Tuesday, September 22, 2009

桑田さん、エトセトラ

私は桑田佳祐の大ファンである。時折、Youtubeで桑田さんのビデオクリップを観ては幸せに浸っている。
桑田さん、昔はロックと日本語の相性が悪いからと、歌詞が英語だけのアルバムを出すなどしていた。以前書いたように、サザン、桑田さんは「私の日本」であって、海の歌であれば鎌倉湘南を思い出すし、夜の世界を歌ったものだと新宿、渋谷をイメージする。外国人が聞いたらどんなイメージを持つのだろう。(我が夫はクラシック以外は苦しそうな顔をするので参考にならず。)

逆方向だが、日本文学については、英訳本をいくつか読んだことがある。日本語の原本と比較すると、やっぱり落ちるな、と思った。夏目漱石のはんなりとした温泉宿の春の情景(記憶あやふや、私だけがそうイメージした可能性大)、川端康成のしんしんとした冬の静けさなど、伝わって来なかった。井上靖のしろばんばの出だしが大好きなのだが、まるで違う情景となっていた。村上春樹は英訳しても同じに感じた。

昔、カズオ・イシグロの「日の残り Remain of the day」を読み終わった時、何とも不思議なことに日本を感じたことがあった。イギリスの執事がナレーターとして話をしているので、超英語的な世界なのにである。あの本では情景的な部分がキーというか、こういう背景で、こういう時の流れの中に、こういう感情の動きがあって、という話だと、一人勝ってに受け取ったのだが、そういう表現の仕方が、全体から汲み取ってくれ、という日本的なもののように感じたのだろうか。

とにかく桑田さん、いつまでも元気に歌っていてほしい。

1 comment:

  1. Kasuo Ishiguroの小説はまさに日本人がたまたま英語で風景を描いているという感じだと思う。

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