Monday, April 4, 2011

ZEN!


なんだなんだ!これはどこだ?!

なんと、パリの拙宅の洋間ですよ~。畳も座布団も友人のみほさんが持ってきてくださり、我が家のまな板から、箱の蓋なども総動員して作り上げました、にわか茶室。中々ではありませんか?

侘びすけならぬ、セーヌ川沿いの花屋さんでみつけられたという、カメリア・ジャポニカも先生の手にかかれば、しっとりした趣の茶花です。


先生ご持参のお軸も掛けられて



お濃茶用の干菓子の美しさに、涙が滲んだのは、東北地震が起きてから日が浅かったせいでしょうか。このときはまだ被害の規模もわかっていませんでした。刻々と伝わってくる事の悲惨さに息苦しかった頃です。
(干菓子 京都北野 老松、お抹茶 大阪 石本川口軒)



薄茶用の生菓子の愛らしい丸さ!そして美味しかったこと!こういうときは和菓子のシンプルな甘みが身体に、心に染み入ることを知りました。中は黄身餡でしたよ~。
(主菓子 西王母  高輪 玉川屋惣八)



うちのうなぎの寝床みたいに狭いキッチンが水屋となり。「撮らないで、こういうところ」といわれましたが、先生の太陽のような笑顔、載せずにはいられません。



厳かにお茶を点てて下さったのは、中澤宗寿先生。日本から文化交流のために来仏されました。一週間の短い滞在中に、日本が大変なことになり、在仏邦人は大慌てしていました。そんな中、「ニュースを見ない時間を作ろう」と皆さんTV画面から身をはがすようにして、即席茶席に集まり、しばしZENの世界に同席しました。お茶を立てている間は、先生のご友人の佐藤真由さんがバス・フルートで幻想的な演奏をしてくださり、静寂なる音楽に、心の糸が少し緩められました。真由さん、本当に有難うございました!
そして中澤先生、今一度御礼を申し上げます。大変なご準備をしていただきまして有難うございました。


「こういう状況の中、静かなひと時の中で、静かな気持ちで日本を想うことができてよかった」
とは、この茶席に出席した友人、みおこさんの一言。


まさに、私の今朝の心境です。


昨日のパリ・オペラ座でのバザーは大・大・大盛況でした。詳しくは色々な集計が出たらまたこちらでも報告します。微力ながらも参画させていただいて、そして皆様よりご協力いただいて、感謝の気持ちで一杯です。

そんな昨日でしたので、今朝は、嵐の後の脱力感というか。

今日は、静かな気持ちで、被災者の方が、日本の皆様が一日も早く元気になられることを祈りながら過ごしたいと思います。

3 comments:

  1. お茶の時間すてきですね。かわいい和菓子に、和の空間に、静かな時間が流れているのが感じられます。こういうときだからこそ、こんな穏やかな心でいられたらいいですね。

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  2. パリでお茶とは素敵ですね。そして、この先生も中々素敵です。畳まで持ち込んで和の空間を作るなんていう発想は、昔大好きだったドリフターズの8時だよ、全員集合のセットのようで、とても面白いです。次回は是非、屋外で赤い緋毛氈(ひもうせん)を敷いて、野立てを楽しんでみてください。

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