前にも書いたが、夫は大の出張嫌い。飛行機がイヤ、一人で旅立つのがイヤ、ホテルもイヤ。子供みたいでしょ。出張前夜はそれはもう、大変な落ち込み方で、子犬のような瞳をウルウルさせているのを見ていると、優しい言葉を掛けないわけに行かず、正直言って迷惑なのだ。
今回の出張は短いし、彼の落ち込みの介添え役を避けるべく、昨日は朝寝坊+昼寝の寝たフリ作戦、そして夜は楽しい推理小説に没頭し、夫の落ち込みに気づかない振りをする計画だった。・・・夕方までは順調であった。そこで気を許し、夫が選んだDVDを観ることに賛同してしまったのが失敗!
なんとアフリカの大自然の美しいこと、野性動物のシーン(特に猿)では何故か昼食時の我が子供たちを思い出してしまったり、最後の旅立ちのシーンでは滝のように涙を流し、カタールを発った時の様々な別れを思い出したり・・・。
まったく!楽しい週末の終わりは出張前の夫以上の悲しい気持ちでベッドに就く羽目になった。小生、悲しいのは大の苦手だ。どうしてこんな映画を観てしまったのだろう。隣で夫はスッキリした顔でいびきを掻いていた。
一夜明け、今朝夫はインドへ発った。悲しそうな顔をしていたので、背中を叩いて笑顔で送り出す。実際、単純さがウリの私、朝起きてみると悲しさも忘れていた。そして、冷静になって思い起こすと、なんて美しい映画だったのだろう、としみじみ。原作は作者の実話だという。メリル・Sもロバート・Rも本当に美しく、素晴らしい演技であった。
人間はあんなに完成度が高い芸術作品を作ることができる、と知ると、胸が希望で一杯になったりする。
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