Wednesday, February 2, 2011

ソファンの話

私にはカンボジアに友人がいる。名前はソファン。年齢は私より幾つか年上だ。彼はポルポト時代に、自分以外の家族を目の前で虐殺されるという不幸を経験した。お父さんは空軍のパイロット、お兄さんは5ヶ国語が話す秀才だった。平和が戻ってからソファンもロシアへ留学しテクノロジーを学び、その後香港で英語を学び、帰国後はカンボジアの警察官になり45歳で警察をやめ、今はカンボジアの上院議員でガスのビジネスもやっている有力者に雇われ、フィクサーになっている。こんな運命を生き抜いた彼は強運の持ち主だ。警察時代、韓国のお金持ちがプノンペンで韓国人のマフィアに誘拐されるという事件が起きた。ソファンはたまたまその韓国人の知り合いで、奥さんから旦那を探して欲しいと頼まれたので、すぐにプノンペン市内の電話を逆探知し、主要道路を封鎖して無事に救出したらしいのだが、そのお礼にとプノンペン市内に部屋が6つもある豪邸をプレゼントされ現在そこに住んでいる。「公務員がいいのかよ、貰って」と思うのだが隠してないところをみるとOKのようだ。先月カンボジアに行った時も、ホテル、車、現地語の通訳など色んなことを助けてくれたし、それ以前の旅では、スピード違反で捕まったり、道すがら賄賂を要求されると、なんだかわからない言葉を駆使してトラブルを解決してくた。こんな感じの人だから、多くの外国人からも頼りにされている。ビジネスも忘れない。私にも不動産の共同投資をしようとか、ペッパーを育てよう、とか、マイクロファイナンスを立ち上げようとか、色んなことを言ってくるが、最後に、そんなにお金儲けしなくてもいいかもね?と言ってまた笑ったりしている。ソファンは服装についても気を遣う。暑い国なのにカンボジアの制服のような半袖のスーツを良く着ており、いつもアイロンがキチンとかけてあって皺ひとつ、汚れ一つない。ポロシャツの時ですら皺などない。立派なのだ。皆さんもカンボジアに行かれる時があれば言ってください。ソファンを紹介しますから!人と知り合うのは神様のくれたギフトだというのが彼の説だから、きっと良くしてくれること間違いなしです。

2 comments:

  1. ソファンさん、とても魅力的なキャラクターですね。本を書いたらいいのに。

    何年か後にSoraさんにお会いしたら、ソファンさんをしのぐ、東南アジア総監督になっていそうです。たのしみ!

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  2. ソファンは本当に面白いのです。また、いつかソファン続編を書きますね。もう、ネタが一杯なんです、彼は。。

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