Monday, April 19, 2010

流浪の民

カタールの元隣人、メイからメールが来た。まだカタールにいるらしい。今既に40℃くらいになっているのかな?

メイの家族、アラビア半島の滞在、25年!
ご主人はニュージーランド人だが、子供の頃から転勤家族でシンガポールや北米で過ごしたらしい。メイは中国系マレーシア人でハワイ、アメリカ本島育ち。お嬢さん二人はアラビア育ち、今は二人してニュージーランドの高校・大学の寄宿舎生活。
アラビア半島は、サウジが一番長く、その他首長国も経験済み、今回のカタール赴任も二回目と、見事なる転勤家族である。
面倒見がよくって、サバサバしていて、気さくで、と、本当に素晴らしい隣人だった。あぁ、懐かしい!

私自身も結構色々な国に住んだ口である。アメリカで生れ落ち、イギリス、日本、アメリカ、フランス、イギリス、フランス、カタール、フランス・・・。日本でスチュワーデスをしていたときは+アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北米へと行っていたし、今後もまた海外赴任するかもしれない。

大学院の教授に、「貴方の帰るところは何処か、それが大事ですよ」と言われたことがある。Identityを失うな、と、一人でチャラチャラしている私を慮ってのアドバイスだろう。そのときから、いやそれ以前から、一つのところに根を下ろせない自分に劣等感があったような気がする。今は「帰るところ」は家族の元、そんな気持ちを持っていたことも忘れていた。

メイからのメールには、「ニュージーランドの海岸にセカンド・ハウスを買った。とても古い家なので、退職したらそれを立て直すのが楽しみ」とあった。仕事人生をエキスパットとして過ごし、海外赴任手当てを貯め、早めの引退生活は地元で、か。悪くないじゃん。そう、メイ夫婦はエキスパット族にありがちな「チャラチャラ」したところがなかった。もっと根源を、もっと遠くを見据えているような・・・。

いつかニュージーランドに行く機会があったのなら、メイ夫婦が、仲睦まじく、静かに暮らすビーチハウスを訪ねてみたい、そんなことを思った今朝のメール受信箱であった。

2 comments:

  1. lazyelephantさんもルーツについては考えるのですね。
    私の心は、何処が落ち着くべき場所か、長い間決められませんでした。
    私の不適応性ゆえですが、悩んだことは無駄ではなかったと思ってます。
    多くの文化の中に生きたという事実は、見る目を肥えさせ、比較する精神を養い、真実を見極める実力をつけます。
    そう、家族、家族がある所こそ根を下ろす場所だと信じます。

    ReplyDelete
  2. Third Culture Kids という本をご存知ですか(アメリカ)。多分、LEさんにとって興味深い内容だと思います。

    ReplyDelete