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Tuesday, February 15, 2011

恩師逝く

大学時代のゼミの先生の体調がすこぶる悪いとのメールを先週月曜日に先輩からもらい、その週末の3連休は旅行に行く予定だったので、週末を待たずに木曜日に横浜の病院にお見舞いに行った。大学を卒業してからも毎年途切れることなく先生を囲んでOB会をやり先生の話しを聞き随分と幸せな時間を過ごさせてもらった。病室を訪ねると先生は1人で横になり痩せ細って骨だらけになった左腕に抗癌剤の点滴を打ちながら宙を見つめていて、部屋に入った私達に気がついて一瞬先生らしくされたが、その後、「悲しいよ、悲しいよ」と言われた。途切れがちではあるがどうにか会話らしきものをし、時々は先生らしく、「みんな立派な格好してるね」と唐突に言ったかと思うと、次の瞬間、「もうだめだ、声が出ないんだよ、情けない」と自分一人の世界に行く。そしてまた先生らしくなって、「帰り家に寄って行ってよ」と言ったかと思うと、また一人の世界に戻って行って、情けない、情けないと、こんなやり取りを数回繰り返しただろうか。あの時、明らかに先生は色々な世界を行ったり来たりしていたのだと思う。先生に残された時間があまり無いことが明らかな時に、その残り時間を見舞客の相手に使わせていいのかどうか本当にわからなかった。帰り際、さようならの挨拶をする私達に、先生は横になったまま痩せ細った右腕を一度上げて手を振った。その後真っ直ぐにもっと右手を高く上げて声はなかったが私達に挨拶をされた。私は先生が「悲しい」と言ったことが頭に残り旅行中も先生は何が一番悲しいのだろうか、と考えたりしていた。月曜日の夕方、旅行から戻り羽田飛行場で携帯の電源を入れたら先生が週末に亡くなられたとのメールが入っていた。先生に最後の挨拶が出来て本当によかった。先生が悲しかった本当の理由はわからないが、もう先生は悲しむ必要はないと思うと救われる感じがした。