Sunday, June 19, 2011

東京法務局

この数カ月、諸用が重なって千代田区の九段にある東京法務局へ行く機会が多い。法務局はご存知の通り、土地の権利の移動があったり、会社を設立したり組織の変更が合った時に登記という形で、公的に変動状態を記録する役所である。言うまでもなく、この登記を行うことで、誰もが自由に不動産や会社の権利の変動を公的に記録することができ、また、知らない相手と取引をする場合にも、法務局に行って登記を確認すれば、不動産の権利者が誰かとか、会社の代表権を持つのは誰かなどを知ることができ、結局のところ国民の取引の安全を登記制度という仕組みで担保してくれている大切な役所である。東京法務局というのは法務局の中でも最大で、管轄地域の中に千代田区や中央区など日本の多くの会社が集まる区を含んでいるので、とても賑わっている。私はこの東京法務局が気に行っている。役所なのに、職員の1人1人がきびきびと働いていて、相談ブースでは整理券を発行して順番に、株主総会の議事録の書き方から登記申請書の書き方まで事細かに教えてくれる上に、何しろ「お客様の場合は・・」と質問者をお客様と読んでくれるのである。震災から100日経ち、放射能の問題はまだまだ深刻な状態に変わりない日本であり、局所的に機能不全に陥っていることは事実であるが、日本の政治の中心であり商業の中心でもある東京のド真ん中の役所が、多くの客を手際よくさばいて賑わっている様子を見ると、何とも安心するのである。3月の震災時には全ての機能がほぼ停止しまった東京を経験したせであろうか。多くの商取引を担保するための役所がきちんと機能しているという当たり前の事実をこの目で確認すると、安堵するのである。こういう気持ちは震災以前に抱くことはなかった。震災は様々な日常のありふれた出来事を違った視点で見るということを教えてくれている。

1 comment:

  1. 本当、何故か嬉しくなる話です。ちゃんと機能していることが前提なのに、いつの間にかそれを期待しなくなっている。外国においては益々そうです。震災後のニュースはがっかり・唖然とすることばかりですものね。その中でもちゃんと働いている人がいるというのは、ほっとします。

    私も先日仕事で知り合った方が、とても優秀で、色々考え、洞察も深い。「日本にもこういうしっかりした方いて、静かながら、前向きに働いているんだ」と、ほっとしました。

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