我が家は日本人の小生とフランス人の夫と子猿が二匹の家族構成である。夫と小生は専ら英語で会話する。子猿達は夫とはフランス語、小生とは日本語、カタールに居たときは対ナニーさんと保育園では英語で会話していたが、今の幼稚園、保育園はフランス語である。偶にお願いするベビーシッターさんは日本語、そんな環境にいる。
さて、本日は張り切って、というよりは老体に鞭打って、巨人の星風に、4歳の子猿の自転車特訓をした。カタールでは乗り回していたのに、パリに来てからはご無沙汰していて、彼もバランス感覚を忘れかけていたようだ。日本で言う8階に住んでいるのだが、8階以上に住む子は肥満児が多い、というのが良くわかる。
自転車の特訓、過熱してくると何故か英語になる私。Come on!, You can do it! No, do it again!
・・・こういう青春語は英語の方が効果なのかもしれない。怒るときも、Stop it! Time out!等、英語が出てくることが多い。ストレートさが子供には効果的なのだろう。
途中、夕日が沈むのを見て、子猿は「みて、太陽、おしまいだって。きれいだね」という。そして、帰り道、すっかり暗くなっていて、心細くなったのか、「ママ、寂しいね」といった後、少し間を置いて「でも、きれい、夜」という。日本語能力がイマイチだからこういうダイレクトな表現になるのだろうが、そのシンプルさが美しく感じられた。
この感動を夫に伝えようとしたが、直球が当たり前の英語ではこの微妙なニュアンスが伝えられず、それではと、フランス語で再チャレンジしたが、皆が詩人のフランスではやっぱり当たり前すぎて、新鮮さが伝えられなかった。
というわけで、子猿とは逆に、どの言葉も上手に使えない母猿なのであった。そして、密かに子猿達をミュージシャンに育てたい、と思っている母猿、彼らが微妙な心のひだも伝えられるような人、自己表現ができる人になって欲しい、と願うばかり。
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