Saturday, September 26, 2009

パリの子育て

パリの共働き家庭の子育て方は色んな人に仕事を分担させるのが特徴と言える。

生後6ヶ月頃から保育園に預けるか、ヌヌと呼ばれる乳母さん(多くの場合、アフリカ諸国の外国人等)か、お祖母ちゃんが駆り出され、お母さんが働いている間、幼児の面倒を見る。
お母さんはキャリア志向の人なら、サバイバルするために夜9時、10時まで残業、休日出勤もする。働かないフランス人、という一般的な印象は当てはまらない。
でも働いてばかりではない。多くのカップルは「たまには子供抜きで・・・」と結構頻繁に夜お出かけする。バカンス中も一週間位は子供を両親のメゾンドカンパーニュに預け、夫婦だけで小旅行する知り合いも多い。
言うまでもないが、添い寝など、始めからしない。母乳も日本ほど浸透していない気がする。お風呂も一緒に入らない。ご飯も一緒に食べないことが多い。子供はマナーが身に付くまで台所で、大人はダイニングで、というのを良く聞く。

余談だが、道端で見かけるフランス人お母さんは砂糖菓子のように甘い言葉(「私の宝物ちゃん」「私のハート君」etc.)で子供に話しかけているかと思うと、次の瞬間には宝物ちゃんのちょっとした悪さに、ヒステリックな声を張り上げて怒鳴りつけていることが多い。もし日本で、同様にお母さんが感情むき出しに子供に怒鳴っていたら、「あの人、大丈夫?」「恥ずかしいね」って思われるのではないだろうか。あれが僅かなる子供と一緒にいる時間だとしたら、何だかやるせない。

私は自分が放任主義の親の元で育ち、そんな環境だったからか、外部の方々から多くのものを学んだし、本にも食いついたので、子は親がなくても育つ、と思っている。周りを見ても、親べったりで育った人とそうでない人の差はあまりないような気がするし。よって安全な環境なら良いのではないか、心身ともに健康な子供ならば、パリ式も良いのではないか、と思っている。

しいて言えば、親はもっとスキンシップしたくないのかな、と思う。ほっぺにキス、というのは日本にはないスキンシップかもしれないけど、そんな瞬間のものより、あの湯水をはじく、きめ細やかな肌や、汗くさいけど何故か愛しいにおい、清水のような涙の味など、いつまでも味わっていたいものなのだ。

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