Sunday, September 5, 2010

ブック・クラブのお勧め

本や漫画を読んだ後、備忘録かのようにその感想を当ブログやエトランゼに書いていますが、すると、他の方から、同じ本について別の反応があったり、「じゃ、この本もお好きかもしれませんね」と知らない本を教えてもらえたり。
このやり取りがとても面白い。人の感じ方、観点がこんなにも違うのか、とか、自分が見落としていたことを気づかせてもらえたりとか。

さて、ちょっと前に生物と無生物の間という本について書いたことがあります。

生物学者の福岡伸一さんの本です。内容をアマゾンから引きます。

「内容(「BOOK」データベースより)
生きているとはどういうことか―謎を解くカギはジグソーパズルにある!?分子生物学がたどりついた地平を平易に明かし、目に映る景色をガラリと変える。
・・・とのこと。

先日、この本を読んだ友人と、感想を述べ合いました。
彼女は本、漫画の師匠で、若いのに本当によく読んでいる。そして意見がウニョウニョとした曲線のように、私と接点があったり、異なっていたりで、いつも、お互いの感想のピンポン・ゲームで盛り上がります。

さてこの本、ワタクシ、読んだ直後は感動したのですが、生物という、一番苦手な分野だったこともあり、今やかなりぼやけた記憶しか残っていません。
確か、すい臓の遺伝子を取り除いたネズミを作り、すい臓のファンクションを確認するというのをやったら、な、なんと生まれてきたネズミは健常なネズミと同じであった、と。ということは、生物は身体の欠けた部分を補正する、他の内臓が欠けている内臓の役目を兼任することが可能?ということ。
それと細胞が常に変化している話とか。
神秘的な話でした。

さて、友人の感想はというと、この細胞の話について、もっと深く哲学的な受け取り方をしています。
福岡氏は、細胞について、どう説明していたかいうと、要約できるか自信がありませんが、やってみます。

人の細胞というのは、常に新陳代謝をしている。この瞬間の細胞と、次の瞬間の細胞は、外見が一緒でも、中身が別のモノである。今の私と一秒後の私は、同じ人間のようでいて、細胞ベースで考えると別の人間。

友人は、この部分が、「目から鱗」だったと。

彼女はこの事実を知り、人間って、じつは実体がないもので、或るエネルギーのようなものが中心にあって、何万、何億という細胞を集めている、(私は話を聞いて、磁力が蹉跌を呼び寄せホールドしている状態をイメージしたのですが)そんなことを思ったと。そうなると、人間の存在と宇宙の関連性が見えてくるような気がした、と。

宇宙の星も惑星も或るパワーが浮遊物を呼び寄せている状態なのか、これは彼女の話を聞いていた私の連想。

実は、最近まで、星の住む闇の世界が怖かった私ですが、このところ、急に親しみを感じるようになりました。そして、もっと星の世界を知りたいなぁって。
折りしも、彼女との会話が宇宙に及んで、人間の、生命の神秘と絡まる。

生と死の理由を誰も明確に説明できないといいます。
「それでいいじゃない」、と怠け象の私、普段は思っているのですが、時々、やっぱり知りたい、と思ったり。
そんなときは、星の世界にトリップしてごまかしちゃおう、と企んでいるのです。
(プラネタリウム、大人に人気なんですってね。皆考えることは一緒?)

ちょっとした話から、色々イマジネーションが広がる。
読書感想交換会、お勧めですよ!

2 comments:

  1. 私も、福岡伸一の本は結構好きです。彼の最近の著作で、「世界は分けてもわからない」を読みました。こちらも、生物と無生物の間に劣らず面白かったので機会があれば是非ご一読を!それにしても、彼は分子生物学者ってことですが、どうしてあんなに文章がうまいんでしょうかねぇ。羨ましいです・・・

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  2. 本当です、彼の文章は美しい。詩人のようですよね。サイエンス系の学者さんて、行き着くところが哲学的で、ロマンティックな人が多いような気がします。世界は分けても・・・、ブックオフで探してみます。そらさんのおかげで、読むジャンルが広がりつつあります。ありがとうございます。

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