先週末、パリでは、普段は一般にはドアを閉ざしている重要建築物が無料で公開される、Journees du patrimoine というフェアが催されました。Hotel particulierと呼ばれるお城みたいな古い家や、政治関連の建物なども公開されるという、文化度高いフェア。
怠け象一家の我が家も、のっそりと腰をあげ、行った先は、歩いて5分の旧区民プール跡。
ここは1996年までは、プールとして使われていたのが閉鎖され、あと数年の間には改築されて、また区民プールとして営業再開することになっているらしいですが、何故、20年も間を置かなくてはならないのか、よくわからない。今使いたいんですけど、プール。パリに長く住むと、色々「何でかわからない」ことがあって、そのうち疑問に思わなくなってきます。よくないですね~。
これ、グラフティーアートってヤツですか。ここまでこういうポップアートで埋め尽くされると圧巻です。
夫は、「こんなのアートじゃない。だって、美しくないじゃないか」と。
私は、どう思って良いのか、わかりませんでした。圧巻であることは存在意義があるということなのか、この美しくないのが今の時代の象徴なのか。でも、希望やメッセージを感じないものはアートなのだろうか。う~ん、わからない。
そんな中、昨日はアート研究者である友人とランチをしました。このプール跡について話すと、「グラフティーってさ、スラムや、本来描いては駄目なところに描かれるから、メッセージがあるっていうか、見手は描き手の怒りやフラストレーションを感じるもので、『さぁ、どうぞ。こちらで描いてください』ってなると、意味無くない?」と明快なるご意見。
うん、確かにそう。
グラフティーって、あの落書き部分だけがアートなんじゃなくって、その壁、街全てと一体化して初めて、人の胸を打つものになる。プール跡、圧巻だったし、驚いたけど、それだけじゃ、アートじゃない・・・・、とりあえず、私の中ではそういう結論となりすっきりしました。
皆さんはどう思われますか?
グラフティーアート、ポップアート、現代アート。まだ心に残るような感動するものに出会ったことがありません。こんな感性鈍い私にも届くようなアート、ご存知の方、ぜひ教えてください。
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