Monday, August 9, 2010

グロい話にグッバイ

もうやめよう、と思いつつ、読み続けている桐野夏生さん。「I’m Sorry Mama」、「残虐記」、その他探偵ミロシリーズ・・・猟奇的、絶望的、変質狂な話がでした。

そして先ほど読み終えたのは「東京島」という摩訶不思議、というか不気味な本です。アナタハン事件をベースにした話らしい。
子猿たちが寝付くまで、部屋の外で本を読んで待つ、という役に立っているような、別にママがここにいてもいなくっても同じでしょ、って感じの悪い習慣が、一週間のコート・ダ・ジュールの旅から帰ってきた途端に再開していて、今夜もそんな暗がりの廊下で、あまりのグロさに斜め読みしちゃいました。やがて聞こえてくる「寝てるときは天使(!?)」の子供達の健やかな寝息を確認しながら読むのに、これ程ふさわしくない本はなかったと思います。

それにしても、桐野さん、なぜここまでグロテスクな話が好きなの?と聞きたい。(と、思って調べるとインタビューがありました。ありがとう、インターネット。)
多くの小説に登場するのが、品位とことん低く、言葉使いがとことん乱暴・凶暴な女性。そして偏執的な肉体関係。「東京島」は登場人物全員良心ゼロの人間でした。
無人島に行くとそうなってしまうのか。これが人間の本性なのか。
私は、そういう人も多いでしょうが、そうでない人もいると信じています。

桐野氏の本、大体の作品においても、悪い人間、弱い人間、病んでいる人間が沢山登場します。

だからと言って、暗いか、と言われればそんなでもない。暗闇の中で錆びきったナイフがぎらりと光るような生命力を、前に行こうという欲を感じさせる終わりが多いです。
でもグロい。ハードボイルドの独特の爽やかさもない。

前述のインタビューで
「(前略)人間は生きるために物語を必要としているのではないか。だから、小説家の自分も、誰かが欲する物語を書きたい、と強く思うのです。」
とありますが、私としては、次回作はもっとお手柔らかに、彼女の書くハッピーエンドや、セックスや暴力がない話を読んでみたい。セックス・暴力・偏執、といった手段を使わずに物語を書いたら、いつも以上に強い感動やメッセージを伝える小説になりそうな、そんな予感がします。

ということで、桐野夏生の本は、借りたの、日本で買ったの、全部読んだのでしばらくお別れしようと思います。ちょっと中毒性あるから、さて絶てるかどうか。

次はお勧め頂いた漫画、モンスターというのと二十世紀少年に行きます。漫画はすぐ読み終わっちゃうのが難点ですね。
本、漫画、面白いのありましたら教えてください~。

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