Friday, January 7, 2011

天地明察

今日は言うのもはばかれるほど怠惰な一日を過ごしています。パリは春の様な暖かさで、午後2時現在12度。
朝は二度寝し、起きているときは食べているか、本を読んでいるか、その両方をしているか。
それもこれもメチャクチャ面白い本に出会ってしまったから・・・もう止まりません。

「天地明察」、昨年の本屋大賞とやらを受賞した本。著者は沖方丁(ウブカタ、本当は三ずいではなくニすい)、77年生まれの若人です。
渋川春海という江戸時代に初めて日本独自の暦を作った人の話なのですが、ちょっと(ちょっとだけです)ウンベルト・エコー的な、アカデミックで歴史と人間ドラマが絡みあう、そんな感じの史実ベースのフィクションです。
大好きな算術、自分の才能の僅少さに絶望しながらも、それでもやってみよう、人生をかけてみようとする、22歳の渋川がさわやかです。そしてそれを援助、奨励する先見の明ある人々(含む水戸黄門様)。ベンチャーとエンジェル達の原型的な側面あり、真理を追究する学者さん的ロマンあり、とにかく、読んでいて前向きエネルギーを与えられます。

そして、この作者もすごい。
マンガ、ゲーム、小説、アニメ、メディア何でも来いで書きまくっているようです。今の時代そうでなくちゃ。Go Go!

またアイデアの泉の豊かなこと!
まず、暦に着眼なんて。それも高校生のときに思いついたらしいですよ。
暦なんてあって当たり前、深く考えたことなかったけど、なるほど、そこには生活の基本が宿っているし、どうやって、一年365日、4年に一度のうるう年があって、というのを精密な計算機も、測定器もなかった時代にはじき出したのか。グレゴリー暦以前の日本の暦事情にはあまり注意を払っていませんでした。

まだあと三分の一残っているのでどうか、終わりでがっかりさせられませんように、と願うばかりです。
ということで、不真面目な金曜日を真っ当させてもらいますので、悪しからず、これにて失礼!

どうぞ良い週末を!

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