「眼の壁」という本を読み終えた。社会派推理小説である。面白い、パワフル!筆力、プロットともに素晴らしいとしか言えない。
松本清張の本は三、四冊しか読んでいないが、どの本でも登場人物がしっかり仕事しているのが嬉しい。刑事も、ツアー・コンダクターも、新聞記者も、人間だから間違いや見過ごすこともあるが、基本的には仕事に対して真摯で、その人格も善き人間であろう、というところから作られていて、昭和中期の一面を垣間見る感あり。今時の本は多くの場合、ふざけた人間が事件のキーだったり、想像を絶するような病的、猟奇的な話が多いが、これもご時勢なのだろう。
昭和の女でございます、と自嘲気味に言ってきたが、これからは誇りを持って言い切ろうと思うアラウンド・フォーティー、日曜の朝。
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