インフルエンザ疑惑はシロだったようだ。子猿二匹、パパ猿へと、凄まじいスピードでお腹風邪菌は移り、3日で一巡した。母猿はいつ来るか、とその日を恐れつつ、悔いがないよう、食べられるうちに食べよう、と家族が苦しんでいる横で、アジの干物や塩鮭など私にとってご馳走なものをたらふく食べた。ワインも飲んだ。なのに、バカと何とかは、ってやつなのか、ハラは出るが、痛くない。
昨日は子猿一匹連れ、街中に出かける機会があった。四時過ぎから薄暗いこの頃、バスから見るエッフェルタワーは燻し金色にライトアップされ、その渋さがTres chic!コンコルド広場には観覧車が雪の結晶を真似て白く光り、背景にある噴水も氷のよう。通行人は黒い影となり、モニュメントの美しさだけが浮かび上がっている。
「キレイね、キレイね!」と子猿に話しかけると、彼は窓に顔を貼り付けたまま居眠りしていた。他の乗客もぐったりして見える。外の美しさにエネルギーを吸い取られたのだろうか。
家に辿り着くと、会社を休んだ夫とチビ猿が、お腹が空いたから、と台所でトーストを食べていた。よしよし、ウィルスがへたばってきたか。
ふと、灯りが点いている家に帰ってくるの、久しぶりなことに気づく。トーストの焦げた匂いと共に小さな幸せを感じました。
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