Monday, May 2, 2011

週末の徒然



この写真はパリの西隣にあるブローニュ市のアルベール・カーン美術館で撮りました。ちょっとこの→リンクを見てください、すごい写真の量でしょう。20世紀初めにこんな旅行家・親日家がいたなんて、嬉しい驚きでした。カーンさん、ユダヤ系フランス人の銀行家で大恐慌までは大金持ちでした。ナチ占領下のパリで亡くなったとのこと。



それにしても、素晴らしい完成度です、この美術館+日本庭園。
庭園は、まるでミニ浜離宮。お茶室や古くて美しい日本家屋もあって、子猿達が「あ、日本のおうちだ」って縁側から上がろうとしちゃったくらい、日本人には懐かしく、親しみ深い光景。
写真展も1926・27年の東京、福井など。その時代を生きてないのに、とてもノスタルジックな気持ちになったのは、先日読んだ中島京子の「小さなおうち」の影響でしょうか。
こういう写真やお庭をみていて、ふと、もし自分が日本人でなかったとしても、外国人だったとしても、日本が好きなタイプだったろう、って、希望的に思ってみたり。また家族で日本を旅してみたくなりました。


この日曜日、近くのエベイユ幼稚園では震災チャリティーバザーがありました。関係者殿お疲れ様でした~。

家に帰ると、ネットではガタフィの子供と孫を空爆したというニュース。こういうとき、果たして兵士は「やったー!」と喜ぶのでしょうか、それとも・・・。そして今朝はビンラデン殺害のニュース。これで遺族の方は少し救われるものなのだろうか、と思っていたら必ずしもそうではなく、9・11の犠牲者だった住山さんのお父様へのインタビューでは、遺族には喜びはなく、「真実」を知る機会を失った困惑が広がった、とありました。
スミさんは高校の同級生で、彼がNYに赴任した当時にもグランドセントラル駅のオイスターバーで一緒に飲みました。ちょっと私の初甥っ子を思わせるような、少年臭さを残した爽やかな青年でした。9・11も、もうすぐ10年前なのですね。スミさん、そして犠牲者のご冥福を祈るばかりです。

さて、この週末より初めての大江健三郎を読んでいます。この小説家はびっくりするほど父にそっくりだし、難解そうなので敬遠していましたが、ようやく読んで見る気になりました。So far so good.
入門編と思って、「静かな生活」という中編集を読んでいますが、静かなユーモア、愛情、そして、心の内を丁寧に説明されているのとか、中々良いです。色々批判も多い作家のようではありますが、普通の悩み多き人なのではないか、と今のところ好意的に感じています。
今は「なんでもない人」として生きる、ということにこだわった部分を読んでいます。自分なんてなんでもないと思って生きるとは、どういうことなのか。以前、「うちの子は普通の、なんでもない子なんだなぁ」って思ったことが、目からうろこ的な発見だったことがあります。もちろん、まじめにモーツアルトになる、とかも思っていませんでしたが、なんだろ、どこか期待していたところがあったのでしょう。ちょうど最近興味持っていたことだったので、時折難解なのですが、頑張って読んでます。
彼は現在ほぼ書き終えていた新作を、東北地震を受けて大幅に書き直しているというのをどこかで読みました。この震災で、価値観など変わるんだろうなぁ。良い方向に変わりたいですね。

そうそう、忘れないうちに。私のお気に入りブログのピノミホさんが、ご親戚のいらっしゃる石巻市にお見舞いに行かれたレポートがアップされています。姪っ子さんのタンポポの黄色さがフランスのタンポポと同じ鮮やかさなのを見てほっとしました。

そんなところかな。
皆さん、良い一週間を!

1 comment:

  1. アルベールカーンという銀行家を初めて知りました。庭園と美術館を残した銀行家、旅行家・・格好いいです。。それにしてもパリ及びパリ近郊というのは、見る場所が沢山あって散歩に事欠かない都市ですね。これでフランス語ができれば、歴史もわかり知的刺激に溢れた生活が送れそうですね。ビンラディン殺害のニュースについては、私も何だか不思議な感じを持って受け止めました。殺すことが正義という考え方は、やはり受け入れがたい感じがします。

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