昨夜は仏人カップルを拙宅に招き、ディナーをした。メニューはブッフ・ブギニョンという、牛肉の赤ワイン煮である。カナッペは手鞠寿司にした。
この二人は私が日本人であることを意識して、というか、いつも思いやりを持って私に接してくれる。そんな後押しがあるせいか、私もいつも以上に日本人っぽさが前に出る。例えば、手料理が褒められる度に、「そ、そんなことないです、畏れ多い」「塩がきつすぎましたね」と否定してしまう。社交辞麗とわかっていても恥ずかしさからこうなってしまうのだ。西洋流に素直に「ありがとう」と流せない。
ふと、昔読んだAmy Tangの小説、「ジョイラック・クラブ」出てくる、麻雀好きなおばあちゃんと同じじゃないか、と我ながら可笑しくなる。この小説は、サンフランシスコのチャイナ・タウンにおける、移民一世の母親と二世の娘世代間のカルチャー・ギャップがテーマだったと思う。
母親は自分の料理に自信を持っているくせに、人前では謙虚(建前だけ)に「腕が悪くって・・・。塩が足りなかったわね」という。まだまだ中国人なのだ。それを娘の白人ボーイフレンドは、額面通りに受け取り、「そうですね」といって醤油をジャブジャブかけてしまう。娘は笑っている。母親は顔面蒼白、そんな場面があったと思うのだが、違いましたっけ?
やはり私は昭和の女、と再確認の夜でした。
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