Saturday, October 30, 2010

森は生きている



3週間ぶりでしょうか、いつもの田舎に来ています。

先ほどは、裏の森へ、セップ茸(ポルッチー二、上の写真です)を取りに出かけました。

前回来た時は、真緑の森のグリーンパワーにリフレッシュしましたが、(下の写真)



今回は、この写真の上の方の緑の葉が、黄葉となり、地面一面は松と栗の葉の枯葉で埋め尽くされていました。写真のコードを持ってこなかったのでダウンロードできませんのでイメージしてください。

一面黄金色の壁と、地面の渋い落ち葉色のコントラストが、圧巻の美しさでした。
湿った腐葉土の臭いにキノコの豊香が混じり、「あぁ、秋ね」と独りごちてしまう・・・。

この季節はキノコやら栗やら目を皿にして探しつつ、そしてナメクジをよけつつと忙しいのですが、って、このナメクジがすごいんです。日本のとは違いますよ。肉厚で(ごめんなさい、気持ち悪いですよね)、大きくってしっかり茶色いの!うっかりすると落ち葉と間違えちゃう。カメレオンだけじゃない、この成りきり方のレベルの高さ。

閑話休題。

きのこ、きのこ、と探す、欲張りキノコ婆さん、ふと目をあげると、黄金色の木々がそよいでいることに気づき、その自然の奏でる音楽に心が捉えられます。
天を仰ぐと、先月より葉っぱは随分落ちてしまったようで、少し空が見えます。先月までは、緑の天井で、時たま光のカーテンが降りる、幻想的な瞬間もあったけど、今日は秋晴れの空が見える。
視線を遠くにやると、何処までも続く木々が身体をゆするように揺れていて、そうそう、ここは生命体の共有地なのよね、と実感します。落ち葉はふかふかのクッションのように積もっていて、少しずつ土に戻っていく。拾い切れなかった栗も虫が食べ、やがて朽ちて土になる。美味しいキノコも毒キノコも土になる。

そして先月と同じように、亡くなった友人の声が聞こえます。
・・・って大丈夫ですよ、ホラーへ話が展開するのではありません!

風のさわさわとした音が、彼女の静かでハスキーな声に似ているなぁ、なんて思っていると、彼女がそばにいて、「フランスの秋はいいよねぇ」とか、「自然の中にいるのが一番休まるわ」なんて言っているような気がする、それだけです。そう思うと、心が慰められる、それだけのことです。

秋は優しい季節だと思います。

3 comments:

  1. 住んでいる場所の近くに森があるなんて素晴らしい住環境で羨ましいです。私もブーツでもはいて森を散歩してみたいです。キノコといえば、そちらに松茸はないのでしょうか。今年日本の松茸は不作との話でしたが、最近雨が続き、巨大な松茸が出てきているそうです。高くてそうそうは食べられませんが、松茸の土瓶蒸しなどやはり食べておきたいです。ところで、森で彼女の声が聞こえたとのことですが、昔読んだ本で、森に行くと人間の右脳が活性化されて風の声や地球の声が聞こえるようになるとアメリカの脳学者が言ってました。私も右脳の活性に森に行くような生活がしたいです。

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  3. そうだったのですか!確かに、森に入って5分ほどすると、「静寂の音」みたいなものが聞こえてきるような気がします。面白いですね、人間の脳って。

    本当に、森に行く生活がいいですよね~。夫も、「何故わざわざあの醜い人々のいさかいが待っているパリに帰らなくてはならないのだろう」と帰路に着くたびに嘆いています。私としては、義理両親の家なので、その気疲れもあり、あまり長くいると折角の森でのリフレッシュ効果が消えてしまうし、何事も良い面とそうでない面があるんだ、と慰めにならない言葉を掛けています。

    松茸、私も探してみたのですが、見当たりません。松の木も一杯あるので、ひょっとしたら、と思っているのですが。
    こちらでセップ茸の力強さを味わい続けると、贅沢なもので、やっぱり松茸の、あの繊細な香り高さがいいわ、なんて思ってみたりもします。

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