Wednesday, March 4, 2009

引越しのエピソード

引越しをした。引越しは「家を建てる」と並ぶ三大苦行らしい。残る三つ目はなんだろう?
大所帯を15年程経験しているが、ものを溜めないつもりでいても結構溜まる。今回は、工事現場で見かけるゴミ入れ(トラックの後ろの部分と同じ大きさ)に、山のようにゴミを捨てた。いつか使うだろうと思ってとっておいたものは、決して使わないのが常だと悟り、捨てることにした。
引越しを生き抜いたので、前回ニューヨークからフランスを経由してサンフランシスコ近郊に引っ越したときの話をしたい。子供と犬を連れて、計20時間余り飛行機を乗り継いでようやくSF空港に着いたのが午後4時ごろ。ミニバンを2台借りて、空港から北上すること45分。疲労困憊の極みでたどり着いた新居は、びっくりするほど汚く、老朽化していた。地元大学の同窓をたどってインターネットを使って探し当てた借家の家主は、好みの色にキッチンを塗り替えてくれるというので、まあ親切と、感謝していた。そのキッチンは、ネオン・カラーで、刷毛の跡がついた恐ろしい部屋だった。テラスがあると言っていたが、板があちこち腐って穴がぽっかり開いていた。プールもあると言っていたと思い、庭に出てみると、なんとヤギがいるではないか?(このヤギは後で知ったが、家主と仲の悪い姉のペットらしく、実はその家の一部屋に姉も住んでいたらしい。)びっくりする間もなく、子供たちが家の探検から戻り、言うには、水槽が地下室にあって中に蛇がとぐろを巻いているという。これは参った!と、ホテル探しをしたが、その日はちょうどSFで大きなイベントがあり、どこをあたっても空室がなく、隣の家から出てきた親切なおじさんが教えてくれたMOTEL 600というところを拝み倒して、6人でクイーン・サイズベッド一つの部屋で雑魚ねした。翌日契約を破棄したのは言うまでもない。
こんな話を書くと、作り話と思われるだろうが、事実は小説より奇なり、である。したがって先週末の引越しは滞りなく運んだと思うことにした。

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