Tuesday, June 28, 2011

記憶の波

昨日は、何ヶ月に一回訪れる、「無性に楽器が弾きたくなる」日でした。

ちょうどピアノの蓋が開けっ放しになっていたので、適当にピックアップした楽譜「ブルグミュラー」(わかりますか、私のレベル)を何曲か弾いてみる。音楽って面白いですね、「あ、このメロディ覚えてる」「あったあった、こんな曲」ってずっと忘れていた子供の頃の記憶が戻ってきます。指は面白いように動きます。脳より指が覚えている。あんなにサボってばかりいたピアノなのに。(安藤先生、お元気でしょうか~。ピアノのレッスンよりも貴女の美しい横顔ばかり覚えてます。)

中でも、アラベスクを引いたとき。
ピアノやってた方なら覚えてらっしゃるでしょうか、アラベスク。右手がラシドシラ、ラシドレミッ、っていうあれです。左手の和音がラドミで、ジャ、ジャ、ジャ、ジャ、ってやるのが、時折、ラレファになったりする。そのパターンを繰り返すのですが、あるとき、ラレミになるところがあるんです。そこで引っかかった。
そのとき、「あぁ、子供の頃も、この不協和音がすごく嫌いだった、で、いつもここで詰まっていた!」って鮮明に思い出したのです。ひいてはその音符の配列まで目に浮かぶように思い出しました。ラレミのレとミがぶつかるからずれてくっついているんですよね、それが子供心に「美しくない」って思ったことなども。
この衝撃。
思い出が、記憶が大波となって心臓を覆ってくような息苦しさです。

近年時々、こういうのがあります。これが歳をとるってことなのでしょうか。むせ返しそうになるほど、ノスタルジックになってしまう。だとしたら、年取るのって悪くないな、と思います。単なる記憶も愛しくなってくる。

そんな今日のオマケは「遠い街角」By 桑田さん

音楽っていいないいな。

4 comments:

  1. ブルグミュラー、懐かしいです~!アラベスクを弾くのが憧れでした。ブルグミュラーって本当に印象的な短い曲をたくさん作って、すばらしいですね。私は「素直な心」がすきでした。

    音楽が感情をそのまんまカプセルのように包んで、心のどこかにいれられているようですね。その響きで思い出す感情、香り、情景、一瞬で思い出しますものね。
    子供は子供なりにひっかかる理由があったり、さぼるわけがあって、でもピアノレッスンではそれをうまく表現できずにいました。そういう浮かばれない感情がたくさんカプセルに入れられて心にしまわれてきたような気がします。

    友達のピアノの先生は、練習をしてこない生徒に、「じゃぁ今ここで練習すればいいね」と言っています。こんな風に言われていたら、もっと続けられたなぁと思います。

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  2. Nemoさんもブルグミュラー経験者なのですね。他の方からは、「貴婦人の乗馬」が好きだった、とコメントがあり、皆、嫌だ嫌だとやらされていたピアノのお稽古もそれなりに思い出なんだ、と気持を共有できました。「素直な心」ってどんなのでしたっけ?私が今持っている教本はフランス語なのでそれらしき曲を探してみます。原題が何であれ、「素直な心」ってきれいなタイトルですね。

    ピアノのお稽古、私も嫌でした!一度なんか、ピアノに鍵掛けて、その鍵を庭に捨てて「練習できないから休む」と言い張ったこともありました。でも、何故かばれていて、母は庭に捨てたことまでお見通しだった。あぁ、母は恐い、と思ったのを思い出します。

    そんな私が、大人になってピアノを買ったことを知って、母があきれていましたが、その気持もわかります。あんなに嫌がってた癖に、って感じですよね、母にしてみれば。

    今は子猿達がお稽古を始めました。まだ片手でドレミのノリですが、玉に先生が伴奏で両手でさらさらって弾かれるときに、その美しさに驚いていて可笑しい。
    そんな時、母猿は、「そうよ、こんなにきれいな音を奏でることもできるんだから、頑張って」と巨人の星のあきこ姉さんのごとく、ドアの影で願うのです。どうかカーマとならないように!

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  3. 「優しい気持ち」だったかな?あいまいです。
    ピアノの鍵を捨てる!そうとうなやり手でしたね。
    私は駄菓子やに駆け込み逃げるところを姉にみつかり出頭しました。なかなかさぼることはできません。
    バイエルの両手のはじめごろ、音階をただ両手で弾いていくとき、先生がすばらしい伴奏をしてくれることがありました。もう感激でいつまでも弾いていたかったことを思い出します。小猿くんたちもすばらしい音楽で続けられるといいですね。

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  4. なんとも高尚です。私はバイエルです。輪廻でしょうか?なぜか我が家にはベビーグランドが2台凸凹で並んでいます。

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