Monday, August 10, 2009

On the beach

ずっと前のJubilancerさんのブログに、「気分がふさいでいたのを見て妹が映画に連れ出してくれたわ良いがその酷く暗い内容に逆効果だった」といったのがあったと思うが、先日、私も同じ体験をした。

ふさいでいると言うよりは単なる夏ばてだったのだが、夫は当り散らされる前に手を打とう、とYoutubeで私が好きなグレゴリーペックの映画を見つけてくれたのだった。あまり気乗りしなかったけど折角だから観たその映画は「On the Beach」と言うタイトルの1964年の映画である。ご存知だろうか。タイトル通り雰囲気は結構明るいのだが、筋書きは・・・。

架空の世界核戦争が終わり、北半球は既に放射能で汚染され全滅、潜水艦に乗っていた米国海軍のグレゴリーペック率いるクルーはオーストラリアに着く。そこもあと半年以内に放射能の風が来ることが予測されている。住民、クルー、みんな死の影におびえながら、お互いを支えながら、戦争のバカさ加減を恨みながら、「こんな運命、納得いかない!」と怒りながら、なんと最後には皆死んでしまうのである。暗い!そして末恐ろしい。核兵器の驚異を語りながらもその意味するところを現実的に把握していなかった自分を知る。こういう映画をアメリカで60年代に作ったなんて、誰がスポンサーしたのだろう。アメリカは色んな意見が共存していて、そういうところは本当に素晴らしいと思う。

さて見終わったのは夜中過ぎ。ブラックホールのように心の中に広がる暗い暗~い闇を夫とともに笑い飛ばすがお互い未明まで寝付けなかった。「ごめん!気分転換になるかと思ったんだよぅ」という夫。不思議なことに翌朝はすっきりした気分で目覚めたから、ある意味、成功したようだ。ショック療法のようなものだ。

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