある種のインプラントを提供するための基金を設立し、今回はこの贅沢サロンに協力を得て、著名なクリエーターらに現代美術にを創ってもらい、それを競売にかける、という、頭の良いことを考えたらしい。パリコレといえば、世界のセレブ達やお金持ちが集まるところですから、ファンド・レイジングにはぴったり。
お金は天下の回りもの、上手に回して可能最大限の幸せをもたらしてもらいたいものです。

初のパリコレ潜入、Milleさん、貴重な体験をありがとうございました!

4 comments:

  1. とても臨場感のあるパリコレレポートですね。街をあげてのお祭りみたいな感じですが、ショーやサロンに入るのは特別な券が必要なのですか?ここに勝手に潜入してシャンパンとか飲めちゃったりするのですか?世界のお金持ちや、セレブに、現代美術とやらを高値で買ってもらって、それを違う場所に回すというのは、本当に良いアイディアですね!お金を払いたい人には沢山払ってもらうというのはとても良い考えだと思います。

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  3. そらさん、コメントありがとうございます。これだけ写真載せると、結構面倒くさいので、臨場感ある、というコメント、嬉しいです。

    今回は、Milleさんの御陰で潜入することができました。
    一方で、各受付で私にも名刺を出せ、というので「エトランゼ」の名刺、それも日本語表記を出し、「何している?」と聞かれたから「モノ書いている」と答えたら、プレス扱いになったり。ちょっとゆるすぎるところもありました。シャンパン付のは、Milleさんが招待状をお持ちだったから入れてもらえましたが、そうでないと水も出てきません!

    今日のニュースで、色々なセレブがカダフィーから百万ドルもらったりしているのに慌てて、募金したりしているのを読むと、お金の価値って、あるレベルを過ぎると少なくなっていくようで、そんなんだったら、その「レベル」を超えたお金を持っている人は、ないところへ回せ!って思いました。

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  4. 街中で盛り上がるのですね。路地もすごくきれいですてきです。お金、本当にないところへ回して欲しいですね。900億円から3兆円くらいの所得がある人が地球上に1000人くらいいるそうです。日本人も20人くらい。そういう人たちの精神レベルが高かったら世の中きっと変化するはず。ロシアのクリエーターのようなアイデアたくさん出てくるといいですね。

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