Saturday, June 18, 2011

パリの私立校、公立校

6月の中旬となると、パリでは学期末の発表会が目白押しとなります。9月開始の6月末終わりが一年のサイクルで、こちらでは終業式の代わりにKermesseと呼ばれる、学芸会と文化祭の混ざったようなお祭りが催されるのです。

今日土曜日のパリはミニ台風と台風一過が一日の何回も繰り返すような疲れる天気でした。
Kermesse10時開始。
まず1時間半ほど発表会で、雨がぱらつく校庭につくった即席ステージで子供たちは踊り、親は半分くらいは席を見つけ、残りは立ったまま観覧する。去年と同じです。
毎回何が情けないかといえば、親同士の喧嘩。前方の親が身勝手に立てば、後方の親が「見えないぞ」と怒鳴る。「うちの子なの」と微笑み返す強烈マダムもいるし、「煩い」と怒鳴り返す人もいる。笑えたのは、「ズームがついてるだろっ」、「使い方わかんないのよっ!」というの。

この幼稚園は小学校と併設された公立です。割かし品の良いエリアと呼ばれているこの地区ですが、当園はかなりメルティング・ポット。白人は1/3~1/4位でしょうか、貧富の差も色々と見受けます。
校舎は東京の小さめの公立校とあまり変わらないこざっぱりした鉄筋ビル。幼稚園は一クラス25人くらい。8時半から16時半なで預かる割には習うことが少ない気がしないでもないけれど、でも事故もなく、先生にも当たり、子猿達も嫌がることなく登園したので、私と夫は十分満足しています。
この発表会のあと、PTA持ち寄りの食べ物のビュッフェがあったのですが、あまりの人手と喧騒に諦めて、その足で、近くの私立校のKermesseを訪れました。

9月から、子猿達はこの私立校に入学するのです。兄猿が小学校に入るので、教育面で評判高いこの学校を試すことにした次第です。フランスの私立校の多くは、政府から補助金を貰っているので、英米に比べると控えめな授業料。大体一年当たり1000ユーロ前後でしょうか。なので、日本のように、私立=ハイソ、リッチという感はない。お受験などはなく、セレクションもない。高校などは、公立の方が学力高い、これがフランス私立校事情と聞いていました。

それでも、この私立の校舎は昔のロシア貴族の館だったとかで、もう庶民の私から見るとお城ですよ。その扉からモーツァルトがヤギのようなヘアスタイルにタイツ姿で出てきても可笑しくない、そんな雰囲気なのです。今回初めて校舎を隈なく観たのですが、圧巻です。公立校とは雲泥の差。

また、以前見学に来たときは、公立校と似たような人種・装いじゃん、何て思ってましたが、今日改めて見ると、白人ばかりで小奇麗。午前中の親同士の喧騒と比べると、何ともハイソな感じです。こちらのブッフェもPTAがオーガナイズしたようですが、違う!公立校は、ただ机並べて、チップス(私提供)、何かスプレッドを塗っただけのサンドイッチ、コーラ。アトラクションもたらいに水張って、ゴムの鴨を釣る程度でしたが、こちらはBBQありの、アトラクションもBouncing Castle(ビニール製の巨大な滑り台)ありので、金かかってます。
やはり、公立と私立、何かが違うような気がしてきました。
BOBO(ボヘミアン・ブルジョワ、左寄りの因習を笑うタイプの階層)とブルジョワ(上流階級意識を持つ階層)が個人レベルで話するとあまり思想に変わりはないのに、団体としてみると違うものとして存在しているのと同様に、公立組と私立組ではまとめて比較すると「何か」が違う。
あぁ、9月からのPTA、大変でないといいな、子猿達にとって良い環境であるといいな。

そんな今夜、我が家のおかずは餃子でした。
子猿達は餃子を作るのを観るのが好きで、今日も、台所で三人並んでの作成。兄猿は餃子の皮を私に渡す役、ちび猿は、私が作ったのをお皿に乗せる役。自分も子供の頃、餃子のお手伝いしたのを思い出します。計60個は作りました。
食卓では、「餃子のときはご飯いらない。沢山食べたいから。」「美味しいね。また作ろうね」と言いながら、二人とも父親より沢山食べる。

こんな素朴で庶民的な生活とあのパレスのような学校がだぶらないんだけど、こうやって、彼らなりの「ミックス」を作って育つのでしょうか。
私の知らない文化圏に突入する彼ら、どんどんママを置いてけぼりにして頑張ってね。

1 comment:

  1. ヨーロッパには重厚で装飾に溢れる石造り歴史的な建物が沢山あり、それがまた今でも利用されているということは凄いことですよね。こんな学校に入学するのであれば、子供が親と写真を撮るのを照れて嫌がるようになる前に、子供と一緒に沢山の写真やらビデオやら記録をとっておくと良いですね!

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