Monday, September 20, 2010

パリのPTA

金曜日の夕方、子ザル達の幼稚園の父母会に出席しました。

パリの幼稚園は、Ecole(学校)Maternelleと呼ばれるので、幼稚園というよりは、英語でいうプレ・スクールという方が近いようなところで、例えば5歳児は読み書きも習います。また小学校が併設されているところも少なくなく、場所によっては、給食や校庭を小学生と一緒にするところもあり、日本の幼稚園と比べるともうちょっと大人(?)な場所です。公立、私立あまり大差ないカリキュラムかと認識しています。

さて、父母会。拙宅は年長組と年少組がいるのですが、そんな親への気配りなく、同時間帯に会が催されました。年少組の先生はよく知っている方なので、欠席させてもらって、年長組に出席。親御さんの出席率は1/2くらいでしょうか。開始時間が17時というのは、やはり無理があったようです。せめて18時くらいでないと働いている人は無理でしょう。
息子のクラス、初めて見ます。普段の送迎は中庭で行われ、そこから先は親は入ってはいけないことになっているのです。そういえば、給食を食べる食堂も見たことない。図書室もあるらしいけれど、ここも見たことない。昨年一年、長男猿が年中組で通いましたが、一度も、親の学校見学の機会はなかったなぁ。
そして、ミーティング。ベテラン先生が良くしゃべります。親御さんたちは黙って聞く。
「質問ありませんか」
「し・・・・ん」。
日本的でしょう?フランスの教育についてある記事を読みましたが、ここフランスは日本同様、人前で自分の意見を言うという訓練をされていないようで、この父母会でもそれを確認しました。で、申し訳ないんだけど、先生も、よくしゃべるんだけど、的を得てなくって、それでも、最後にまとめて、ポイントは教えてくれるのかと待っていたけれどそのまま終わってしまいました。結局、この一年のゴールは何とか、病気の時はどういう処置まではしてくれるのかとか、一年のプログラムのマイルストーンとか、何もわからずじまいでした。聞けばよかったのかなぁ、それともかき乱さなくて正解だったのか。別に機会に聞けばいいか、ってそんな機会はあるのだろうか。
「皆さん、お子さん達よりお静かね。まぁ、質問等あったら、パリ市が配る小冊子に色々書いてあるから、大丈夫ね」、と先生は明るく〆め、やんわりと親達を遠ざけたけど、そんなパリ市長さんが表紙の小冊子通りに、そんな画一的なプランで、千差万別の子供達を一括りできるものなの?

とにかく、園児の学校生活、あまりわからない。
二年目に入って、何となく感じる日仏の違いは、フランスにおいては先生と生徒間には距離があって然るべきもの、先生はあくまでも目上の方で、親近感を持つべき対象ではない、もちろん皆がみんなそうではないと思うけれど、其の傾向が強いように思われます。よって、子供目線で話してくれる、とか、期待してはいけないような・・・。実際、先生によってはあまり人懐っこくされるのを敬遠される方もいらっしゃるようだし。そして、親の参加を好まないところがあるような。昨年一年、親の参加を求められたのは、クリスマスと学年最後のお遊戯大会の見学(どちらも5分で終わる)だけでした。そして、先ほど書いたように、子供の学園生活を見せてもくれない。親御さんたち、皆働いているからそんな時間は取れないでしょう、という前提がゆえかも知れないけれど、子供の日常をもうちょっと知るのは親の義務という気がします。

日本だと、先生は威厳を見せるよりは、子供のような話し方してでも、子供の信頼感を得て、時には母(父)親のような温かみを見せて、親近感が大切、というところがあると思うのですが。また、手作りバッグ、お弁当、父母参観、運動会、エトセトラ、親の参加を過剰なまでに要求している昨今では。どうでしょうか。

フランスは先進国の中で稀な、多子化している国で、その理由の一つに、母親(あえて母親と言わせてもらいます)への負担が少ないインフラが整っていることがあげられます。出産したら3ヶ月から保育所に入れられるし、ヌヌと呼ばれる乳母さんも比較的簡単に見つかるし、其のあとは、幼稚園時から学童があって8時過ぎから18時過ぎまで預けられる。働いているお母さんには有難い仕組みです。実際、休みのときの学童とか、キャンプ(林間・臨海学園みたいな)のとか、よくコーディネートできていると感心しています。

でも!!と敢えて、ヒステリックおばさんになって言いたい。
本当にこのシステムを信頼していいのでしょうか。不透明な学校生活なのに、何を根拠に信頼したら良いのでしょうか。まるで、インフォームド・コンセント以前の医療のような、何もわからないうちに手術されるような不安感があります。いい先生がいれば悪い先生もいるでしょうし、3人子供が寄ればいじめもあるだろうし、いじめも、目に見えるいじめと、そうでないレベルだけど、或る子供には深く傷つくことだったりするだろうし、それをこの自己犠牲という四字述語を知らなさそうな、クールな先生方はどう対処されるのでしょう。
パリでよく聞くセリフ、「セ・パ・マ・フォートゥ(私のせいじゃないから)」、もし先生方もこういうメンタリティーを持っていたらどうしよう・・・・。

子供を24時間見守ってあげられないのはわかっているけれど、過干渉したくないけれど。でも私の感覚ではフランス式子育てはちょっとリスクが多すぎるような気がする今日この頃です。

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