週末ロンドンに行ってきた。旅する度にタイム・トリップしているような不思議な気持ちになるのは、ノスタルジーのなせる業なのだろう。ロンドンには子供の頃に家族で、そして三十代前半に一人で住んでいた街である。沢山友達も住んでいて、今回はその誰にも会えなかったのは子連れ旅の悲しさ・・・。
ロンドン、大学の時にも、恥ずかしながら英国史専攻のうら若き乙女として二回ほど滞在したこともある。「恥ずかしながら」というのは、この大学での勉強が見事に身についていないからである。私の卒論は当時写経と笑われ、今現在は夫に私の深ーい歴史の知識をからかわれること多々である。
何故大学時代を思い出しているかというと、今回のロンドンでは、この、人生で最も無駄で貴重な時代を一緒に過ごした友人が日本から出張で来ているのに会うことができたからである。それぞれ色々なUp & downを経て再会した二人だが、何とまぁ変わっていないこと!話すこともノリも変わらず、時間軸がずれる感覚を覚えた。彼女は大学時代の私の愚行、愚考を良く覚えていて、そんな思い出話をしていると、忘れていた自分を見つけたような、再会したようなせつなさ、懐かしさで胸が一杯であった。
今回のロンドン、もう一つの目的は、Oratoryという教会の御ミサに与ることであった。Oratoryは結婚式と洗礼をしていただいた教会で、コーラスの美しさで定評 がある。この世のものとは思えない美しい御ミサで、感慨無量であった。一人暮らし時代は近くに住んでいて、この教会の鐘の音にほっとしたことなどを思い出す。
Oratoryからヴィクトリア・アルバート美術館前を通り、自然史博物館に恐竜を観に行った。この通りは歩道が広く、大胆に直線的で、ここを歩くたび、「あぁ、ロンドンに来ている!」と思う。ロンドンは男性的な街だと昔、或る友人が言っていたが、ここを歩くとき、本当にそうだな、と思う。
帰りのユーロ・スターの中で子猿らが、先の友人がいないことに気づく。「みっチャンはロンドンでお仕事して日本に帰るのよ。パリじゃないの。」と説明するが、ピンと来ていないようだった。別れとか、まだ彼らの語彙にはないようで羨ましい。
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